我楽多バックナンバー「東葉旅人の聖地巡礼手引き」
これまでの東方我楽多叢誌の記事をふりかえります
2019年10月に創刊し、今年で4年目を迎える東方二次創作メディア「東方我楽多叢誌 ~ strange article of the outer world」。数年にわたり、東方のありとあらゆる動きを追ってきました。
そんな東方我楽多叢誌が過去に掲載した記事を振り返るコーナー、それが「我楽多バックナンバー」です。
今回は、行動制限が撤廃され、各地を自由に旅することができるようになった今こそ読んでほしい記事として、特集『東葉旅人の聖地巡礼手引き』をピックアップしました。
筆者の東葉旅人氏は、これまで日本国内はもちろん、中国・台湾まで足を運び、「これって原作のあのステージの背景では!?」という発見の数々を同人誌にまとめてきた経歴の持ち主です。
【第一回】お空が祀られている神社、みすちーのあの料理
地霊殿のステンドグラスのマークには元ネタがあるって知ってた?来年のイベントに合わせて、関東“東方聖地”を歩く。――東葉旅人の聖地巡礼手引き
第一回の舞台は浅草・本所(両国・亀戸)エリア。
「あの辺、東方関係あったっけ……」と怪しみながら読んでみると、葛飾の「五方山熊野神社」が、霊烏路空のモデルである伝説の鳥、八咫烏を紋章にしているというのです。神社の各所に飾られている五角形に八咫烏のモチーフは、確かに地霊殿4面の背景とそっくりです。
電車で浅草に戻ると、駅のすぐ近くに「八ツ目鰻本舗」を見つけることができます。八ツ目鰻といえば、ミスティア・ローレライの専売特許ですよね。ここでは実際に、干物や漢方薬としての八ツ目鰻を買うことができるようです。これであなたも夜目対策はバッチリかもしれません。
【第二回】都内にもある「秘封」スポット ~ フランちゃんにも会えるかも?
第二回も、東京23区内の聖地が中心となっています。
最初に、秘封倶楽部の二人を主人公とした「伊弉諾物質」の聖地が取り上げられています。なんとCDブックレットに使われている写真素材が撮影された場所は、文京区にある小石川植物園だというのです。日本最古の植物園である小石川植物園は都内でも緑を誇りますが、科学世紀になってもなお、そのサンクチュアリが残されているのかもしれません。
敷地内には依神紫苑・依神女苑の名前の元となった春紫苑・姫女苑を見ることも出来ます。彼岸花なども植えられていたので、季節の花々に推しキャラのイメージを重ねに行くのもアリですね。
「卯酉東海道」ジャケットといえば歌川広重の東海道五十三次ではないのか? と思いきや微妙に違っていて、同作者の名所江戸百景という作品が使われているとのこと。筆者は千束(現在の洗足池)にも足を運んでいます。秘封作品を聴きながらこういう場所を訪れるのもいいですね。
他にも、大田区産業プラザPiOでイベントが開かれた時に、東方キャラが描かれた看板が見られるかもしれないアツいコンビニがあるなど、思わずニヤけてしまうプチ聖地が紹介されています。ぜひ読んでみてください。
【第三回】リアル紅魔館、そしてえーりん神社。
今回は少しだけ足を伸ばし、神奈川県内のスポットを取り上げています。
みんな大好き紅魔館のモデルと思われる「外交官の家」は、かつての外国人居留地であった横浜・山手に建っています。和と洋が混沌としていた明治期の横浜は、ZUNさんのインスピレーションに少なからず影響したのではないでしょうか?
同じく神奈川県内、伊勢原市の大山には、八意永琳の名前の由来と考えられる「八意思兼神社」というスポットが存在しますが、由緒書きがなく、詳細は謎に満ちているようです。新宿から電車で約60分と、アクセスは永遠亭よりはいいはず。
【第四回】人気のある場所、そして「大ナマズ」様のお膝元へ!
第四回では小数点作品に目を向けています。
東方心綺楼の背景(人間の里)の建物はこれ!ということで訪れているのが、東京都小金井市にある江戸東京たてもの園。この聖地を特定する程度の能力、いったいどこから来るんでしょうか……? なお、記事中では閉館中となっている江戸東京たてもの園ですが、2023年2月現在は通常営業しています。
東方非想天則で紅美鈴の夢に現れ、初見で出会ったときはそのネタ感に思わず笑ってしまった「大ナマズ」。東方憑依華にも天子のスペカとして再登場を果たす程度の人気を誇る彼(?)も、現実の世界で会いに行くことができるようです。
場所は埼玉、JR武蔵野線吉川駅の駅前広場。この記事がなければ一生知ることはなかったと思います。
これまで紹介してきた東葉さんの記事ですが、どれも「この週末は暇だし、ちょっと見に行ってみようかな」ぐらいの聖地が、うまいことセレクトされている点が魅力的。
これまでパッと思い浮かぶ東方の聖地といえば、近くても諏訪(長野)で、日帰り旅行で行くにしては少し厳しいかなという感覚でした。そんなハードルを、この記事はぐっと引き下げてくれたように感じます。
第一回から第四回までをお見せしましたが、実はこの特集、全十二回(!)まであります。他にも魅力的な聖地がてんこ盛りですので、また別の機会があれば紹介したいと思います!
我楽多バックナンバー「東葉旅人の聖地巡礼手引き」 おわり