東方我楽多叢誌(とうほうがらくたそうし)は、世界有数の「同人」たちがあふれる東方Projectについて発信するメディアです。原作者であるZUNさんをはじめとした、作家たち、作品たち、そしてそれらをとりまく文化の姿そのものを取り上げ、世界に向けて誇らしく発信することで、東方Projectのみならず「同人文化」そのものをさらに刺激する媒体を目指し、創刊いたします。

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2020/06/10

粗品さんの東方愛のクセが強い。「『少女綺想曲』はお笑い的に最強のシステム」「(地上波で)東方の曲でネタをやりたかった」─「東方ステーション」で語られたエピソードを紹介

ニコニコニュース編集部作成の記事

 弾幕シューティングゲーム『東方Project』の魅力や最新情報をお届けする『東方Project』の二次創作情報番組「東方ステーション#23 原作特集」が、2020年5月30日に配信された。

 今回は、スペシャルゲストとして、『東方Project』の大ファンで知られるお笑いコンビ霜降り明星の粗品さんと、『東方Project』原作者ZUNさんをお迎え。「原作特集」と題し、原作の魅力を紹介するとともに、視聴者のみなさんが「東方にハマったきっかけ=東方沼」を取り上げる回となった。

 本記事では、配信内で語られた粗品さんの東方エピソードをピックアップ。番組内のコメントを書き起こしし、お届けしていく。

 

(本記事はニコニコニュース編集部が作成したものです。)

 

粗品さんの東方愛のクセが強い。「『少女綺想曲』はお笑い的に最強のシステム」「(地上波で)東方の曲でネタをやりたかった」─「東方ステーション」で語られたエピソードを紹介

左から、金澤まいさん(AD)、粗品さん、ZUNさん、ビートまりおさん(キャスター)。

▼東方Projectの二次創作情報番組
「東方ステーション#23 原作特集」


※本記事はニコニコ生放送での出演者の発言を書き起こしたものであり、公開にあたり最低限の編集をしています。

初めてプレイしたのは『東方紅魔郷』

ビートまりお:
 粗品さんはなにきっかけで東方にハマったんですか?

粗品:
 2009年か2010年か、高校生やったんですけど、ニコニコ動画でランキングに入っていた二次創作の音楽動画で初めて東方を知りました。それこそビートまりおさんの動画も見てました。

お笑いコンビ霜降り明星の粗品さん、

ビートまりお:
 最初に見たときの感想ってどうでした?

粗品:
 めちゃくちゃキャッチーですぐにハマりました。その後、東方について辿っていったらゲームだと知って。「じゃあプレイしてみよう」っていう感じで、『紅魔郷』からプレイを始めたんです。『妖々夢』、『永夜抄』ぐらいまではやりました。

PC98版の作品。
粗品さんが最初にプレイした『東方紅魔郷』はWindows版の最初の作品。

ビートまりお:
 Windows版のシリーズ1作目からというのは意識して?

粗品:
 そうですね。漫画を1巻から読む感覚と言いますか、最初の作品からプレイしてみようという感じで。

金澤:
 いまから東方を始めるとしたらどの作品からがいいんですかね? ZUNさん。

ZUN:
 僕が言うの?

粗品:
 初心者にオススメの作品ってあるんですか?

ZUN:
 どれだろうな……。正直、いちばん新しい作品がいいんじゃないかなと思います。

『東方Project』原作者のZUNさん。

粗品:
 そうなんですか!?

ZUN:
 (既プレイ)ユーザーは「これがいいよ、あれがいいよ」って思うかもしれないけど。いちばん新しい作品が時代に合っているし、わかりやすい。

 始めるとき、最初から遊ぼうって思う人は多いので、そうならないようにシリーズに2とか3とかナンバリングをつけてないんです。東方3があったら、やはり1からやろうかなってなるじゃないですか。

粗品:
 そういうことなんですね。どれからやってもいいよっていう。

キーボード派な粗品さん

金澤:
 (東方の)シューティングゲーム、難しくないですか?

粗品:
 難しい。めちゃくちゃムズいです。

ビートまりお:
 ちなみに粗品さんの腕前はどのくらいですか?

粗品:
 いやもう全然です。最初は『紅魔郷』から順番にシリーズ作品を全部プレイしようと思っていたんです。でも3作目ぐらいで、向いてないわと思って、ホンマに。もう、小指がつってしょうがなかったです。低速にするときの。

実際に小指の動きを表す粗品さん。

ビートまりお:
 わかるわかる。

金澤:
 プレイはキーボードですか?

粗品:
 キーボード派です。Shiftキーをね、ずっと押してました。

ZUN:
 キーボードはよくないな。あまりオススメはできない。

ZUNさんが「(キーボードは)あまりオススメはできない」と口にした瞬間の粗品さん。

粗品:
 そうなんですね!! ずーっとキーボードでやってましたよ。アカンねや、キーボード。

ZUN:
 ぜひパッドで。

『少女綺想曲』は音楽的にもすごいけどお笑い的にもよくできてる曲

金澤:
 続いては、粗品さんの好きな東方の原曲について伺っていきたいと思います。

ビートまりお:
 しもふりチューブ【※】を見たとき、最初「どうせにわかなんだろう」って思った自分を殴りたいです。うわーガチ勢だったごめんなさい、って。

※霜降り明星のふたりがさまざまな企画に挑戦するYouTubeチャンネル(チャンネルはこちら)。『東方Project』に関連した動画も投稿されている。

粗品:
 いやいや。好きなんですよ。曲がいちばん好き。

金澤:
 みんなで聞いていきましょう。まずは、『少女綺想曲 ~ Dream Battle』でございます。『東方永夜抄』4A面ボス、博麗霊夢のテーマ曲です。

粗品:
 あーいいなぁ。最高。

ZUN:
 これは、旧作というか、フロッピー時代の作品で使ってた曲(『東方幻想郷』の霊夢の曲)なんです。それを自分のなかでアレンジしてる。

金澤:
 はい、ということでもう1曲いきましょう。こちら『ネイティブフェイス』でございます。『東方風神録』のEXTRAボス、洩矢諏訪子のテーマ曲です。

粗品:
 パンポンペンポン、っていうのがいいですね。

金澤:
 こちらの2曲、じつはネタで使用したことがあると。

粗品:
 そうなんですよ。ピン芸人時代に、『少女綺想曲』を流しながら、漫談をするみたいなネタをやったんです。この曲なんですが、もちろん音楽的にもすごいんですけど、お笑い的にもよくできてる曲で。

 「ティリティリティリ」ってピアノだけになるところあるじゃないですか。この間に早口でしゃべるんです。で、スパーンと終わる。そうすると自然と笑いが起こるという、最強のシステムなんですよね。

ZUN:
 おもしろそう。

粗品:
 ウーマンラッシュアワーさんの漫才で、早口でバーって言いきって、すごーいってなるじゃないですか。それの2倍すごいみたいなことができるんですよ、この曲を使うことによって。

ビートまりお:
 『ネイティブフェイス』はどういったネタで使ったんですか?

粗品:
 『ネイティブフェイス』は、ツッコミの後ろで流させていただいたんですけど、「デーデデデッ」っていうところが、非常に気持ちいいツッコミになるんです。「ティンティンティンティン」って、4文字でツッコミたくなる、シナジーになっている。とてもいい曲なんですよ。

ZUN:
 考えたことなかったけどこれもおもしろそうだね。

ビートまりお:
 なかった。そんなこと考えたの世界で唯一、粗品さんだけですよ。初めて聞いた。

粗品:
 東方好きでお笑いも好きなんで。

『幽霊客船の時空を越えた旅』の「ポン」音の真相

金澤:
 続いてはこちら。『幽霊客船の時空を越えた旅』。『東方星蓮船』の、4面道中のBGMでございます。

粗品:
 あー、めちゃくちゃいい、僕がいちばん好きな曲です。この楽曲で聞きたいことあるんです。曲中に「ポン」って音が入ってるじゃないですか。あの音ってなんなんですか?

ZUN:
 あれ録音ミスだから(笑)。Windowsの音なんです。

粗品:
 えぇーーー!? 録音中に入っちゃってってことですか。

ZUN:
 録音中に。

ビートまりお:
 録音し直さないの?

ZUN:
 いや、僕も公開前に音が入ってることには気づいてたんです。でもタイミングがすごくよくて。あんまり違和感もなくて、おもしろいからわざと残したんです。でもそれを後からツッコまれると嫌だから、あらかじめツイートでこういうの入ってるのでって書いたの。

地上波で流れた『ハルトマンの妖怪少女』を使ったネタを同時視聴

金澤:
 そして次いきましょうか。こちら『ハルトマンの妖怪少女』。『東方地霊殿』のExtra面ボス、古明地こいしのテーマ曲となっています。

粗品:
 こんな不気味な曲ありますか。

ZUN:
 確かに不気味。この曲ちょっと不思議で……7拍子だからそれが異様に、少し急かされる感じなんだよね。そして4拍子と7拍子のくり返しが気持ちいい。

「ハルトマンの妖怪少女」について語り合う粗品さんとZUNさん。

粗品:
 いろんな解説ページで調べていたら、こいしの封印した感じ、欠けている感じを、7/8拍子で表現したんじゃないか、みたいなのを見たんですけど。

ZUN:
 7/8拍子だと封印された感じ……あぁ1拍少ないからってこと? あんまりそういう感じでも。

粗品:
 えぇーー!? 否定?

ZUNさんの意外な回答に驚く粗品さん。

ZUN:
 どちらかと言うと、ちょっと焦る感じ。つんのめる感じ。

粗品:
 そうなんや。なるほどね。確かに確かに。

ビートまりお:
 この曲がなんと、この後のフジテレビの地上波でネタとして使われるそうですね。

ZUN:
 本当に?

粗品:
 そうなんですよ。ちょっと使わせていただきました。

地上波で放送された粗品さんの
ネタは番組の1:24:00~から

東方ステーション#23 原作特集

ビートまりお:
 これすごいな。千鳥の大悟さんがいい曲って言ってたもんね。うれしいね。

粗品:
 (地上波で)東方の曲でネタをやりたかったんです。この生放送のお仕事も決まっていて、地上波のオンエア日とちょうど一緒っていうもご縁を感じました。

 東方の原曲って、終わりがないじゃないですか。オーケストラを締めるのにはちょっと向いていなかったんですけど、唯一『ハルトマンの妖怪少女』ならタイミングよくスパッと終われるかな、と思ってこの曲にしたんですよ。

ビートまりお:
 なるほどね。すばらしい。しかもテレビだと尺の都合で長くできないじゃないですか。そこにもちょうどよく合うんですよね。

粗品:
 確かに。キャッチーなフレーズがくり返してる、東方原曲のよさですよね。

ZUN:
 すごい。おもしろかったです。

粗品:
 ありがとうございます。MADみたいな感じでね。

ビートまりお:
 完全に音MADでしたね。強いツッコミワードが出ると笑っちゃうなみたいな。

粗品:
 うれしいなあ。

ZUN:
 地上波で原曲が流れて、しかもあんな感じって楽しいですね。

ビートまりお:
 それをニコニコとYouTubeで一緒に見るっていう。

粗品:
 歴史的やな。

 

 今回の記事にて紹介したパート以外にも、実際にシューティングゲームに挑戦するコーナーや、『東方Project』の最新情報を紹介するコーナーなど、東方愛たっぷりでお届けされた本放送。

 もしまだご覧になっていない方がいたら、タイムシフト(もしくはYouTubeのアーカイブ)にて視聴可能なので、ぜひともチェックしてほしい。