東方我楽多叢誌(とうほうがらくたそうし)は、世界有数の「同人」たちがあふれる東方Projectについて発信するメディアです。原作者であるZUNさんをはじめとした、作家たち、作品たち、そしてそれらをとりまく文化の姿そのものを取り上げ、世界に向けて誇らしく発信することで、東方Projectのみならず「同人文化」そのものをさらに刺激する媒体を目指し、創刊いたします。

     東方我楽多叢誌(とうほうがらくたそうし)は、世界有数の「同人」たちがあふれる東方Projectについて発信するメディアです。原作者であるZUNさんをはじめとした、作家たち、作品たち、そしてそれらをとりまく文化の姿そのものを取り上げ、世界に向けて誇らしく発信することで、東方Projectのみならず「同人文化」そのものをさらに刺激する媒体を目指し、創刊いたします。

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2023/06/23

【全2回】「幻想郷フォーラム」関係者座談会

 同人誌には「評論・情報」と呼ばれるジャンルがある。

 批評、デザイン、学問、料理レシピ、エッセイ……そこには一般の人が想像する、漫画やイラストの本ではない同人誌が集まっている。“コミケ巧者”たちが「コミケの本当に面白い場所はここにある」とこぞって話す世界だ。

 東方にも評論・情報ジャンルは存在する。「東方考察」と言い換えたほうが、馴染み深い人も多いだろうか。「考察系YouTuber」なんて言葉も席巻する現在だが、東方以外の他ジャンルにおいて、考察系――評論・情報の同人誌がひとつのイベントにおいて多数頒布されることは、ほとんどない。あっても1,2冊程度だろうか。

 そんな評論・情報だけで、しかも東方だけに絞ったオンリーイベントとして開催されているものがある。今週末、6月25日にポートメッセなごやにて開催される幻想郷フォーラム(正式には『Re:幻想郷フォーラム2023』)だ。

 ポスターセッション・オーラルセッションという、他の同人イベントにはない独自の形態での参加が可能な『東方Project情報・評論系オンリー同人イベント』だ。こんなイベントが実現できるほどに、東方の情報・評論――あえてここでは考察と言い換えたい。東方の考察は拡大を続けている。

 なぜ、東方では考察が流行るのだろうか。

 ZUN氏が私たちに垣間見せてくれる不思議な世界――幻想郷と、そこに或る幻想少女たちについて、多くの人がもっと「知りたい」あるいは「考えたい」と思っているのは間違いない。でも本当にそれだけで、オンリーイベントが開けるまでに、発展するものなのだろうか。

 この座談会では、4年ぶりの開催となる「幻想郷フォーラム」の関係者たち5名にお集まりいただき、「幻想郷フォーラム」が生まれるまでの流れについて、そこから派生して生まれた「川崎読書会のプレゼンタイム」「東方発表会」「東方カンファレンス」、そして東方考察が歩んできた道筋について、主にイベント開催の観点から話を伺った。

 そしてたどり着く「なぜ東方では考察が流行ったのか」について。そして「東方を考察する」とは一体なんなのか、それぞれに仮説を出すことにした。

 前後編合わせて3万字を超える長編インタビューとなっているが、ぜひお付き合いいただきたい。

文・聞き手/西河紅葉

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