東方我楽多叢誌(とうほうがらくたそうし)は、世界有数の「同人」たちがあふれる東方Projectについて発信するメディアです。原作者であるZUNさんをはじめとした、作家たち、作品たち、そしてそれらをとりまく文化の姿そのものを取り上げ、世界に向けて誇らしく発信することで、東方Projectのみならず「同人文化」そのものをさらに刺激する媒体を目指し、創刊いたします。

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おかえり、ただいま、ありがとう。Liz Triangleはここに復活を果たしたのだ。『東方オトハナビ』全曲レビュー!! Disc4-07『楽園/Liz Triangle』

『東方オトハナビ』全曲レビュー 「楽園/Liz Triangle」

 8月14日にリリースされた、東方アレンジ“お祭り“コンピレーションアルバム東方オトハナビ

 同人イベントが思うように開けなくなってしまった今、「こんなときだからこそ、俺たちの東方愛を盛り上げたい!」という、COOL&CREATEのビートまりおさんの呼びかけによって始まった「東方アレンジ活性化大作戦」。『東方オトハナビ』は、Disc4枚、合計40曲、総勢38もの東方音楽サークルが集まった、まさにお祭りといえるコンピレーションアルバムになりました。

 参加した面々の中には、なんと「上海アリス幻樂団」のZUNさんも。この『東方オトハナビ』のために1曲書き下ろしています。

 そんな『東方オトハナビ』をさらに盛り上げたい!
 ということで、東方我楽多叢誌では(Bonus Trackの『マツヨイナイトバグ』『幻想に咲いた花』を除いた)全38曲を、1曲ずつレビュー! 日曜日・祝日を除く毎日、1曲1記事のペースで更新いたします。

 本日のレビューは『楽園/Liz Triangle』、ライターはトガミキハタさんです。

【ユーザー投稿企画】「#東方ルナティックリリース 音楽レビュー」&「あなたの東方サブスクマイリスト」を募集します!【〆切10/31】

 

おかえり、ただいま、ありがとう。Liz Triangleはここに復活を果たしたのだ。 ライター:トガミキハタ

Disc4-07 楽園/Liz Triangle

 

 キミは、Liz Triangleを知っているか。

 

 東方星蓮船がC76で頒布されてからわずか半月にして、感情の摩天楼アレンジ『White Lotus…』を動画投稿し、星蓮船楽曲アレンジに不動の金字塔を打ち立てた、伝説的同人音楽サークルである。(ネタバレ最速的な意味でも)

 

 幅広いジャンルを網羅し、多彩な表現力の中に凛としたキレのある楽曲を生み出す、kaztora。

 包み込むような穏やかな声でありながら、力強く激しい楽曲も自在に歌いあげる、lily-an。

 

 両名によるユニットは数々の名曲を生み出したが、2016年7月、Liz Triangleは解散を発表。

 翌年の2017年12月、多くのファンに惜しまれながら、9年の活動期間に幕を閉じた。

 

 それから時を経ること2年半。

「みんなで強く生きて、みんなで青空を見たい。」

 2020年4月、この言葉と共に活動再開を発表。世間の情勢からしばらくの間は本格的な活動には至っていなかったが、2021年7月、アンノウンX主催の「東方ダンマク祭 ダンカグ特報SPにてライブステージに立ち、変わらぬ天上の歌声を披露した。

 

 そう、Liz Triangleはここに復活を果たしたのだ。

 そのLiz Triangleがこの度放つ新たな楽曲は『少女綺想曲 ~ Dream Battle』のアレンジ、『楽園』。

 

 この楽曲は、一人の少女が幼い頃に抱き、叶うことのなかった夢、弱さ、孤独。

 それに向き合い乗り越える強さ、願いへと向けて飛び立つ姿を綴っている。

 

 弾むようなリズムの中に、吹き抜ける風のように、しかし儚いひとひらの花弁のように落とされる、ピアノの音。

 

 歌い出しは、自身を取り巻く人々の悪意の中で、自らの弱さを嘆く少女の心境。

 身勝手なルールを敷き、他人を利用しようとする大人たち。

 憂鬱で影を落とした寂しげな歌詞。その反面、軽快でリズミカルなメロディは、少女をせせら嗤うかのようでもある。

 

 強くなれない自分の不甲斐なさに耐えきれず、圧し潰されそうな静寂のあと。

 感情が爆発するように、打ち付ける雨の中を走り出すように、激しく力強いサビへと一気に駆け抜けていく。

 

 少女が駆け出した先にどんな景色、どんな未来が見えるのか。

 その空はきっと、いつかみんなと見る青空に繋がっているのだろう。

 

 久々のLiz Triangleの新曲。それを聴いてどんな心情が湧いてくるのだろう。

 待ち焦がれ切望していた期待と、思い出として一度仕舞った感情を再び取り出すことのちょっとした不安と。そんなことを思っていた。

 

 だが、そんな不安はこの曲が一瞬で拭い去ってくれた。

 儚さと力強さが入り混じった心を揺さぶる歌、待っていた曲がここにあった。

 

 もう一度言おう。

 Liz Triangleはここに復活を果たしたのだ。

 

 おかえり、ただいま、ありがとう。

 

 再び歩き出したLiz Triangleは、また多くのファンに感動を与えてくれるだろう。

 

 

余談。

 Liz Triangleの少女綺想曲アレンジと言えば、「ポーカーフェイサー」(2013.08リリース)に収録された『ありがとう』と『contact』があるのだが、こちらは少女綺想曲と妖魔夜行のミックスアレンジであり、二次創作動画作品のED曲として制作されているため、今回の楽曲と比較するのはちょっと野暮かもしれない、と考え控えることとした。

 しかし楽曲と映像合わせて名作なので、興味のあるかたはぜひ調べてみてほしい。

 

余談2。

 先の4月1日にも1つ新曲が先行公開されているが、あれはその、エイプリルフールのネタ曲として一度記憶の隅に厄ぽいしておこう。

 

 

『東方オトハナビ』

http://cool-create.cc/arrange-daisakusen/

こんな時代だからこそ、俺たちの東方愛を盛り上げたい! 4枚組!驚異の40曲!!東方アレンジお祭りアルバム登場!!!

限定版:¥7,700(税込)

通常版:¥4,950(税込)

委託販売先:

限定版
BOOTHメロンブックスメロンブックス(二次受付)

アキバホビー(タペストリー付き) / アキバホビーTANO*C STORE

通常版
BOOTHメロンブックスアキバホビーTANO*C STORE

アニメイトあきばお~こくブックメイトDIVERSE DIRECTGrepとらのあな

 

東方ルナティックリリース

この夏、東方音楽サークルで一斉に新譜を発表! 東方同人音楽を盛り上げるべく、それぞれのサークルより一斉に新譜をリリースします!

各サークルのリリース情報は、↓こちらのサイトをチェック!↓

http://cool-create.cc/arrange-daisakusen/#strategy02

 

東方ルナティックリリースに合わせて、東方同人音楽流通では『夏の三週連続リリース祭り』も始まっています!

https://sites.google.com/ban-dai.co.jp/2021summer/

 

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