東方我楽多叢誌(とうほうがらくたそうし)は、世界有数の「同人」たちがあふれる東方Projectについて発信するメディアです。原作者であるZUNさんをはじめとした、作家たち、作品たち、そしてそれらをとりまく文化の姿そのものを取り上げ、世界に向けて誇らしく発信することで、東方Projectのみならず「同人文化」そのものをさらに刺激する媒体を目指し、創刊いたします。

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例大祭は何故「即売会“以外”」をやるの? 常に新しくなる東方ファン層と、それを後押しする「ハレの場所」――博麗神社例大祭社務所インタビュー

博麗神社例大祭社務所、代表・北條氏 販売統括・篠原氏 企画統括・関氏インタビュー【第三回】

 このインタビューでは、例大祭社務所代表の北條氏、販売統括の篠原氏、企画統括の関氏の3人に、このコロナ禍において例大祭社務所がどのような動きをしてきたのか、そもそも「博麗神社例大祭」ができあがるまでの裏側、イベントとしての現状や、即売会の中でも特異な「参加者層の若さ」についてどんな考えを持っているかなどを、併せて伺った。「例大祭」というイベントの形が見える内容となれば幸いだ。

※こちらの記事は、2021年6月、12月の2回に渡って行われたインタビュー内容をまとめたものとなっています。

文・聞き手/西河紅葉
写真/紡

 

例大祭は何故「即売会“以外”」をやるの?

――企画や放送の話を伺いました流れで、大変恐縮ですが僕が昔から気になっていたことを聞かせてください。
 例大祭という同人誌即売会は、近年ずっと即売会“以外”の部分、若い参加者を楽しませるイベントや、企画展示、企業ブースの出展などに力を入れています。なぜ、このスタイルを選ばれたのでしょうか。言葉を選ばずに言えば、なぜ「同人誌即売会」から「同人イベント」にシフトすることにしたのでしょうか?

北條:
 実は、ここ最近の話ではないんですよ。そもそもの話をするなら、僕の前に代表をやっていた鈴木龍道くんが、突発的に思いつきで企画を立てたり、周りの声を受けて突然新しいことを始めるタイプの人間でして……(笑) 例大祭は最初から、彼のお祭り好きな性格が色濃く反映されているイベントなんです。

【連載】鈴木龍道氏、JYUNYA氏、ビートまりお氏による「博麗神社例大祭」初期、東方コミュニティ黎明期鼎談(全6回)

――インタビューで一度龍道さんとお話しましたが、当時の例大祭の雰囲気が今でもそのコアな部分に残っている、というのはよく分かります。

北條:
 彼が代表だった時期から、そういう「イベント」としての色は持っていたんです。2011年、2012年にあった「博麗神社例大祭SP【※】」もそのひとつひとつですね。

【※】博麗神社例大祭SP:
2010年9月19日、2011年9月11日に二度行われた東方系同人イベント。「上海アリス幻樂団が参加していない」「即売会だけでなく音楽ライブやゲーム大会などに力を入れている」など、当時の例大祭とは毛色の異なるイベントとして開催された。

「例大祭SP」の流れがあり、そのあとに三代表制になり、そして今の一代表制になり……というのが2013~2015年のころです。このときのサークルスペース数は5000に近づいていました。ピークが第10回で、5013スペースですね。

――東京ビッグサイト東1~6ホールをすべて借り切って開催するという、一ジャンルのオンリー即売会としては過去最大規模に達していた時期です。

北條:
 もうそのころには、普通の同人誌即売会として東方Projectのオンリー即売会を開催するのは、若干閉塞感があることを肌で感じていました。これからも同じことを続けても、もうこの規模を超えることは現実的じゃないだろうと。

――実際、今でも単独のイベントとして、この規模に到達したオンリー即売会はほとんどないわけですよね。

関:
 第10回は記念回で、東方から別のジャンルへ活動を移していた人たちも「記念なら」と参加してくださっていたタイミングでした。そうした背景もあり、正にピークだったんじゃないかという分析を当時はしていたようです。

北條:
 それと同時に少しずつ、若年層の参加者が増えてきていました。そうなると「即売会」よりも、人の集まる「イベント」として、若い子たちが遊べる場所を作っていかないと、これからの例大祭は継続が難しくなるんじゃないかなと考えたんですよね。この状況をもっと加速させて、増えつつあった若年層、そしてこれから増える新しい参加者層を楽しませる施策を練らないと、「例大祭」というイベントそのものが面白くならないんじゃないかと考えました。これだけ参加者が集まっているイベントなら、それなりの「戦い方」がありますよね。
 加えて、例大祭そのものが「お祭り」的な要素によって盛り上がって拡大化したものだという認識もありました。例大祭なら「同人誌即売会がなんでそんなことやるの?」というある種のタブーに、今後もチャレンジしていけるという考えがあったんです。

コラム:ZUNさんの結婚と紅白饅頭

例大祭も、東方二次創作のひとつ

北條:
 同人誌即売会は基本的に、サークルさんが新しい作品・コンテンツを披露するための場所です。新刊が出れば、その即売会から新しいものがこの世に出るわけです。ですが、当時の規模を成り立たせるためには、即売会の主催側だって新しいことをやっていかなければならないと思ったんです。規模が成り立たなければ、サークルさんの申し込みだって、見込めなくなります。

――即売会側からもコンテンツの提供を行うのは、リスクヘッジでもあり、今後の展開にも作用すると。

北條:
「これからきっと、ほかの同人誌即売会とは違う参加者層が例大祭には増えていく」という予測を立て、その予測を活かすためにはどうすればよいかと、当時のスタッフに意見を募集しました。すると、本当にいろんな意見が出てきたんですね。

 そんな時期と、東方Projectの取り巻く環境が変わってきた時期とが、大体重なっているんです。「前だったらできなかったけど、今だったらやれる」ということが徐々に増えていって、今に至っています。

――当時から見えていた兆しを見逃さなかったことが、今につながっている感じですね。関さんは、例大祭8の辺りでスタッフになられたと伺いましたが、そのときから「企画を強くやりたい」という意思をお持ちだったんでしょうか?

関:
 そうですね。企画担当という部署は元からあったわけじゃないんです。のちに企画担当を立ち上げるリーダーが「なにか案はない?」と僕にメールを送ってきたのが最初といえば最初で。当時の僕は、変にやる気があって(笑) 「いろんなメーカーさんに来てもらいたい」「スタンプラリーでイベントを回ってみたい」「謎解きをイベント内でやりたい」とか……やりたかったことをたくさん書いて返信したんです。

 それを採用してもらったのが、僕の企画担当としての最初の仕事かもしれません。

――ここ最近の例大祭企画につながってくるものが、そのころからもう挙がっていたんですね。

関:
 実は企画担当って、一番最初は謎解きだけを作るチームだったんですよ。新しい形で一般参加者を楽しませる、謎解き企画をまずやりたいというところからスタートしたんですね。その企画に良い評価をもらって、今でも続いているという感じです。

 僕らは「例大祭スタッフ」として、東方の二次創作・ファン活動を支援する立場にあります。その上で、企画担当である僕ら自身も、東方のファン活動をしている一員であると思っています。例大祭自体が、コミュニティを形成する側というより、コミュニティの中に入っている一部だと考えているんです。

――例大祭も、東方二次創作のひとつであると。

関:
 そう思っています。だからみんなに楽しんでもらうためには、利益をかなぐり捨ててでも……いや、これは代表の前で言うのは良くないですね、まずかった(笑)

――(笑)

北條:
 先行投資、だと思っていたんですよ(笑)

 その回ひとつだけ見たら「少しやりすぎ」と思うこともありましたが、そこでキッチリとやっておけば次回以降に活きてくる、とも考えていました。今その先行投資がうまく回ってきたところもあります。

コラム:縁日ブース

ZUNさんも熱量に参っちゃう、キッズイラストコンクール

――このお話をお聞きしたかったのは、インタビュアーである僕自身も、最初は「即売会は即売会をするべきじゃないか」という気持ちを持っていたからです。こういったイベント施策が最初に始まったときは、サークルさんと例大祭スタッフとで若干の軋轢があったと認識しています。お互いのコミュニケーション不足というか。

北條:
 ありましたね、ありました。

――それこそ「例大祭SP」が顕著で、「なんでこんなことを例大祭がやらなきゃいけないの」と言われていたりとか。それが数年かけて「これもまた例大祭なんだよね」と徐々に受け入れられていく流れを見ていました。
 東方の持つ特異な側面として「一緒に創ると楽しい」という点を、強く感じています。それはサークル側の創作はもちろんですし、一般参加者の“ファン活動”も、東方を媒介とした創作活動のひとつだと思っています。さらに、例大祭もまた二次創作活動なんだということには、すごく納得するところがありました。

関:
 例大祭という場所が、東方が大好きな人たちと一緒にコミュニティを活発化できる場所になればいいなと思っています。若い子とも、ベテランとも、最近だと例大祭に参加できない子たちとも、一緒に東方で盛り上がっていきたいという意味を込めて、最近は企画を作っています。「キッズイラストコンクール」はそのひとつですね。

――キッズイラストコンクールは、正にここ最近の例大祭を象徴する取り組みだと思います。これはもともと、どのような経緯で始まったのでしょうか?

「第3回 例大祭キッズイラストコンクール図録」例大祭公式サイトより引用

関:
 例大祭のサークル参加要項として「義務教育を修了している方のみに限る」というのがあります。ようするに、高校生より上の年齢でないとサークル参加はできません。これをウチの統括が「この縛り、取っ払ってあげたいよね」と言ったのが、キッズイラストコンクールの始まりです。サークル参加できなくても、東方で表現をさせてあげられる場所は作れないかと。そこから、小中学生を対象としたイラストコンクールを実施して、発表の場を作ることになりました。

――サークル参加ができない年齢の子たちにも、間接的に例大祭に参加できるための施策だったんですね。本当にあれは、即売会の一企画を超えた非常に価値あるものだと感じています。

北條:
 以前はpixivさんとイラストコンテストをやっていましたが、そこから運営体制の変化もあり、場内の注意書きイラスト募集といった小さな規模感に収まっていました。

 なので「小中学生向けのイラストコンクール」はとても面白い企画だなとは思ったのですが、そもそも投稿が集まるかの心配がありました。小中学生は東方をどこまで知っているのか、知っていたとしても投稿までしてくれるだろうか? という懸念は拭えなかったです。

 結局「面白そうだから」と募集してみたら……大変なことになったと。

――初回は何点の応募があったんですか?

関:
 200点を超えてました2回目が300点ぐらい。我々の想定としては、50点も来れば良いほう、だったのに(笑)

――すごい数です。

関:
 最初はそのくらいの展示数で考えていましたから、それぞれに賞をあげたいし、プレゼントを贈れれば、表現活動への支援にもなると思っていました。そして、投稿いただいた作品すべてをまとめて画集の形にしたら、卒業アルバムのような思い出になりますよね。どれも投稿数が50点程度だったら可能な範囲だと考えていた企画だったんですが、実際に来た件数が件数で……。

――2倍どころか、4倍だったと。

関:
 しかも募集の際に「会場内に飾ります」とも書いてしまったので、当日企画担当の人間が……。

北條:
 さあ大変。

篠原:
 大変だったね。

関:
 全員がもうこうやってペタペタ、ペタペタと……(笑)

――本当の絵画コンクール運営になってしまったと。
 秋季例大祭の展示も拝見しました。東方のイラストが、それこそ夏休みの絵画コンクールで使っていたような画材、水彩絵の具で描かれているのを見るたびに、ものすごく不思議な気持ちになったのを覚えています。僕が高校生のころに見ていた「オタクコンテンツ」としての東方と、目の前で見ている小学生が描いた霊夢が同じものだということを、脳が認識できなくて。独特な熱がありますよね。

「第三回 例大祭キッズイラストコンクール」募集要項ページより引用

北條:
 2020年のときには、キッズイラストコンクール展示の反対側に「東方LostWord」イラストコンテストの結果発表を掲示していて。そちらは大変きれいで、きらびやかで、実力のある方々の並んだ、美しい展示で。

 かたやこっちは、もう小中学校の文化祭のような、手作り感あふれる展示なんです。市民ホールに飾ってあるような雰囲気で。でも、展示されているイラストのバラエティーさと面白さは、全然負けていないんですよ。

――東方ステーションにて発表を行った際、コンクールの受賞作品を見ているZUNさんがずっと「やられた」「参った」という顔をしていたのは印象的でした。「こんなもん見せられたら困っちゃうよ、こんな創作の熱量見せられたら……」と仰っていて。ZUNさん本人にもすごい感情を与えてしまっている、すごい企画だなと思っております。

関:
 受賞式も最初、ダメ元でZUNさんにプレゼンターを頼んだんですが、「全然いいよ」って言ってくださって。

北條:
 ZUNさんも「僕でいいの?」みたいな感じで。

関:
 こっちとしては「あなたしかいないですよ」という気持ちなんですが(笑)

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常に新しくなる東方ファン層と、それを後押しする「ハレの場所」

篠原:
 例大祭がキッズイラストコンクールをやっていることで、頭打ちになってしまっているサークル参加者の年齢層が、今後変わっていくことに期待しています。若いときに創作することの楽しさを教えてあげることで、参加者の新陳代謝も期待できるのかなと。

 創作するのが楽しいという気持ちさえ生まれれば、いつか何かしらの形で同人活動してみようと思うかもしれない。なんなら、東方じゃない即売会にサークル参加したって良いんです。東方に限った話だけじゃない、本当に未来を見据えた先行投資ができればと思っています。

北條:
 古のオタクだけだと、目減りしていくわけですから(笑)

――みんなおじさんになってしまいますからね。

篠原:
 これって、やろうと思っても、できるものではないじゃないですか。狙って新陳代謝しようとして叶わずに廃れていくジャンルがほとんどな中で、改めて東方ってすごいと思います。

――新規の入れ替わりが起きたのが三回、四回、みたいな話が東方では度々あります。新陳代謝の回数を数えられるジャンルは、ほかにはまず無いです。

北條:
 同人誌即売会という定義の中では、例大祭は常に新しい参加者が来ているイベントになりますね。

――気になっているのは、新規層向けに行っている施策は、ちゃんと例大祭にも還元されているのでしょうか。具体的には、かつて小中学生だった子たちが、数年経ってサークル参加をはじめているのか、ということです。

北條:
 ありますよ。先程のキッズイラストコンクールに送ってきていた、当時はサークル参加できなかった年齢の子が、高校生になってサークルをはじめたという話をもらったこともあります。ほかにも、小中学生で一般参加していて、そのあとにサークル参加したとか。スタッフになりました、という流れもあります。

 実際一番びっくりしたのは、あれ2回目のときかな? もう商業デビューしてる子がいた、という(笑)

――商業デビュー済!

北條:
 コンテスト応募作品のプレビューを出したときに「この人商業デビューしてるし、中学生じゃない」という指摘がありまして。本人がそれを見て「私、正真正銘の中学生です」「商業デビューはしてますけど」と返していて(笑)

――つ、強い……。

篠原:
 すごいですよね、本当にね。

――僕を含めたおじさんたちが気になっているのは、若い人の呼び込みは本当に「ジャンルの新陳代謝・活性化」につながっているのかどうかです。どうしても、その状況を目の当たりにできる機会というものがないので、実感が得られないんですね。社務所の皆さんは、実感はありますか?

北條:
 実感はありますね。そうでなければ、東方Projectの新作がずっと出続けているとしても、新しい東方ファンがこんなに増えたりしないと思うんです。

 新しいイベント参加者を増やすというのは、新しいファンを増やすのと同義語です。結局、どれだけ東方に興味を持ってもらうかだと考えています。そこからクリエイティブな活動をしたいとか、ファン同士でコミュニケーションを取りたいとか、それぞれが自分だけのファン活動を見つけていく。例大祭はそれを後押しする「ハレの場所」になりうる、という考えでやっています。

 

チャレンジングな例大祭

――例大祭の「即売会以外」の部分について、たくさんのお話をお聞きしました。では逆に、即売会を運営するシステムのアップデートや、今後の課題については、どのように考えておられますか。

北條:
 少しずつ変えていっています。おそらくですが、サークルの受付システムひとつとっても、一番挑戦的なことをしている自負はあるんですよ。

――入場券にQRコードを印字して、入場の際に読み取ったりしていた時期もありましたよね。

北條:
 2021年の秋季例大祭では、すべての発送物を無くして電子化しました。負担が減って、その分サークルさんへのサポートが向上したり、逆にサークル側からのご要望も拾いやすくなると思っています。お互いに楽になりますよね。このシステムだけでも、即売会としては革新的ではないかなと。

 もうひとつは、若年層の参加者が大変増えているので、成人向けジャンルの配置をどうするかという問題です。今までは一般向け・成人向け関係なしに、キャラクターごとのブロックで固めるのが定常でした。これは今まで、どこの即売会も手が付けられなかった問題です。例大祭ではそこに切り込みました。成人向け作品頒布有りのスペースだけをまとめたブロックを作って、簡易的なゾーニングを行っています。

――ゾーニングは、数年前から行なわれていますね。

北條:
 あれは評判がよくて、一般参加者からのクレームが大きく減ったんです。単純に分かりやすくなったという声もいただいています。どこに成人向け作品がまとまっているかが分かれば、親御さんはそこに自分の子供を近づけないようにちゃんと工夫ができます。

 会場側からすれば、成人向け作品を頒布するイベントなら、本当はゾーニングしてスタッフに年齢確認をしてほしいと思っているわけです。ただ、すべてのイベントがそれを行えるほどの体力を持っていませんし、率先して取り組める状況には有りません。そもそも同人誌即売会自体が、子供や親子連れが来ることを想定して設計されていないものだからです。そういうなかで例大祭では、ゾーニング実施についての情報をカタログの一部や配布物に掲載することで、参加者に分かるような形での広報を行っています。

――即売会では対応が難しかったことも、例大祭の特異性を考えると、考慮せざるを得なくなってきたわけですね。

北條:
 ほかには、静岡での成功体験を元に、2022年3月に行う「博麗神社例大祭in新潟」のような、地方都市での小規模な「出張例大祭」についても今後検討しています。

 このコロナ禍によって、最終回を迎えてしまった東方オンリーイベントが増えてしまっています。その都市に一つしか無かった東方イベントがなくなり、空白地区になってしまった場所に、地元東方ファンのための一時的な集合場所を提供したい、という考えです。スペース数は100でも200でも、小規模でも良いので開くことを考えています。「出張例大祭」に参加した方がのちのち、東京の例大祭にも遊びに来てくれる流れを作っていきたいんですね。東京一極集中だけで続けていたら、またいつか厳しくなってしまいますから。

 

 今回はここまで。最終回となる次回は、この二年の集大成とも言える開催となった「第八回博麗神社秋季例大祭」の開催についてや、今年開催となる「博麗神社例大祭in新潟」の経緯、そしてこの先の例大祭についての展望について語っていただきました。

例大祭は何故「即売会“以外”」をやるの? 常に新しくなる東方ファン層と、それを後押しする「ハレの場所」――博麗神社例大祭社務所インタビュー おわり

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