――ありがとうございます。続いて岩魚さんが選ぶ注目の試合について教えてください。

岩魚 (絶)：
　印象に残っているのは第22試合の天空璋LNBと、出場した本人が横にいますが、第13試合の風神録Lスコアタですね。この天空璋LNBは機体によって難易度が大きく変わる部門になります。選んだサブ季節によって6面ボスの摩多羅隠岐奈のラストスペルが変わります。簡単なラスペは本当に簡単ですが、難しいラスペは他の作品のもの以上に難しい弾幕になってます。そんな中、KPにゃんこさんという若い選手が、魔理沙春という高難易度の機体を使いました。その最初の通しで、なんとLNMNBルナティックノーミスノーボムを決めてしまうという結果があまりに印象的で。「そんなことある？」と誰もが驚いていました。

――再び天空璋ですね。スコアタに続いて、LNBもすごい試合でした。

岩魚 (絶)：
　天空璋知らないよっていう人に見てもらうとしても、あの試合をそのまんま見てくださいって言えるぐらいの印象的な内容でしたね。

海神：
　すごかったですよね、あれ。配信でも大盛り上がりでした。それを生で見れなかったのが本当にショックで。

――ラストスペルが特に難しいとのことでしたが……

岩魚 (絶)：
　先ほども述べたように、天空璋には春夏秋冬の4つのサブ季節があって、どれを選ぶかによって一番最後のラストスペルが変化します。サブ季節装備がそのままスペカ名になっているんですけど、秋装備の「裏・クレイジーフォールウィンド」が完全パターン化ができる弾幕で、これはそんなに難しくないです。「裏・エクストリームウィンター」は難しいは難しいけど他に比べればぐらいの、他作品のラスペと比べてもまだ難しいほうではないのかなぁみたいな感じ。

SOC：
　なんとか対策ができるぐらいですかね。

岩魚 (絶)：
　「裏・パーフェクトサマーアイス」が、他の難しいラスペと比べても難しいんじゃないかなっていうぐらいの難易度なんです。特に「裏・ブリージーチェリーブロッサム」が歴代ラスペの中でも相当難しいんじゃねえのっていうぐらい難しい……

SOC：
　歴代ラスペっていうか東方の弾幕全てで見ても最上位ですね。

――KPにゃんこさんの機体は魔理沙春、ということでラスペがブリチェリ……

岩魚 (絶)：
　になるんですが、それを一発目で取得されました。スぺプラで一回取得するだけで苦労する人も多い、本当に難しいスペルなんですがね。

SOC：
　面白いのが、秋装備のラスペが簡単って言ったじゃないですか。機体性能的にも、秋装備が一番強いんですよ。

――ショット火力が高いということでしょうか？

SOC：
　火力もそうですが、範囲の広さも優秀です。で、冬が二番目に強い……(笑)

――逆に、春は道中、ボス、ラスペに至るまで全て難しいと。そういう事でスコアが非常に高くなっているんですね。

岩魚 (絶)：
　そんな機体でLNMNBを決めてしまったと。

SOC：
　魔理沙の火力が高いので、春装備の弱さを補えるといえば補えるんですけど。

海神：
　それでも、ですよね。すごかった。

SOC：
　ブリチェリ取るのがどれだけ難しいかっていうとこですね。それを成し遂げたのが若い方、ということにも驚いています。

 

――続いて、SOCさんの選ぶ今年注目の部門についてお伺いします。

SOC：
　第28試合の輝針城LNBと、こちらも本人のいる部門ですが、第29試合の永夜抄Lスコアタ。お互いに出場した部門を挙げているんだけども（笑）

　あと特殊ですが第4試合の永夜抄LNBかな。運営お疲れ様、という話にはなりますが……

――SOCさん・岩魚さんが選手として参加された部門については、後ほどまとめてお聞きしたいと思います。まず、輝針城についてお願いしてもよろしいですか？

SOC：
　わかりました、輝針城LNBですね。たるはさんという方がこれまでずっとこの部門で出場していたのですが、今回見事に花開いたな、という試合でした。そもそもの話をすると、輝針城のLNBって機体による難易度の差が酷いです。最強機体での攻略難易度があまりにも低いということで、LNMNBしてもたったの4点しかもらえません。なんで天空璋LNBのように相手が難しい機体でスコアを残してしまうと、こちらもそれ以上の機体で良い成績を残さないと勝てないんですよね。今回の選手たちは本当に難しい、いわば修羅の機体しか使ってないです。

――選手たちの初めの機体選択は、霊夢B、咲夜Bに魔理沙Aでした。（Aが妖器使用、Bが使用しない）

SOC：
　そうですね。最終的に魔理沙Aに機体を変えた方も居ました。魔理沙Aって全作品全機体の中でもトップクラスに難しいんですよね。NBノーボムでもそうですし、NMNBノーミスノーボムに関しては本当に……

岩魚 (絶)：
　LNMNBは世界であなたしかいないじゃない（笑）

SOC：
　そもそも情報が少なくて敷居が高いから始める人もなかなかいないんですけど。LNMNBを達成する上でトップクラスに難しく、東方原作100機体以上あるうち、確実に10位以内には入るほどです。たるはさんは魔理沙Aを使用していたのですが、6面突入までNMNBで進行していて。先ほどの天空璋LNBのKPにゃんこさんのプレイでも感じましたが、NB部門で成果を残せる人が育ってきているな、と。これまでのTWCでは、人の足りてない部門の枠を私が埋めていたのですが、もうその役目は終わったな、っていうのを感じました。

海神：
　もうNB部門では出なくていいか、みたいな。

SOC：
　トップクラスに難しい魔理沙Aで、二人の選手が6面凸NMNBするなんて、十分すぎますよ。

――対戦相手、XCFさんの最後のプレーも素晴らしいものでした。

SOC：
　圧巻でしたね。XCFさんは霊夢Bでスタートしたのですが、たるはさんに勝つために気体を魔理沙Aに変えて、そこから6面凸NMNBなんて結果を残して。もう一人の選手、咲夜Bのあめこさんもすごい上手いプレーヤーなんですけど、本番はなかなか上手くいかず……。咲夜BでLNMNBリーチかかってる方なので、超絶上手い方なんですけど。それだけ上手い人でも、本番のあの限られた時間だけだと結果を残せない、という大会の厳しさがあります。その中で、二人が魔理沙Aで結果を残したところに、時代の移り変わりを感じました。

――輝針城の弾幕は相当難しい、というのを聞いたことがあります。

SOC：
　そうなんですよ。それなのに、輝針城の弾幕について知識がある人がすごい少なくて。一部の機体の性能があまりに強すぎて、難しい弾幕が来る前に終わってしまうんです。そんな簡単な機体があるのに、わざわざ難しい機体を触ろう、とはならないじゃないですか。そんな事情もあって、特にAルート、弁々の弾幕の知識がある人は全然いませんでした。

海神：
　霊夢Aと咲夜Aが強いから、難しいのが来る前に終わってしまう。

SOC：
　弱い機体での正邪戦とかも、すごい当たり前ですけど知識と練度が求められるんで。前の虹龍洞とかでも、同じように知識ある人が全然いなかったので、選手に弾幕について助言していました。やはり大会運営として、できる限り良いプレーを届けたいという想いから、相手チームでも自分チームでも、人が少ない部門で選手にレクチャーしていました。そのあたりの活動が実って、今年アツい試合が生まれたんだ、というのは感慨深かったですね。

岩魚 (絶)：
　たるはさん今回ストーリーあるよね。

海神：
　たるはさんが初めてTWC出たのが2021の輝針城部門なんですけど、その時にSOCさんが教えていたんでしたっけ？

SOC：
　確かそうかな。その時の結果はみんな引き分けで、みんなで手をつないでゴールしたっていう。咲夜B4ミスと……

岩魚 (絶)：
　あと二人が霊夢B3ミスですね。

海神：
　去年のTWC2022の試合は、XCF・あめこ・たるはの3名で、今年とまったく同じメンツで。

岩魚 (絶)：
　去年はXCFさんが霊夢Bを使って、2ミスで勝ちました。たるはさんは魔理沙Aで頑張ったんだけど惜しくも届かず。

SOC：
　去年のリベンジを果たしたんですね。

岩魚 (絶)：
　魔理沙Aで1ミスで一位を取るっていうたるはストーリーが生まれました。

SOC：
　そもそも大会で魔理沙Aを選択するということ自体で敬意を表したほうがいいですね（笑）　この作品、弱いキャラはまったく安定しないのですが、そこを安定させてきたってところは本当に素晴らしかったです。

　本日はここまで。次回は、TWC2023に選手としても出場されたSOCさん、岩魚さんに、参加した部門についてお伺いします。