東方我楽多叢誌(とうほうがらくたそうし)は、世界有数の「同人」たちがあふれる東方Projectについて発信するメディアです。原作者であるZUNさんをはじめとした、作家たち、作品たち、そしてそれらをとりまく文化の姿そのものを取り上げ、世界に向けて誇らしく発信することで、東方Projectのみならず「同人文化」そのものをさらに刺激する媒体を目指し、創刊いたします。

     東方我楽多叢誌(とうほうがらくたそうし)は、世界有数の「同人」たちがあふれる東方Projectについて発信するメディアです。原作者であるZUNさんをはじめとした、作家たち、作品たち、そしてそれらをとりまく文化の姿そのものを取り上げ、世界に向けて誇らしく発信することで、東方Projectのみならず「同人文化」そのものをさらに刺激する媒体を目指し、創刊いたします。

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リポート
2024/08/28

『LostWord LIVE 2024』ライブレポート前半 ジャンルレスなサークルとともに熱狂する会場

『LostWord LIVE 2024』ライブレポート前半

 株式会社グッドスマイルカンパニーと株式会社NextNinjaの共同プロジェクトである、東方Project公認二次創作スマートフォン向けRPG『東方LostWord(東方ロストワード)』。

 今年4月には4周年を迎えた、博麗霊夢や霧雨魔理沙など『東方Project』おなじみのキャラクターが活躍するRPGです。

 そんな『東方LostWord』を応援してくれる方への感謝を込めた音楽イベント“LostWord LIVE 2024”が東方音楽イベントではお馴染みの会場、川崎CLUB CITTA’にて6月22日に開催されました。

『東方LostWord』への書き下ろし楽曲やMV プロジェクトに参加しているサークル6組が出演したほか、豪華なゲストボーカルも登場した本公演。本稿では、イベント前半の模様をお届けします。

 開演直前にもなると、収容人数1300人のフロアはパンパンの満員状態。親子チケットでの参加が可能だったこともあり、会場には初めてライブに参加する小中学生の姿も多く、幅広い年齢のファンが集っていました。

フロア両サイドに用意されたスクリーンに『東方LostWord』テーマ曲「ロストワードクロニカル」がMVとともに流れ、いよいよイベントが開幕。フロアの観客はさっそく声を出して盛り上がり、1組目のアクトを迎える準備はばっちりです。

文/村上麗奈

 

序盤からパワフルに躍らせるトップバッター、A-One

 温まった会場に登場した1組目のサークルはA-One。クラップで盛り上がるSEの中、フラッグを掲げたAkyとRute、そしてELEMENTASが登場します。

「燃え尽きる覚悟はできてるか!初めての奴も遠慮なんていらないから、全力でかかってこいよ!」と初っ端から熱く煽るRuteの言葉により、ライブは「Drive Your Fire」でスタート。1曲目から炸裂するフルスロットルのパーティーチューンに、フロアもサイリウムや拳を掲げ、タオルを振って応えます。

 間髪入れずに「Endless Seeker」へ続くと、会場は身体に響くユーロビートに熱狂。

 Aky、Ruteの気迫溢れるパワフルな声もフロアの熱量に拍車をかける。サビのコールも全力で、ライブ序盤から体力を使い果たさんばかりの熱量が漲っていました。

 MCにて、RuteからA-Oneについて「ライブグッズのタオルの存在意義がもっとも生まれるサークル」という紹介があった通り、ここまでわずか2曲にも関わらず、フロアにいるオーディエンスは力の限りタオルを振り、汗を拭い、早くもタオルが大活躍です。

 ここで東方LostWordの、MVプロジェクトで制作された楽曲「I’m Alright!」(東方LostWordfeat. KIHOW from MYTH & ROID × A-One)をMVとともに披露。

 メインボーカルを張るAkyの高音まで真っすぐに伸びる歌声とRuteによるコーラスが、MVプロジェクトのボーカルとは違ったA-Oneならではの表現を魅せつけました。

「早いもので、A-One次が最後の曲です!」とのRuteの言葉から、Akyの「せーの!」を皮切りに「今来たばっかりー!!」と、お馴染みの掛け合いを楽しんだあとには「Scream out!」へ。曲中でも思い切り大合唱しながらボルテージを高めていきます。

 そんな会場の熱量に呼応されるように「最高の声をくれたみんなに、先月リリースしたばかりの新曲を」と披露したのは「Idoratrize World」。低音がダイナミックに響くトラックがパワフルかつ、それまでとは表情を変えてクールさを際立たせます。迫力たっぷりのツインボーカルの掛け合いやハーモニーはもちろん、フラッグを掲げ朗々と歌い上げる姿も印象的でした。

 ノリの良い楽曲で煽り立てるパフォーマンスが板についている一方で、存在感のある歌声を活かしたエモーショナルな楽曲の魅力を存分に届け、ステージを終えます。

 

ジャズ生演奏のインストで大合唱、東京アクティブNEETs

 続いて2組目のアクト・東京アクティブNEETsのステージは、「恋色マスタースパーク」でスタートすると、早速馴染み深いメロディにオーディエンスはクラップで盛り上がります。

 ジャジーなアレンジと紅維流星(Key)や山石本薫(Sax)によるソロ、ヒロコマン(Tp)の奏でるメロディが心を沸き立たせ、ショボン(Dr)、あつし(Perc)、青井刹那(Ba)によって形作られるリズムが心地よく身体を揺らし、後半に向けて演奏がヒートアップすると、さらに気分を盛り上げました。

「東京アクティブNEETsの曲は原曲に近いアレンジなので、原曲のメロディを知っていれば口ずさめます。知っているところがあったら一緒に歌っちゃってください」と紅維流星の言葉に続いて演奏されたのは「令・瞑コード零」。

 原曲を活かしたメロディが、サックスとトランペット、そしてキーボードによって奏でられます。紅維流星によるキーボードでは流麗な印象に、ヒロコマン、山石本薫による管楽器ではときにパワフルに、抑揚たっぷりに演奏され、原曲のメロディの魅力を最大限に楽しめるだけでなく、楽器ごとのニュアンスの違い、楽器の音色に身をゆだねる楽しさもじっくりと味わうことができました。そんな演奏に、オーディエンスもクラップをしたりサイリウムを振ったり身体を動かしたりと、好き好きに楽しんでいる様子。

「湖畔夏風邪隊」では、サックスとトランペットで作り上げるハーモニーが爽やかな印象で、跳ねるピアノは軽快。リズム感たっぷりのベース、パーカッションの演奏に身体が揺れる。じっくりと聴かせる山石本薫のソロ、装飾の効いた紅維流星によるキーボードソロも絶品です。

 そんなスタイリッシュな演奏で楽しませる彼らは、一方でゆるく和気あいあいとしたMCも魅力。

 最近サークル内外で流行っているという、「東京アクティブ?」という呼びかけに対し、オーディエンスが「NEETs!」とダブルピースを掲げる(NEETs=2とツー、に由来しているという)コミュニケーションをタイトルコール代わりにすると、パワフルに「紅月ノ摩天楼」へ。アップテンポに踊るような音色の推進力が会場の熱気を高めていきます。

 そして「好きな歌詞で歌ってくれたら嬉しいです」というヒロコマンの言葉から「水月」へ。ゆったりとした抑揚に音色を乗せ、会場を落ち着いた空気に染め上げるのかと思いきや、直前のMCでの言葉もあって会場は大合唱。ライブならではの特別な盛り上がりと一体感に包まれました。

 そして最後はゲストボーカルのいとうかなこを呼び込み、MVプロジェクトの楽曲「刻の境界」で大団円。

 ラテンのリズムと歯切れのいいサックス、トランペットが牽引する中、パワフルなボーカルが炸裂しフロアを沸かせました。

 

森羅万象、賑やかでカラフルなステージで無邪気にはしゃぐ

 3組目のアクト・森羅万象のステージは、ポップな照明に彩られながら「ダイナマイト」でスタート。

 背後のスクリーンにはカラフルなMVが流れ、ステージ上では飛んだり跳ねたりと可愛らしく動くあよ、あやぽんず*の2人。早速オーディエンスとともにコール&レスポンスをするなど、無邪気に会場と一体となって盛り上げます。

 自己紹介ののち、あよによる「無意識レクイエム」へ。落ち着いた歌声が楽曲のホラーなモチーフによく似合い、楽曲のストーリーが不穏になっていくにつれ、照明もリンクするように赤色に変化したり点滅したりと怪しげな雰囲気を帯びながら没入を誘います。段々とヒートアップするボーカルも含めた臨場感のある演出に、フロアからは感嘆の声も聞こえました。

 あやぽんず*にバトンタッチして披露されたのは、爽快な楽曲「有頂天ドリーマーズ」。先程とは打って変わった晴れやかな楽曲で、あやぽんず*のパワフルな高音が疾走感のあるサウンドと相性抜群。会場を明るく染め上げます。

 再びステージ上にボーカル2人が揃うと、スペシャルゲストとしてkonocoが登場。ロスワライブの為に特別に用意されたアリス・マーガトロイドの衣装をまとったkonocoとともに披露したのは、MVプロジェクトでのコラボ曲「斑にマーガレット」です。

 情感の籠った繊細な歌声で魅了するkonocoとともに、あやぽんず*とあよもハモリで参加し、ライブならではの特別な歌唱により会場のボルテージを更に上昇させました。

 再びツインボーカルに戻った森羅万象は「ハートインワンダーランド」を披露。こいしとさとりの可愛らしいデュエット曲を甘い歌声で歌い上げます。疾走感のある楽曲中に甘い掛け合いやセリフ調の可愛らしい声色が続き、ただただ可愛らしいファンタジックな空間を作り上げました。

「残りあと1曲です!」とのあやぽんず*の言葉に、「今来たばっかりー!!」とオーディエンスが返すというA-Oneお決まりのやり取りを拝借したあとは、アッパーチューン「悪戯センセーション」で締めくくり。2人はステージを端から端まで動き回り、オーディエンスも拳を掲げタオルを回して応えます。

 スカーレット姉妹が喧嘩し、最後には仲直り…。そんなわちゃわちゃとした元気いっぱいの楽曲とともにフロアも存分に盛り上がり、勢いのあるステージを終えました。

 

LostWord LIVE 2024の無料配信に関するお知らせ

LostWord LIVE 2024の無料配信は、ゲーム内から先行公開を行います。

ゲーム内のホーム画面より、専用のボタンから動画を見に行くことができ、各サークル毎、6つの動画として順次公開予定です。
※一般公開は、後日公式Xなどで告知予定となります。

公式X
https://twitter.com/Touhou_LW

公式YouTubeチャンネル

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