東方我楽多叢誌(とうほうがらくたそうし)は、世界有数の「同人」たちがあふれる東方Projectについて発信するメディアです。原作者であるZUNさんをはじめとした、作家たち、作品たち、そしてそれらをとりまく文化の姿そのものを取り上げ、世界に向けて誇らしく発信することで、東方Projectのみならず「同人文化」そのものをさらに刺激する媒体を目指し、創刊いたします。

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新天地での面白さを目指して。復活する“伝説の音ゲー”『東方ダンマクカグラ ファンタジア・ロスト』JYUNYA氏、たかむら氏インタビュー

『東方ダンマクカグラ ファンタジア・ロスト』開発チームJYUNYA氏、たかむら氏、うえだP氏インタビュー

 いよいよ発売が目前となった『東方ダンマクカグラ ファンタジア・ロスト』。このタイトルは、2022年10月28日に惜しまれながらもサービスを終了した東方Project初公認スマートフォンゲーム『東方ダンマクカグラ』をリビルドした音楽ゲームだ。新しい東方ファンを大勢獲得し、惜しまれながらサービスを終了したことは、最終日の配信で公開されたユーザーデータからも見て取れた。

(公式YouTube Shortの言葉を借りるならば)“伝説の音ゲー”、ダンカグがついに復活する。サービス終了日にリビルド版の開発が発表される異例の事態に、流した涙がうれし涙となったダンカグファンたちが大勢いたことも記憶に新しい。そんな『東方ダンマクカグラ ファンタジア・ロスト』とはいったいどんなゲームなのだろうか。リリースを記念して、東方我楽多叢誌ではその裏側に迫るインタビューを3日間連続でお届けする。

 第一弾は、本作の開発を行うAQUASTYLE代表そしてアンノウンX団長のJYUNYA氏、そしてAQUASTYLEのたかむら氏に、本作の概要と魅力について新しくなったポイント、さらに夢のコラボ楽曲「Toby Fox&ZUN『U.N. Owen Was Hero?』」実現の裏側について伺った。インタビューにはアンノウンX副長のうえだPにもご同席いただき、今後のアンノウンXの動きについても語っていただいている。最後までご覧いただきたい。

インタビュー:にしかわ
文・編集:西河 紅葉

 

『東方ダンマクカグラ ファンタジア・ロスト』

――本日はインタビューよろしくお願いいたします。早速ですが、2月8日にリリースされる『東方ダンマクカグラ ファンタジア・ロスト』とはどんなゲームなのか、概要を教えていただけますか。

たかむら:
 『東方ダンマクカグラ ファンタジア・ロスト(以下、ファンタジア・ロスト)』は、スマートフォン向けにリリースされていた『東方ダンマクカグラ』を元に、新しい形で再構築した買い切りスタンドアローン型のゲームになります。見た目や収録楽曲などは踏襲していますが、ほかの大部分を新しく作り直しているので、ゲーム体験としては大きく変わっています。

JYUNYA:
 ソーシャルゲーム版と大きく違って、毎日ちょっとずつ進めるようなゲームデザインから、SwitchやSteamで遊べるような、ストーリーやステージを攻略していくようなタイプのゲームになっています。

たかむら:
 ストーリーモードを進めると、音ゲーをプレイするステージが開放されます。ステージをクリアすることでどんどんスポットを“復興”し、失われた幻想郷を取り戻す――というのが大まかなゲームデザインです。

▲PV「『東方ダンマクカグラ ファンタジア・ロスト』Steam版2024年2月8日発売!」より。画面はすべて開発中のものです。

――ストーリーモード以外に、好きな曲を選んで遊べる「フリープレイ」モードもあるんですよね。

たかむら:
 はい。ストーリーモードでクリアした楽曲がフリープレイで自由に遊べるようになります。DLCの楽曲はこれとは別で、購入した瞬間にフリープレイに追加されます。ゲーム本体に収録される楽曲と、発売日同日リリースのDLC1を購入することで、90曲以上の楽曲が遊べます。DLCはその後も2,3,4と配信予定です。

▲「ダンカグ新年会」で公開された、フリープレイモードの選曲画面。画面はすべて開発中のものです。

 

スマホからPCへ――新天地での面白さを目指して

――冒頭でも語っていただきましたが、あらためて「スマートフォン音ゲーがPC向け音ゲーに生まれ変わる」というのは、具体的にはどのような変化があったのでしょうか。開発の苦労なども合わせて教えてください。

たかむら:
 わかりやすいところでいうと、操作が「タッチパネル」から「キーボード」や「コントローラー(ゲームパッド)」に変わったところでしょうか。『ファンタジア・ロスト』では主にキーボードでのプレイを推奨しています。タッチパネルでは7レーンでしたが、コントローラーは基本的に左右対称の配置となっているため、プレイしやすさを重視して6レーンに変更しました。

▲スマートフォン版『東方ダンマクカグラ』の画面(写真上)と『ファンタジア・ロスト』の画面(写真下)。ノーツレーンの数が7から6に変更された。画面はすべて開発中のものです。

――そうなると、楽曲の譜面は……

たかむら:
 そう、すべて作り直しました。スマホ時代の譜面を踏襲したものや、まったく新しいプレイ感を提案している譜面もあります。このあたりの話は、譜面チームでのインタビューで……。

※『ダンカグ』譜面制作チームのインタビューは、2月6日公開予定です!

――ミタマカード、いわゆるガチャ排出のアイテムに関してはどうなったのでしょうか。

たかむら:
 本作ではガチャシステムを踏襲していません。ミタマカードはゲーム内で手に入るアイテムとして登場します。ヒロインの装備品としてリズムゲームのプレイをサポートしてくれる、というところは変わっていません。イラストやフレーバーテキストなどはそのまま踏襲していますし、スマホ時代で実装できなかったミタマカードが新規カードとして追加されています。

JYUNYA:
 サービス終了が決まった当時、もう世に出ることがないとわかっていたイラストも、実は最後まで仕上げていたんですよ。終わるからといって手を抜きたくないから。それがちゃんと世に出せるのは、うれしいです。

▲リズムゲームプレイ画面(写真上)の右下に、ミタマカードの欄がある。今作もミタマカードはヒロインに装備して使用するようだ(写真下)。画面はすべて開発中のものです。

▲動画「【ゆっくりくるとし】SSRミタマカードイラストを全て振り返ろう!」で公開された、新規実装ミタマカード。実際にはスマートフォン版での収録が予定されていた。

――こういったプラットフォームの変化に伴う再構築は、どのような形で決まっていったんですか。

JYUNYA:
 音ゲーとして遊ぶデバイスが決定的に違うので、そのままそっくりスマホ版の移植、とすることはできません。とはいえ、“スマホの劣化版”にはしたくないと思っていました。みんなが遊んだ曲、手に入れたミタマカードをそのまま使うなら、それらが新しいデバイスやハードウェアに合わせて再構築――新作のゲームで作り直したい。これが一番の考えです。
 新天地へ向かうなら、その土俵にあわせた一番おもしろい音楽ゲームの遊び方を提案したい。リビルドに関わったチーム全員が共通して持っていた意識です。

――単純なスマホ版の移植でも続編でもなく、スマホ版ダンカグの意志を継ぐ継承作、といったところですね。

たかむら:
 再構築するにあたって最初に決めたことがいくつかありました。
「最終的にスマホ時代の楽曲をすべて遊べるようにすること」
「ミタマカードをすべて実装すること」
「完全新規のストーリーを作ること」
「キーボード・コントローラーで楽しい音ゲーにすること」
大きく掲げたものはこの4つです。

クラウドファンディングスタートの際に公開されたJYUNYA氏のメッセージ。この時点で「ミタマカードの全実装」「楽曲を可能な限り遊べるように」という2つが掲げられていた。

 

喪われた幻想曲――ファンタジア・ロスト

――『ファンタジア・ロスト』というタイトルは、いつどのように決まったんですか?

JYUNYA:
「この世界って一度終わってしまったよね」という事実は(開発チームの)みんなの頭に浮かんでいたので、終わってしまった、失われてしまったということに沿ったタイトルにすべきだなと。
 新作を遊ぶほとんどの人がおそらく「スマホ版を遊んでいたから、ファンタジア・ロストも遊びたい」という気持ちだと思ったんですね。サービス開始からサービス終了の最後の最後まで見ていた人こそ、この物語の続きを知りたいと思って手を出してくれる、応援してくれると思ったので、それなら「終わり」から「始まり」を一緒に体験してもらおうという意味合いを込めて『ファンタジア・ロスト』になりました。

たかむら:
 最初は『東方ダンマクカグラ ポスト・アポカリプス』にしようかって話もあったんですよ。僕は結構最後までそれを推してたんですが、ちょっと直接的すぎるねって却下されました(笑)
 最初のティーザーにも出ていた、滅びた幻想郷に佇むすべてを失った霊夢。彼女のストーリーを描きたいのもあり、幻想郷――幻想曲(ファンタジア)を喪失(ロスト)した……そういう感じで、わりとすんなり着地しましたね。

――『東方ダンマクカグラ』サービス終了生放送で公開された最初のビジュアルとセリフは、インパクトが有りましたね。

たかむら:
 今作のシナリオもスマホ版から続いてストーリーノートさんが担当すると決まった時、(ストーリーノートの)藤澤仁さんが最初に送ってきたイメージボードが、ほぼこのビジュアルだったんですよ。まさにポストアポカリプスです。

※シナリオ担当、ストーリーノート藤澤仁氏・武田稚乃氏によるインタビューは、2月7日公開予定です!

たかむら:
 ストーリーに関してはネタバレになってしまうのであまり語れないのですが……見てほしいなと思うのは、霊夢の儀式によって砂漠化した世界が緑豊かな幻想郷に変わるシーンでしょうか。このシーンはこだわって作ったので、ぜひ見てほしいです。

 

「ダンマクステージ」と「FRAME PERFECT」

――新モード「ダンマクステージ」について、おしえてください。

JYUNYA:
 もともとスマホ版に実装されていたDanmakuステージの遊びをより新たにしたものです。スマホというデバイスでは実現できなかった形を、今回PC版で実装した形になります。

▲Danmakuステージ(写真上)と新しいダンマクステージ(写真下)。弾幕の物量と、左右に設けられたノーツレーンが特徴的。画面はすべて開発中のものです。

たかむら:
 テーマとしては「弾幕+音ゲー」で、音ゲーをやると自機が強くなる弾幕シューティングです。普通に弾幕を左右に避けることもできますが、音ゲーがうまくできれば自機が強化され、より良いスコアを目指せるというゲームデザインですね。逆にシューティングだけに集中してもクリアは可能です。

――このステージはぜひ遊んでほしい! という楽曲はありますか?

たかむら:
 レミリア・スカーレットのステージ『紅星ミゼラブル ~ 廃憶編』は、楽曲と背景の雰囲気が相まっていい雰囲気になってます。ぜひ遊んでほしいです。ほかのステージも絶賛調整中です……!

――音ゲー部分の細かな変更点でいうと、すでに公開されているリザルト画面では新しく「PERFECT」判定が増えていましたね。

たかむら:
 前作にあったFAST判定がなくなり、今作では「MISSーBADーGREATーBRILLIANTーPERFECT」となっています。単純に表記が変わったわけではなく、スマホ版のBRILLIANT判定よりもさらに狭い、本当にほぼ完璧に押せないと出ない、PERFECT判定を追加しています。スマホのタッチパネルではどうしても出せない極小フレームの判定に、PERFECTという名前はつけられないじゃないですか。だから入れてなかったんです、これまで。

▲今作のリザルト画面。「MISSーBADーGREATーBRILLIANTーPERFECT」の5つの判定となっている。画面はすべて開発中のものです。

――ガチのPERFECT、というわけですね。となると今まで「ALL BRILLIANT(通称AB)」と呼んでいたのは「ALL PERFECT」に……?

たかむら:
 いえ、「FRAME PERFECT【※】」です。ABはABで存在しますが、その上があると思ってください。ちなみにPERFECT判定の猶予時間は、ジャストタイミングから前後1/60秒。(60fpsのディスプレイで)実質的に2フレームです。

【※】FRAME PERFECT:ゲーム用語における「1フレームの誤差も許されない完璧な動作」のこと。60fpsディスプレイにおける2フレームは、2/60=1/30秒しか猶予がないということになる。

――2フレ……某アーケード音ゲーの最高判定とほぼ同じですね!?

たかむら:
 FRAME PERFECT専用の演出もあります。腕に自信のある音ゲーマーの皆さんは、ぜひ全曲FRAME PERFECT演出をみてほしいですね。

――せっかくデバイスがキーボードやPC接続コントローラーになったということで、音楽ゲームにはおなじみの「専用コントローラー」を制作する予定はあったり……?

たかむら:
 作りたいですね! 正直なところ、ゲームの売れ行きとご意見の数次第です。作って欲しいという方はぜひアンノウンX宛にご要望をお願いします。

 

『ダンカグ』は常にユーザーの期待を越え続ける――夢のコラボ「Toby Fox&ZUN」

――今作の目玉楽曲の一つとして、ZUNさんとToby Fox氏による合作「U.N. Owen Was Hero?」が公開されていますね。こちらの楽曲はなぜ制作されることになったのでしょうか?

たかむら:
 Tobyさんに東方アレンジを作ってもらいたいという話は、スマホ版のときにはすでに上がっていました。その後、Tobyさんに楽曲制作をご承諾いただいたんですが、制作する条件として提示されたのが「自分ひとりでは音楽ゲームにふさわしい曲が書けないと思うから、コラボという形でどなたかにお手伝いをお願いしたいです!」という話で。

JYUNYA:
 たしかにそうだなと思いつつ、誰に手伝ってもらうかを考える会議で……魔が差したんですよね。「コラボなら、ZUNさんにお願いしたらよくね?」って言っちゃって。いやもう、こんな機会絶対ないだろうし、もう一度ダンマクカグラの名のもとに願いが叶うならば、Toby FoxとZUN、このふたりのコラボ以外ないだろう!って、思っちゃったんですよ。そのあと僕がZUNさんに打診したら「いいんじゃない?」って、あっさり。

たかむら:
 Tobyさんに「お手伝い、ZUNさんになりました!」ってメールしたら「ドッキリですか?」って返されましたね(笑)

JYUNYA:
 Tobyさんは単純にヘルパーが欲しかったのに、もうZUNさんがやってきてしまったから、全力全開の本気でやらざるを得なくなってしまって……そこは申し訳ないと思っています(笑)

▲Toby Fox & ZUN『U.N. Owen Was Hero?』の選曲バナーイラスト(1枚目)。イラストは「UNDERTALE」にも参加したイラストレーター、Temmie Chang氏による描き下ろし。

Temmie氏もまた東方の世界に魅了されたクリエイターだったことが「ダンカグ新年会」で明かされた。

JYUNYA:
 でも! 『東方ダンマクカグラ』は常にユーザーの期待をもう一歩先まで越えていく、ということをずっと成し遂げてきたんですよ。そこには大きな苦労もありますが、単純に「ダンカグ、復活してきてくれてありがとう」ってユーザーに思ってほしかったし、そう素直に思えるものを用意したかった。

 結局、俺もたかむらさんも、同じアンノウンXのうえだPも、みんなダンカグのユーザーなんです。ユーザーとして面白いもので遊びたいから。だからTobyさんとZUNさんの曲で遊びたいと思ったし、スマホ版でも「東方の原曲で遊びたい」ってZUNさんにお願いしたんです。

――これが実際に実現し続けてきている、というのが驚きですよね。

JYUNYA:
 これが出来ているのは、ZUNさんやTobyさん、東方が大好きなクリエイターやスタッフのみなさんの協力のおかげですし、感謝ですね。

 

どうしてアンノウンXから『ダンカグ』じゃないゲームも出るの?

――話は少し変わりますが、『アンノウンX』というチームからは『ダンカグ』以外のゲームが出ることも発表されていますよね。これはどういう経緯だったんでしょうか。

JYUNYA:
 それは、この人に話してもらったほうがいいんじゃない? 副長に。

うえだP:
 はい、アンノウンX副長のうえだPと申します! 実はインタビューに同席させてもらっていました。
 経緯としては、最初は単純に『アンノウンX』という名前を消したくなかったんです。せっかくZUNさんから、しかも東方原曲の名前からいただいて作った団体をなくしたくなくて、どうにかできないかなと。
 そんなときにリュウズオフィス(ダンカグのプロモーションを担当していた会社)の小沼さんが「せっかく『ファンタジア・ロスト』も出ることですし、東方でほかにもゲームを作って、東方のゲームを作り続けるレーベルとして生き残らせるというのはどうですか?」と提案してくれたんです。もともとアンノウンXはダンカグのためのチームではなく「東方Projectを盛り上げて世界に知らしめる」のが目的だと名乗っていましたから、それならしっくり来ると思いました。
 そして、その中で自分ができることといったら、やっぱりゲームを作るしかないじゃないですか。『ファンタジア・ロスト』の開発にはDeNAとしても自分個人としても参加していなかったので、何か新作を考えなければいけないということで出てきたのが、『東方ダンジョンメーカー』でした。

東方ダンジョンメーカー The labyrinth of heart

https://store.steampowered.com/app/2514620/_The_labyrinth_of_heart/?curator_clanid=44365766

たかむら:
 開発、参加してくれても良かったのに。人手足りないよ?

一同:
 (笑)

うえだP:
 ぼくとしては『ファンタジア・ロスト』はお二人に受け渡した気持ちが強いんです。その上で、JYUNYAさんやたかむらさん、アンノウンXというバトンを受け継いでくれた人たちともう一度対等なステージに立つためには、自分個人でイチから企画を考えなければと思いました。

――『東方ダンジョンメーカー』は、DeNAやAQUASTYLEからあがったものではなく、完全にうえだPさんの発案で始まったものなんですね。

うえだP:
 そうです。企画、コンセプト、開発チームを集めるところからやってます。とはいえ『ファンタジア・ロスト』のチームから手伝っていただいている人もいます。今のアンノウンXには『ファンタジア・ロスト』チームと、『東方ダンジョンメーカー』チームと、『ほら吹き山の魔理沙』チームがある、みたいな感じになっています。

ほらふき山の魔理沙

https://store.steampowered.com/app/2514630/_/?curator_clanid=44365766

――「アンノウンXってダンカグのための存在だったんじゃないの?」って思っているユーザーさんも多いと思います。現在はそういう形になっているのですね。

うえだP:
 そうですね。もちろん「東方Projectを盛り上げる」という大目的は一緒です。
 あと、開発チームが違いますので『ファンタジア・ロスト』のクラウドファンディングでいただいたお金は、『東方ダンジョンメーカー』や『ほら吹き山の魔理沙』には一切使われていません。さらに言うなら、1月に行ったライブ「DANKAGU ON STAGE!!」にも、クラウドファンディングのお金はまったく使われていません。みなさんの応援はすべて『ファンタジア・ロスト』というゲームのために使われていますし、アンノウンXのほかのゲームは各開発チームが身銭を切って作ってます(笑)

――勘違いしている人が多そうなので、ここははっきりと伝えておきたいですね。ちなみに1月のライブはどういう経緯で開催されたのでしょうか。

うえだP:
 会社の話になってしまうのですが、あのあと自分がDeNA社内でライブ・エンタメ系の仕事をすることになりまして。ライブの仕事ができるのに東方のライブをやらないのは嘘でしょ!って思って、アンノウンXのみなさんに「『ファンタジア・ロスト』出るじゃないですか! そのタイミングでライブやりましょうよ、ライブ!」ってお願いしたんです。
 あとは冗談抜きに、本当に前から“東方ダンマクカグラのライブ”をやりたかったんですよ。ずっとずっとやりたくて、でもコロナ禍で出来なくて……サービス終了したあとも、自分の中で宿題のように残っていたんです。いつかどこかで、ダンカグユーザーのみなさんに生音で聴く東方アレンジの素晴らしさ、原曲の良さを届けたいと思ってたんです。だって、それを伝えるために音楽ゲームを作っていたようなものですから。
 やるぞと決めたらもう、あとは上手いこと会社からお金を引っ張ってきて……。

一同:
 (笑)

うえだP:
「音楽ライブやっていいんですか!? それなら、ぼく実は東方Projectでゲームを作ってたことがありまして、ZUNさんっていうすごい人がいるんですよ! ライブやるって言ったらたぶん、ビートまりおさんって人も乗っかってくれると思いますし、絶対お客さんは喜んでくれると思います!」……ってえらい人たちを説き伏せて(笑)

――ライブ全日程拝見しましたが、お客さんがみな目を輝かせていたのが印象的でしたね。ほかの東方ライブではあまり見ない参加者層でした。霊夢と魔理沙が壇上に上がるステージ、みんな楽しんでいたと思います。

うえだP:
 今回初めてライブを主催したこともあり、至らない点も多々あったのですが、結果的にみなさんに喜んでいただけてよかったです。アンケートも好意的なご意見が多くて大変励みになりました。

――今回は『Help me, ERINNNNNN!!』と『マツヨイナイトバグ』でしたが、それこそ『Bad Apple!! feat. nomico』でもできますよね。影絵ですから。

うえだP:
 たしかにできますね! 自分も見てみたいですし、そういうことを考え出すと色々アイデアが浮かんできますね。

――今後の開催にも期待して……?

うえだP:
 ぜひ次回も見たい!という方がいらっしゃいましたら、応援のメッセージとご意見をお寄せください!! それが我々の力になりますので。

 

東方の輪を広げる新しい場所『ファンタジア・ロスト』

――最後に、発売日が2月8日に迫りました『東方ダンマクカグラ ファンタジア・ロスト』と、発売をずっと待ち続けているユーザーの皆さんに向けてメッセージを頂けますでしょうか。

うえだP:
 繰り返しになりますが、自分は開発に関わっていないので、いちユーザーとして本当に楽しみでなりません。この前すこし触らせてもらって普通に面白かったですし、このプレイ感で思い出のありすぎる曲たちを遊べるのが、楽しみで仕方ありません。触ったらマジで泣くんだろうなと思います。いま、開発は本当に佳境だと思います。JYUNYAさん、たかむらさん、応援しています!

たかむら:
 昔から、音楽ゲームを作りたいと思っていました。もっと言うと、自分の作ったゲームの上でいろんなクリエイターやユーザーが遊べる、インフラのようなものをずっとずっと作りたいと思っていました。音楽ゲームはそんなインフラになれる数少ないゲームジャンルだと思います。
 実際、スマホ版でたくさんのクリエイターさんに協力してもらい、結果本当に大勢のダンカグファンが集まりました。そのみんなに、もっと東方Projectの世界に入ってきてもらって、みんなに新しい東方のなにかを作って欲しいと思っています。そうやって作った楽曲やイラストが『ファンタジア・ロスト』に収録されて、隣のあの人が採用されたなら、俺だってなれるかも! そんな風に思ってほしいと思っていたんです。『東方ダンマクカグラ ファンタジア・ロスト』は、東方の輪を広げるインフラになる可能性があると思っているので、ぜひ応援してもらえたらと思います。

JYUNYA:
『東方ダンマクカグラ』は、残念ながら一度サービスが終了しました。ユーザーのみなさんには本当に悲しい思いをさせてしまいました。ぼくもすごくつらい1年を過ごしました。この作品をもう一度、クリエイターとして、東方ファンとして『ファンタジア・ロスト』という形で新しく世に出せることを非常にうれしく思います。ここまで漕ぎ着けたのも、あり得ないほどの苦労をした関係者みなさんのおかげですし、東方Projectという世界の懐の大きさですし、なによりもダンカグを愛してくださったみなさまのおかげです。ひっくるめて、すべてに感謝したいと思います。
 与えられたまたとないチャンスに、ぼくらも一生懸命、死にものぐるいでもう一度戦いました。「もう一度、面白いゲームをみんなに届けるぞ!」チーム全員がそのつもりで作った作品です。ぜひ2月8日に手にとって遊んでみてください。発売までもうまもなくですが、ぜひ楽しみにしていてください!

――本日はありがとうございました。

 

『東方ダンマクカグラ ファンタジア・ロスト』2月8日発売!

Steamページはこちら
https://store.steampowered.com/app/2190220/_/?l=japanese

公式サイト
https://danmaku.jp/phantasia-lost/

無料DLC第1弾として、Toby Fox & ZUNによるコラボ楽曲『U.N. Owen Was Hero?』を2月8日に配信!

『東方ダンマクカグラ ファンタジア・ロスト』

ジャンル:リズムアクションゲーム
プラットフォーム:Steam / Nintendo Switch
レーティング:CERO 審査予定
対応言語:日本語 / 英語 / 中国語(簡体字 / 繁体字)

価格:
Steam 通常版:3,960円(税込)/デラックス版:9,980円(税込)
Nintendo Switch 未定

発売日:
Steam 2024年2月8日
Nintendo Switch 未定

発売前日!2月7日23時30分より「発売開始のボタンを押す放送」をON AIR!!

2月8日0:00(JST)に発売開始予定の『東方ダンマクカグラ ファンタジア・ロスト』。その発売の瞬間に開始のボタンを押すだけの番組です。

新天地での面白さを目指して。復活する“伝説の音ゲー”『東方ダンマクカグラ ファンタジア・ロスト』JYUNYA氏、たかむら氏インタビュー おわり