東方我楽多叢誌(とうほうがらくたそうし)は、世界有数の「同人」たちがあふれる東方Projectについて発信するメディアです。原作者であるZUNさんをはじめとした、作家たち、作品たち、そしてそれらをとりまく文化の姿そのものを取り上げ、世界に向けて誇らしく発信することで、東方Projectのみならず「同人文化」そのものをさらに刺激する媒体を目指し、創刊いたします。

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インタビュー
2023/12/22

野望はCLUB CITTA。ライブやろうぜおじさんは今日もひた走る。――「Grazy Crazy!!」主催hellnian1万5千字インタビュー

「Grazy Crazy!!」主催hellnian1万5千字インタビュー

 2023年の東方アレンジシーンを一言で言い表すなら「新進気鋭」というワードがまさにふさわしいだろう。先日発表された「この東方アレンジがすごい!2023」では、エントリー楽曲の内およそ半数が「活動開始から3年以内の”ニューカマー」、さらに約1/5が2023年に活動を開始していた。まさに新進気鋭、新しい風が吹きまくっているのが、今の東方アレンジシーンである。

 そんな跋扈する若手東方アレンジサークルを、陰ながら支え、その道筋を作り、見守っている男がいる。サークル「石鹸屋」のhellnianだ。東方アレンジシーンを黎明期から見守ってきた彼が主催するライブイベント「Grazy Crazy!!は、2020年のコロナ禍中に配信ライブとして生まれ、現在は出演者を公募する新しいタイプの東方ライブだ。

 なぜ2023年は新しい東方アレンジサークルがここまで増加したのか。「コロナ禍が落ち着いたから」以外の理由が彼の主催する「Grazy Crazy!!」にあったこと、そしてそうなった理由に、いまも生きる「Flowering Night」の意志があることを、彼とのインタビューから垣間見ることができた。

 約1万5千字。hellnian氏がいま全力を注いている活動のすべてが詰まったこのインタビューを、東方アレンジを愛する皆さまにぜひ一読してもらいたい。

文・インタビュー:西河紅葉
インタビュー:Sari

 

「Grazy Crazy‼」って、なに!?

――本日はよろしくお願いいたします。まずは自己紹介をお願いできますか。

hellnian:
 石鹸屋のドラム兼Grazy Crazy!!の主催をやらせていただいてます、hellnianといいます。よろしくお願いします。けっしてインドの五条悟ではないです。

▲hellnian氏近影。

――よろしくお願いします(笑) まずは「Grazy Crazy!!」がどんなライブイベントなのか教えてください。

hellnian:
 一番わかりやすく言うと「東方アレンジオンリーのライブイベント」です。俺が主催をやってるからかバンドサークルしか出られないと思われがちなんですが、実はノンジャンルです。東方アレンジ活動をされている音楽サークルさんであれば、バンド編成でなくても出られます!

――バンドサークルしか出られないと思っている人も多いかもしれないので、ぜひ広く伝えたいですね。毎回の出演者はどのように決定しているのでしょうか?

hellnian:
 最初は俺から声をかけていましたが、現在は公募枠をつくって、応募してきてくれたサークルさんにもご出演いただいています。そこがほかの東方ライブイベントとは毛色が少し違うかもしれませんね。

――通常の東方ライブだと、主催のサークルとほかのサークルとの対バン形式か、あるいは「博麗神社うた祭」のような多くの東方サークルが集まるフェスのような形式ですね。自分からアプローチして出るライブというと「出れんの!?サマソニ!?」と同様かもしれません。
 出たくても演奏者がいない、たとえばドラムがいないみたいなサークルの場合には、hellnianさんご自身がサポートで入られたりしますよね。

hellnian:
 たまに出たりしますけど、滅多に出ないですよ(笑) Vol.1のときにやりましたが、あれは本当に特殊なケースですね。

――そういえば、このインタビューをとることになったのは、大阪のイベントがきっかけでしたね。Grazy Crazy!!Vol.6は「東方紅楼夢」の前日に行われましたが、あの日には東方音楽系イベントがかなり被っていたんですよね、「BREAK EMOTION -Touhou Music Fes.-」とか。

hellnian:
 我楽多叢誌さんに乗った記事に、俺が噛み付いて(笑)

東方クラブイベントのあそびかた ~新しい音、仲間との出会いの場所~

東方クラブイベントはこわくない

――いやいや、個人的にはお話を振っていただいて大変ありがたかったです。

hellnian:
 噛み付いてみたものの、冷静に考えて「確かに開催の頻度も地域も流れる曲のジャンルや曲数も、クラブイベントのほうがたくさん聴けるんだよなあ」ってなって、なにも言い返せなくなり……うぎぎぎ……(うめき声)

――むしろ、ライブでしか聴けないものは何なのか、今日はぜひ教えてください!

 

大好きなライブが、なくなってほしくなかった

▲Vol.1 モジャン棒

――Grazy Crazy!!というイベントを始めたきっかけはなんだったんでしょうか。

hellnian:
 スタートしたのは完全にコロナ禍中でした。2020年当時、静岡例大祭が中止になって、相次いでライブが中止、中止、中止ってなっていって。普段お世話になっているライブハウスでもライブがなくなり、自分のバンドもライブができなくなって……そのタイミングで、たまたま「映像配信の仕事をしてみないか」と誘われまして。それで実際に配信ライブの裏方に入ったこともあり、そこから「こういうやり方なら(コロナ禍中でも)ライブができるのかな」と思ったんです。
 当時イベントを畳んじゃってた人たちに、なにか希望を持ってもらえないかなと。

――2020年は、数年ぶりの開催となった「Flowering Night」も時勢のあおりを受けて配信ライブになった年でしたね。

FloweringNight2020 出演サークルインタビュー

FloweringNight2020 出演サークルインタビュー

hellnian:
 そうでしたね。アーティストがみんな配信ライブについて考えはじめた段階だったので、それなら配信知識を得た俺がなにか起こしたら、東方アレンジ界隈で配信ライブだってできるんじゃないか、そう思ったのがもともとのきっかけですね。

――Grazy Crazy!!の初回(Vol.1)は、完全配信ライブでしたね。

hellnian:
 はい、もう無観客で。渋谷REXで配信のみのライブをやりました。

▲Vol.1 少年ヴィヴィッド

――Vol.1の開催が2020年7月23日で、当時としては「完全な配信のみのライブ」を打ち出すタイミングとしてはかなり早かったと記憶しています。2020年5月に初めて日本が緊急事態宣言に突入して、そこからすぐにこのシフトが行えたのはすごいことだなと今でも感じますが、hellnianさんとしては「今このタイミングにやらなきゃダメだ!」という確信があった?

hellnian:
 ですね。俺が動けばライブハウスに話を通しやすいっていうのは、これまでずっとやってきた甲斐もあって、できるかなと。
 あとから聞いたことですが、あのころ東方アレンジ界隈にいた子たちは、結構参っちゃってたみたいなんですよね。メジャーのアーティストもそうだし、ライブハウス側だって「これからどうしていいかわからない」って言ってたような状態だった。
 だったら、話がつけられるところからやって、ちょっとでも動きを見せたほうがライブハウスに貢献もできて――なんて、そんな大それた話でもないんですけど。

▲Vol.1 味玉定食

――当時、ライブハウスもリハーサルスタジオもみるみるうちになくなってしまったのは覚えています。

hellnian:
 あとはもう、俺がライブ大好きな人間だったんで、ライブがなくなってほしくないと思ったんですよ。だから何とか話しつけて、サークルさんにも声かけてみたら「やりたいです!」って返ってきたので、それならできるぞ! っていって始まったのが最初の一回目です。

――その動きを始めたのが、活動初期からずっとライブをやり続けている石鹸屋のhellnianさんだった、というのがみんな安心できた理由になったし、なによりものすごく応援したい動きだったと思うんですよ。

hellnian:
 ありがたかったですね、みなさんに声を掛けてもらえて。

――初回から出演サークルも「味玉定食」「少女理論観測所」「少年ヴィヴィッド」「モジャン棒」と勢いのあるバンドが勢ぞろいで、Vol.1から大きな話題になっていたのを覚えています。そこから1年おきに開催されていき……2023年は、次の12月23日でなんと2023年内に4回も開催するはこびとなりました。

hellnian:
 4,5,6と開催して、次でVol.7ですね。

▲Vol.1 少女理論観測所

――ちなみに「Grazy Crazy!!」というタイトルはどこからきているんでしょうか?

hellnian:
 昔、「大奏同」って名前のイベントをやったことがあって、そのときに秀三に「この世に存在している言葉と同じ音だと、印象が混ざってインパクトが薄れるよ」って言われたことがあって。今回はなんか造語にしたいなと。
東方原作の「かすり」――Grazeと、Crazyってワードがそもそも好きなんで、これを合わせて「Grazy Crazy!!」です。俺が見てきたライブハウスは、人と人とがぶつかってこすれ合って、何が起きてんのかよくわからないような環境ばっかりだったんで、それができなくなったコロナ禍の状況下と重ね合わせる気持ちもありましたね。東方プレイヤーはかすり点稼ぐのだいたい好きだろうし、ライブハウスに来るのは身体をこすり合わせるのが好きな人、そんな人たちのために送るライブってかんじですね。

 

ここから生まれる新サークル――コロナ対応型イベントから、新しい登竜門へ

――もともと「コロナ禍でもできる完全配信ライブ」というところだったのが、「新進気鋭サークルの登竜門」へと役割が代わりつつある印象です。今年からかなりのハイペースで開催されているのにも、こういった理由が?

hellnian:
 Vol.3のときに、参加サークルの募集をやったんですよ。そしたら10サークルも集まっちゃって。ライブハウスに2日間空いてるか聞いたらイケるって返ってきたし、じゃあ全部入れようって2Days開催したんです。勢いで(笑)
 でもそれだけ、あのころは本当にみんなライブがやれてなかったから、出たくて仕方なかったんだろうなってわかったんですよ。ライブやりたいやつはもっといるんだろうなって、そういう熱を感じました。
 そのあとに「石鹸屋バンドオフ(以後、バンオフ)」を開いたんです。これは俺がドラムをやって「ほかのパート募集!」って楽器できる子を集めたオフ会です。やってみたら、集まってきた子がみんなサークルをやりたくなったり、普段もライブで演奏する機会が全然なくて、みたいな子もいたりしたんですよ。

――バンオフ自体は、何がきっかけで開催されたんですか?

hellnian:
 いやー、めちゃくちゃ雑ですよ(笑) Twitterのスペースか何かで楽器を合わせて演奏するオフ会をやっている人がいるのを聞いて、おれも参加したいと思ったんですが、どうしても都合が合わないことが続いちゃって。じゃあ自分で開こうかなと。
 そのときに軽く「俺が石鹸屋のドラム全部叩くから、だれかほかのパートやる?」みたいなことをスペースで話したら(少女理論観測所の)テラくんとかが「めちゃくちゃやりたいですよ!合わせたいです!」って乗ってくれて。

――テラさんからしたら、自分がバンドをはじめるキッカケになった憧れの本人に「ドラムやるからギター弾く?」なんて言われたら断らないわけないですよね、それは。

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hellnian:
 すぐスタジオ押さえて、そのままオフ会の告知をしてみたらすぐ枠も埋まっちゃって、じゃあ入れなかった人のために2回目、3回目……っつって開いてる感じです。
 そこから、バンオフをきっかけに各パートの楽器が揃って「サークル活動始めようか」って子が出てきたんですよ。2回目以降のバンオフはライブハウスを借りるようにしたんです、スタジオじゃなくて。ステージに立ってセッションしたり、バンドって形態で演奏をやったりしたのがいい刺激になったのか、火が着いた子がどんどんふえて。聞いてるだけで4,5つくらいはあるのかな。
 そうなったら、その子たちがライブできる場所を作りたいじゃないですか。だからVol.4では「初めてライブに立ちます」みたいな子たちを中心に集めてみようと。今の形になったのはそれが発端です。

▲Vol.4 9bFOX

――Vol.4は「9bFOX」「五壁坂」「油脂の木」「route​9」の4サークルです。この内9bFOX以外の3つは初ライブだったわけですね。

hellnian:
 そうですね。「油脂の木」はパームくんって子がひとりで結構な年数の活動をしてるサークルだったんですが、ライブはしたことがなかったんです。「route​9」はまさにバンオフで、それぞれのメンバーと知り合ったりとつながりができて、いろいろあって意気投合して今の形になったバンドみたいですね。「五壁坂」は自分の企画のバンオフではないんですが、地元大阪で石鹸屋のバンオフをきっかけに今のメンバーとつながって、活動が始まったそうです。
 Vol.5と7に出演する「UNKNOWN BEATS」なんかもそうなんですよ。(代表の)中村さんはバンオフにギターで参加してたんですが、普段はラップやってるって話を聞いて。ここに参加してみたら、サークル活動してステージに立ちたくなったみたいで。あとは「巡遊」もですね。「My smoky lover」もそうかな、左側麻那実さんて子が、ギターとボーカルでバンオフに参加してくれてて、自分でもサークルやりたいって始めて、いまはすごいペースで活動してますね。

▲Vol.4 油脂の木
▲Vol.4 route9
▲Vol.4 五壁坂

――本当にたくさんのサークルが生まれてますね!! 2023年春~秋デビューのサークルは、実は石鹸屋バンオフ出身が多いのでは?

hellnian:
 そうみたいですね。まだ本格的に動けてないサークルとかもあって、その子たちも「いつかGrazy Crazy!!出たいです!」って言ってますね。もちろん、もともとサークルやってたけどライブができないからGrazy Crazy!!出たいって子たちもいます。彼らとはバンオフをきっかけにして俺も知り合えたので、「ライブステージに立ってみたい」って思ってる子がかなりいることは(バンオフを)やらなかったらわからなかったですね。こんなにいるんだって。

――むしろ、hellnianさんがサークルを増やしてるんですよ、それは。そもそも単純に、ずっとライブフロアで見ていた、ステージの上に立っていた石鹸屋のhellnianさんから「俺と一緒にライブやろうぜ」と手を出してくれるって、夢みたいな話じゃないですか。しかもそれが初ライブだったら、一生忘れられない経験になります。

hellnian:
 いやいや(笑) でもありがたいですね。

――実際、今年春・秋ともに例大祭では新規の音楽サークルさんがかなり増えています。「この東方アレンジがすごい!2023」でもエントリーのおよそ半数が3年以内に、約1/5が2023年に活動を始めた人たちでした。この圧倒的な新規の増加に、石鹸屋バンオフとGrazy Crazy‼は関わっていたんですね。これは本当に、東方アレンジを聴く全員がhellnianさんに感謝したいと思っているはずですよ。

――12月23日開催のGrazy Crazy!! Vol.7に関して、今回の出演サークルはどのように決められたのか教えてください。

hellnian:
 そうですね、それぞれ理由はあります。
 Vol.4のときに出てくれた「油脂の木」に関しては初ライブがGrazy Crazy‼だったんで、偉そうな言い方をすれば「2,3回までは様子を見てあげたほうがいいかな」っていう。そこまでやれば経験もつながりもできていきますから。
紺碧studio」は、実は春のときに既に「ギャラクティック・リボルバー」のフォカくんが声をかけてくれていたらしいんですよね。でもそのときは「バンド編成しか出れない」と思われていたみたいで、のちにそうじゃなくても出れるのが伝わって、今回出ていただけました。

――Grazy Crazy!!はバンドサークルのためのイベントじゃなくて、ライブをやりたいサークルのためのイベントだというのは、改めて大きく読者の皆さんに伝えたいですね。

hellnian:
 俺がバンドのイメージあるのでそう思われるんですけど、俺自身は「バンドこそ至高」とか思ってる人間ではまったくないので。石鹸屋やってて「生演奏だぞ、ロックバンドだぞ、すごいだろ」って一度も思ったことも言ったこともないですから。打ち込みできる人、本当すごいなとずっと思ってますよ。活動始めたばかりのころの俺らは、打ち込みができないから演奏で活動していただけなんで(笑)
 ほかのサークルだと、「巡遊」は実は5回目のときにも申し込んでくれていて、そのときは選考から漏れちゃったんですよ。5回目はかなり申し込み数があって激戦だったので、結構な数のサークルさんにお詫びをしたんです。そしたら巡遊は「もう自分でイベントやっちゃおう」って、自分たちで「TOHO BEAT LARIAT」っていうライブを立てちゃったんですよ。すごい勢いじゃないですか。その様子も見てて、また募集かけたら応募してくれたんでこれはもうぜひ出てくれ! と。

――新規ですぐに自前のライブを立ち上げる、圧倒的な勢いを感じますね。

コラム:スケジュール、大丈夫?

Flowering Nightを味わってしまったから――「ライブやろうぜ」おじさんが生まれたわけ

▲Vol.2 群青リボン
▲Vol.2 メトロポリタン39番街

――これはわりと野暮な質問なんですけど、hellnianさんがみんなをライブステージに立たせたい理由って、なんですか?

hellnian:
 一番の理由、そうですね……。これは本当に、ただただ俺がライブハウスが好きだというだけですね。自分がライブハウスに初めて行って衝撃を受けたのは、何しろ音がでかいことなんですよ。世の中、こんな音量を出していい世界があるのか、こんな音出したら怒られちゃうよって(笑)
 ドラムは音デカいし、ギターも音デカいし、それらをアンプとスピーカーにつないでさらにデカい音にして出すのが衝撃だった。自分たちが持ってるCDとはまったく違う姿を見せられちゃったんですよね。
 CDはCDとして、一枚の作品としてまとめることって言うのもまたすごいことなんですよ。でも、そんなすごいものを、すごい音量で、デカい音で鳴らさないか!? ……って、いうだけなんですよね。

――身体に文字通り電撃が走った体験が忘れられないと。hellnianさんが初めてステージに立ったのはいつごろですか?

hellnian:
 高校のときに入った部活ですよ。軽音部の。当時のメンバーで残ってるのは秀三(石鹸屋Gt.)だけですね。あいつは昔ドラマーで、でも本当はギターがやりたいから、逆にドラム叩けるやつ探してて。なら俺がドラマーになるっていって。そのバンドですね。
 高校生なんでなかなかライブハウスに立ったりできなくて。高校生バンド募集! みたいなイベントがやってたんで申し込んだけど、落ちて。そしたら当時あった「池袋Cyber」ってライブハウスから「代わりにこっちに出ませんか?」って別イベに誘ってもらって、初めて立ったんですよ。

▲Vol.3 アリスミア・アリスメア
▲Vol.3 Tsubaki

――忘れられない記憶ですね。そこから時を経て「石鹸屋」として数々のステージに立たれたわけですが、そこから「ライブがやめられない」身体になってしまった経験って、あったりしますか?

hellnian:
 東方でライブを続けていきたいなって思ったのは、最初の「Flowering Night」に出たことがデカいですね。
 当時も東方ファンはたくさんいて、俺らのことを知らなくても、ライブハウスに目一杯の人がいたんですよ。オリジナルでバンドやってる人なら大体通ってる道だと思いますけど、目一杯のお客さんの前でライブをやれることなんて、ほぼほぼないんです。ほぼゼロ、誰もいない、フロアにいるのは共演者、対バン相手だけ、みたいなのを何度も何度も繰り返した先で、こんな大勢の前で聞いてもらえるっていうのが本当にうれしかったんです。
 それが絶対に忘れられない経験だったし「あの新宿ロフトでやれちゃってるよ俺たち!」って思ってたら、もう翌年には川崎CLUB CITTA’ですよ。

――普通だったら味わえない快感を、知ってしまった瞬間ですね。

hellnian:
 あとは、どぶウサギさん(Flowering Night主催)の存在が大きかったですね。
 もう、全部手探りだったんですよ、すべて。「Flowering Night」やるきっかけなんて、どぶさんと龍道さん(初代博麗神社例大祭代表)が「(ビート)まりおさんの『レザマリでもつらくないっ!』をライブで聞きたくない!?」みたいな、そんなスタートだったらしいんですよ。でも演奏できるバンドがいないってなり、「名無し合同(東方アレンジ・耳コピスレッドCD企画「幻想音楽祭~Phantom Concert」 )」きっかけで知り合いだった俺ら石鹸屋に声がかかって。俺は「全然いいけど、なら俺らもバンドで出させて!」みたいな感じで。
 そこからどんなライブにしようか、ほかに誰呼ぼうか、どこでやろうか探さなきゃとか……そういうのをぜんぶ、どぶさんと当時周りにいたサークル仲間みんなで話し合って、全部手探りで作ってなんとか開催にこぎつけたライブだったんですよ。

東方音楽の青春期が詰まったライブイベント「FloweringNight」座談会

東方ライブイベント「FloweringNight」座談会

――みんな同じ年齢、な同じ世代の人だけで手探りで何か作っていく楽しさって絶対あって。それはもう忘れられない記憶になってしまうんですよね。

hellnian:
 これって「サークル活動」の原点じゃないですか。だから、俺が誰かをライブに巻き込みたいっていうのは、このときのことがずっと心にあるんだろうなって思ってます。どぶさんがそうやって色んな人に声をかけたり、場所をとったり、俺ら以外にも「これやろうよ」「出ようよ」「曲書いてみようよ」って誘ったり、そういういろんなことをつなぎ合わせてくれていたことを横で見てたんで、俺が東方でライブイベントやるなら同じことをやれたらなって。あのときの気持ちを前提にイベントを作っちゃうのは、そこなのかなって思いますね。

――かけがえないものですよね、それは。ただ、そういうものが全世界的に失われたのが、コロナ禍だったんだなと、今あらためて感じました。あの災禍のなかで高校・大学を過ごした若い子たちはそんな経験もできず、何ならやろうとすら思ったこともないところに、hellnianさんが「やってみない?」って、声をかけているわけですよね。あのときのどぶウサギさんのように。

▲Vol.5 サンライズハイスクール
▲Vol.5 マスカルポーネ

――Vol.5は現地で拝見しまして、そのときとても印象的だったのが、若手である「route9」「ギャラクティック・リボルバー」「UNKNOWN BEATS」にすでに固定ファンが存在して目当てのファンが訪れていたこと、そしてそんな彼らが「サンライズハイスクール」や「マスカルポーネ」のライブをその場で初めて見て「こんなすごいライブがあるのか!」と震えている瞬間だったんですよね。あれはまさに、過去のFlowering Nightが行っていた“人材発掘”と“クロスオーバー”がなされている瞬間とまったく同じだったと感じています。
 そうなるのも、hellnianさんがどぶウサギさんをある種受け継いでこのGrazy Crazy!!を主催しているからなんだと今日わかって、ちょっと僕も震えてしまいました。

hellnian:
 どぶさんに怒られちゃう(笑)

コラム:ポスターを毎回変える理由

それぞれに悔やみ、次を見据えていく初ステージ

▲Vol.5 ギャラクティック・リボルバー
▲Vol.5 UNKNOWN BEATS

――このライブを主催していて、印象的だったことはありますか? やっててよかったな、と感じたこととか。

hellnian:
 初ライブのサークルさんが喜んでいるのはもちろん、長く活動しているサークルさんが「これからどうなるんだろう」と不安なときに、Grazy Crazy!!に出て「ああ、やっててよかったな」って思ってくれたことがあって、それはうれしかったですね。俺も音楽をやってる身で、音楽やってると何度も何度も気持ちが切れそうになることはあるんで。それをつなぐことができたんだなと。
 コロナでいちばん気持ちが落ちてたときに、ライブに出たことがモチベーションになってくれたなら、ありがたいですよね。年を取ると、身体の体力だけじゃなくて気持ちの体力も落ちるんですよ。その横で、活動したくてたまらない若い子たちが奮起してて、見てたらそりゃ「負けてらんないな」って思いますよ。俺も。

――若いサークルさんも、同世代同士でバチバチしてますよね。いい意味で。

hellnian:
 そうなんですよね。お互い称え合ってるけど、絶対に負けねえって感じが出てる(笑) あれはすごく良いですよね。

▲Vol.6 MD
▲Vol.6 鉄腕トカゲ探知機

――Grazy Crazy!!がしっかりと世代を作ったんだと思います。コロナ禍で即売会もなかったので同じデビュー、「同期」が存在しなかったのかなと思っていて。こいつは同期だなって目線がないと、バチバチできないと思うんですよね。

hellnian:
 不思議と、Grazy Crazy!!同期みたいなものができてますね。

――今後もそれが増え続けていってほしいですね。東方アレンジシーンの中で、Grazy Crazy!!はひとつのコミュニティを形成していることが分かるエピソードです。

hellnian:
 俺はこれをすごいいいことだなと思っているんですけど、初ライブに立ったらみんな自分のステージを悔やみますね(笑)

――あぁ、いいですね!

hellnian:
 できた部分もあるけど、ここはもっとこうできたよねとか。やりきった瞬間は最高で、お客さんも盛り上がって最高の気分で……そこから打ち上げの会場に向かう道でだんだん思い出して、お酒も入ってきて反省会がスタートすると「あれはなかったな……」とか「もっとできたはずだろ……」とか、いろんなことを悔やみ始めるんですよ。これを見ながら飲む酒はおいしい(笑)

――悔やんでくれれば、次のライブが発生しますからね。

hellnian:
 それが、みんなすごく不安そうなんですよ。俺らは自分でライブ組んでるから次の予定が決まってるけど、一部のサークルは「またライブ出たいけど、どうしたらいいの?」ってなるみたいで。世の中が戻ってきたとはいえ、まだまだ東方のライブって全盛期に比べたら少ないんですよね。自分で主催できるサークルもなかなかいないし。
 あとは、イベント打つのって、ある種横のつながりで出演相手とかが決まってくるんで、面子がわりと固まっちゃうんですよね。

――デビューした世代で並ぶという状況は実際あって、その世代のバンドが主催したイベントに、より若い層が食い込んでいくのはかなり難しいですよね。そういう状況にGrazy Crazy!!はとてもフィットしている。

hellnian:
 ある種の受け皿になっている気はします。

――ここから自分たちでもライブを……と言ってたら、もう出る前から主催しているサークルさんもいるんですもんね。流れは完全にできていて、Grazy Crazy!!自体も第二ステージに突入していくのかなと思います。この先は明るいですね。

hellnian:
 向こう1年くらいは似たような感じだとは思います。
 俺らの世代はすごいありがたいことに、同人だけでなんとかなっちゃった世代なんですよ。だけど本来は普段の生活をしながら活動をしていて、その中の空いた時間を作ってはライブハウスを押さえてイベントを打つって、人によってはそこそこしんどいと思うんですね。「巡遊」のまによんさんは忙しい中で本当に良くやったなと思います。
 ライブに出てみたい、そうやってこれからも出ていきたいけど、どうしていいかわかんない、時間がうまく作れない……そういう人にぜひ応募してほしいと思ってます。明言してますが、過去に出演したサークルでも続けてどんどん応募していいので。初めてのサークルを優先することはありますけど。

▲Vol.6 (有)はしやすめwithオンパシラオールスターズ
▲Vol.3 リストカットガール
▲Vol.3 Water Color Melody.

――Grazy Crazy!!をきっかけに、hellnianさん自身も若い東方サークルのみなさんと交流を深めていると思うんですが、今のサークルを見て感じることってありますか?

hellnian:
 まぶしくていいですね、本当に。たぎってるなというのもありますね(笑) 次もやりたい、どうしようって思っているわけですから。そういうのを見て少し上の先輩な、「少年ヴィヴィッド」のイチさんとか、「モジャン棒」の田中じゅんじろーさんとか、イベントを主催しているサークルが「いつかうちのライブにも出てよ」って声をかけてくれてるらしくて、ありがたいです。もちろん、自分でイベントを打ってくれるサークルもどんどん増えてほしいとも思ってます。相談、いくらでも乗りますよ。

コラム:大事な大事なお金の話

帰ってきた、東方アレンジのカオス

――少し話は変わって、hellnianさん自身がいまの東方バンドアレンジを聞いていて、ここが変わったと思うことはありますか。

hellnian:
 これはもしかしたら悪く聞こえるかもしれないんですが、今年の新譜を聞いて、俺としては「昔に戻った」と思いました。コロナ前、5,6年前くらいの東方アレンジってだいたい“ちゃんとしてた”じゃないですか。どの音源も。これは……本当に同人か?プロの仕事なんじゃないか? みたいな。
 俺個人としては、同人って別に出来の良し悪しに限らないと思っていて。この前の例大祭(2023年秋季例大祭)の作品はそういう、出来栄えのばらつきがかなりあったのが、個人的にはうれしく感じましたね。そうであるがゆえに、そこにただならぬ熱量を感じると言うか。それでいいんだよと思うし、何でもかんでも良い音源こそが良いものではないんだと……そもそも、形にして出したっていうこと自体が本当にすごいことだと、俺は毎回思ってるんですけど。
 一時期はどれも粒ぞろい!ちゃんとした音源! みんなきれいで上手くて、どうやってまとめてるのか不思議になるぐらい出来が良かったんで。うちなんか、なんだったら音悪い部類だったって散々言われてる方ですからね(笑) よい意味で粒が揃わなくなったことが、俺はとてもいいと思ってます。

――本当に新しい人が増えてるんだなというのを感じます。ニコニコ時代を思い出す感覚がありますね。

hellnian:
 荒々しいと言うか。玉石混交なことがうれしいですよ。

――何か出てきそう……見たことない何かが生まれそうな感じがある、そういう空気がありますよね。

hellnian:
 混沌なんですよ。澄み切ってないなって。そこから何が生まれるんだろうなって、楽しみにしています。

――そんなカオスが形をなす瞬間のひとつにGrazy Crazy!!があるんだなと感じますし、さまざまな刺激を受けて、hellnianさん自身の音楽性にも変化が生まれていくのかなとも思っています。シーンにおよそ20年立っているhellnianさんから見た、東方アレンジライブの一番楽しいところってなんでしょうか?

hellnian:
 みんな同じ東方を題材にして、こんなにも違うものが生まれるってことですかね。
 同じゲームの同じ曲を聞いて、それぞれが生きてきて影響を受けたものが混ざり合って、それが歌詞になったり、曲になったりするわけじゃないですか。そこから、それを人前で演奏するってときに、また表現が変わったりするんですよ。
 いまは時代が変わりましたけど、やっぱりここまで「二次創作、同人、やってもいいよ」って言ってくれる界隈は、ほかにないんで。ゲーム音楽の二次創作って、NGなものがほとんどじゃないですか。そこに対してZUNさんが「いいよ」って言ってくれていることが、本当にありがたいと思っています。その結果、いろんなライブが生まれて、そこからコミュニケーションが発生しているんだから、素直にとんでもないことですよ。

――「新曲かけます!」っていって、みんな初めて聴くのに「あ、この原曲分かる!歌えないけど歌える!」ってすぐに盛り上がれてしまうのは、東方ライブならではの醍醐味ですよね。あれは東方音楽イベントにしかないです。

hellnian:
 いいですよね。

――音楽ジャンルだって本当に幅広くて、ポップロックとシューゲイザーとヒップホップとパンクがまったく同じステージに立って、会場がストレートに受け入れてくれるのも、わりと奇跡だと感じます。そしてみんな、ちゃんと東方が好きだってわかるんですよね。

hellnian:
 そうなんですよね。「お前……その見た目で本当に東方好き?本当にオタク?」みたいについ思っちゃうこともあるんですけど、話してみると普通に、というかゴリッゴリに東方のファンなんですよね、だいたい。なんなら自分で歌詞書いているような方もいるんで、キャラを解釈して深掘りできる人たちなんですよね。話したらオタクがすぐ出てくる。

――歌詞を書くという行為、そのキャラが好きじゃないと普通できないですからね。

hellnian:
 そういうのがまた面白いと思いますね。

 

「ライブ出ようぜ」おじさんの野望――CLUB CITTA'で、君たちは何を魅せるのか

▲Vol.6 石鹸屋

――Grazy Crazy!!にまだ来たことがない人に向けてメッセージをもらえますか。

hellnian:
 サークルやってて、自作の曲があって作品がある人、どうですか?うちで演りませんか? あとリスナー向けに伝えると、どこかのライブで見るいつものメンツじゃないライブ、見たくないですか? そう思った方はぜひ、来てください!

――もしかしてこれは、ライブにまだ立ってなかったり、あまりライブ活動をしていないサークルさんに向けて「Grazy Crazy!!、出たほうが良いですよ」ってファンの皆さんから伝えて欲しい、ってことですか?

hellnian:
 それもそうですし、ライブに関してどうしようか悩んでるサークルさんがいるなら、遠慮なく相談してください! いつでも気安く「ライブ出ようぜ!」おじさんをやっておりますので。

――サイトのフォームに「Vol.8には出れないけど、今後出たいと思ってて、でもこういう悩みがあって……」みたいな内容で投げかけても、大丈夫ってことでしょうか。

hellnian:
 全然いいですよ。いくらでも答えます。ライブハウスってどうやって押さえるんですか、予算ってどうやって組みますか、とか全部伝えますんで。ライブハウスとの仲介も相談に乗れますよ。もちろん、お金取ったりしないんで。

――優しすぎる。そこまでしたらちゃんとお金はとって欲しい。

hellnian:
 観客のみなさんもめちゃくちゃ若い子が増えてるんで、チケットの金額も本当だったら2000円まで落としてあげたいんですが、これ以上下げちゃうと採算とれなくなっちゃうんで。でもできるだけ、この金額でも満足してもらえるぐらいのライブアクトをみせてあげたいとおもってます。
 サークルの皆さんには、それぞれ30分程度の時間枠ですけど、そのなかできっちりやり切っていいライブにして欲しいし、悔やむことがあれば何らかの自分たちの糧にもして欲しい。サークル活動のステップのひとつにしてほしいと素直に思っています。

――ありがとうございます。2023年の東方アレンジサークルの増加傾向に、間違いなくhellnianさんが一役買っているということがわかりました。これからGrazy Crazy!!の、やっていきたいことはありますか?

hellnian:
 俺の中のひとつの野望は、CLUB CITTA’でやることですね。

――ぜひともやって欲しいです。

hellnian:
 Grazy Crazy!!を始めたとき、(ビート)まりおさんに「Grazy Crazy!!はFlowering Nightみたいになるよ」みたいなこと言われたんですけど、そのときは釈然としなかったんですよね。でも今になって、Flowering Nightをやってたときのどぶさんってどういう気持ちだったんだろう、って考えることが多くなってきて。ある意味まりおさんが言っていたことは間違ってはなかったというか、Flowering Nightにしたいわけじゃないけど、どぶさんみたいになりたいなって気持ちはどうやらありますね。
 どぶさんってすごい面倒見のいい人だったんだなって、いまさら思って。当時の若い俺とかまりおさんとか、とにかく好き勝手やり放題やってた奴らに「そりゃ駄目だろ」って釘刺してくれたり、でもできるだけなんとかなるようにしてくれてたんですよ。今の子たちは本当に素直なんですが、そのころを思い出すと「全然わがままも言ってくれていいよ!」って思いますね。
 今後、ライブハウスも規模を大きくしていけたらと思ってますし、イベントも新しくしていきたいと思ってるんで、その最終目標としてCLUB CITTA’でやりたい――というか、俺があのとき(Flowering Nightで)CLUB CITTA’に立たせてもらったのは、人生においてのターニングポイントだったんで。それを今の子たちにも味わってほしいですよね。(少女理論観測所の)テラくんがうた祭でCLUB CITTA’に立ったときに(どれだけ憧れていたかを)語ってくれてたけど、もしそういう機会をみんなに作れるんだったら、それが実現するまでGrazy Crazy!!を動かしたいと思ってます。
 訊きたいじゃないですか。CLUB CITTA’の舞台立って、袖戻ってきた子に「どうだった? ちびった?」って(笑) 出る前に緊張しまくってる子に「トイレで吐いてきたか? 大丈夫、まりおさんも岸田さんもそうだったんだから」って話を、してあげたいですよね。

今日、少女理論観測所はCLUB CITTA’の舞台に立つ。その一線級のパフォーマンスは、彼らがこのステージのヒーローである証明だった

今日、少女理論観測所はCLUB CITTA’の舞台に立つ。その一線級のパフォーマンスは、彼らがこのステージのヒーローであ…

――痺れてしまいました。ぜひその光景が見たいです。Flowering Nightほどハイペースなステップアップでないにしろ、Grazy Crazy!!も同じ階段をゆっくりと登っているのかもしれないですね。

hellnian:
 時間はかかるかもしれないですけど、今後もいろんなサークルさんに出てもらって、ライブでつながり作ってもらって、2回3回って経験重ねていって――もちろん全員がずっと続けられないし、いろいろなことが起きると思いますけど、いつかCLUB CITTA’でやるときにその子たちがどういうパフォーマンスを見せてくれるのかが楽しみですね。それを見たときにひとつ、俺はそこまではやれたのかなって思うのかもしれないですね。……ただ、やれないまま終わる可能性もありますからね!(笑)

――その夢を一緒に見たい人はたくさんいますよ。自分が追っていたサークルが、イベントが自分と一緒に大きくなるのは、ファンにとってもうれしいことじゃないですか。東方アレンジリスナーが増えて、それぞれの応援の力が大きくなって、hellnianさんの夢を叶えられるようになる日がいつか来ると思っています。

hellnian:
 俺の野望ではありますけど、みんなも野望を持ってるはずですよ。「みんなもCLUB CITTA’で演奏したいんじゃないの!? ライブハウスで音楽やってんだったらさ! 俺はいつだってやりたいと思ってるよ!」って(笑)

――石鹸屋がCLUB CITTA’に立ち、その姿を見て数年後に同じCLUB CITTA’に立った少女理論観測所ヒーローがいて、その姿をを見てまた新しい……このストーリーに立ち会えるのは今から追い始めた人の特権なので、ぜひ今後のGrazy Crazy!!に注目してほしいですね。

hellnian:
 ライブハウス、いきなり来ると怖いってひともいると思うんで、そうしたらぜひ配信チケットから参加してみてください。そこで様子を見てもらえれば、東方アレンジのライブってこんなかんじなんだって雰囲気もわかると思うんで。いまのライブは、配信ありきだとおもってるので。

――Grazy Crazy!!の配信、2000円チケットとは思えないくらいのかなりいい配信映像ですからね。こちらもぜひ体験してほしいです。本日はインタビューありがとうございました。

hellnian:
 現地組も配信組も、明日のGrazy Crazy!! Vol.7で待ってます!

 

明日12月23日開催!「Grazy Crazy!! Vol.7」

【概要】

東方projectアレンジサークルによるライブイベント(配信・有)

【出演】

UNKNOWN BEATS

紺碧studio

巡遊

油脂の木

S.K’/Sound

【キービジュアル制作】​(※敬称略)

Illustration / 藤たらゐ

Design / なずか

【会場】

studioACT町田

【日時】

2023年12月23日(土)

OPEN 17:00 / START 17:30

【ライブ形態】

​オールスタンディング(配信あり)

【チケット】

入場 ¥3,000(1ドリンク代込み)

チケット購入ページへ

※チケット購入ページでは各サークル、及び主催と購入の窓口が分かれております。各サークルごとでの集計となりますので、ご協力よろしくお願いいたします。

配信 ¥2,000

配信チケット購入ページ

※開催日より2週間再視聴可

『Grazy Crazy!!』は東方project作品の二次創作活動でありファン活動です。

当イベントは上海アリス幻樂団様とは直接関係はございません。
お問い合わせの際はCONTACTからお願いします。

野望はCLUB CITTA。ライブやろうぜおじさんは今日もひた走る。――「Grazy Crazy!!」主催hellnian1万5千字インタビュー おわり