東方我楽多叢誌(とうほうがらくたそうし)は、世界有数の「同人」たちがあふれる東方Projectについて発信するメディアです。原作者であるZUNさんをはじめとした、作家たち、作品たち、そしてそれらをとりまく文化の姿そのものを取り上げ、世界に向けて誇らしく発信することで、東方Projectのみならず「同人文化」そのものをさらに刺激する媒体を目指し、創刊いたします。

     東方我楽多叢誌(とうほうがらくたそうし)は、世界有数の「同人」たちがあふれる東方Projectについて発信するメディアです。原作者であるZUNさんをはじめとした、作家たち、作品たち、そしてそれらをとりまく文化の姿そのものを取り上げ、世界に向けて誇らしく発信することで、東方Projectのみならず「同人文化」そのものをさらに刺激する媒体を目指し、創刊いたします。

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コラム
2023/10/13

東方クラブイベントのあそびかた ~新しい音、仲間との出会いの場所~

東方クラブイベントはこわくない

 みなさん、東方アレンジ聴いてますか? 聴き足りてますか!?

 即売会やライブイベントなど、コロナ禍も明けたことで多くのイベントが開催されていますが、いま一番東方アレンジを聴ける場所がどこか、知っていますか?

……そう、東方クラブイベントなんです!!

 この記事では、DJ歴20年の私、Tracyが東方クラブイベントの楽しみ方を解説していきます! 画面の前で尻ごみしている、クラブ初心者のあなたでも大丈夫。新しい作品や東方仲間との出会いの場所を、ぜひ体感してみましょう!

 

「東方クラブイベント」とは?

 東方Projectの寛容な二次創作ガイドラインのもとで、著しい発展を続けてきたアレンジ文化。20年余りに渡る長い間で、多くの素晴らしいアレンジ楽曲たちが生まれました。

 バンドサークルが数多くの東方ライブイベントを開いてきたのと同様に、クラブミュージックを愛するアレンジャーたちは「東方クラブイベント」を開催しています。

 音楽を作るアレンジャーが開催するだけでなく、音楽を聴いて愛するリスナーがDJとなって開催・出演したりもする、というのもクラブイベントの特色です。現在では日本各地で、さらには海外でも多くのイベントが開催されていますね。

 東方アレンジしか流れないイベントもありますし、東方をメインにしつつ他ジャンルも流れるイベント、東方アレンジャーが自分のルーツとなる音楽を共有するイベント、などなど……テーマや方向性は多種多様です。

 共通するのは「東方アレンジをいっぱい、大音量で聞ける」こと、そして「東方アレンジ好きが集まっている」こと。イベントに来た人も、DJブースに立つDJも東方(アレンジ)が大好きな参加者……そう考えたら、即売会と実は同じかもしれません。

 有名なアレンジ以外を知らなくても「あ、これオーエンのアレンジだ~~!」とか、「このサークル、こんな曲も出してたの?!」など、新しい発見が常にあります。

 何より大きいのは、クラブ仲間ができること。遊びに来ているのは東方アレンジが好きな人たちばかりなので、同好の仲間との出会いなども、楽しみのひとつです。

コラム:そもそもクラブって?

コラム:クラブって怖いところじゃないの?

どうやって東方クラブイベントに行けばいいの?

 まずは、行きたいイベントを見つけましょう。情報収集です!

  各イベントの開催情報は、X(twitter)などのSNS媒体で日々告知されています。東方我楽多叢誌に告知が載っているものもありますね。

 まずは、自分の家から近いところで開催されているイベントに足を運んでみるのがオススメです。あるいは、推しサークルがある人なら、そのサークル/アレンジャーがゲスト出演しているイベントなどに、遠征してみるのも良いかもしれません。

 慣れてきたら、色んなイベントに足を運んで、自分に合った楽しみ方を見つけてみましょう。気が付いたら、あなたも東方DJを志しているかもしれませんよ!

▲札幌のクラブシーンの重要人物D.wattさん。こんなDJになりたいと思いませんか?あなた。

 一般的なクラブイベントは夜間に開催されていることが大半ですが、東方クラブイベントは日中・昼間の開催が多いです。

 一部のイベントは深夜に開催していたり、お店によっては未成年の入場をお断りしているものもありますので、イベント詳細にはしっかり目を通しましょう。Twiplaなどのイベント出欠確認サービスでの参加表明制度を利用しているイベントもあります。

 不明な点があれば、イベントの主催者に直接リプライなどで問い合わせてみるのも良いですね。

 

主にどこでやってるの?―各地域で開催されているイベントを紹介

 東方クラブイベントを主要な地方ごとにいくつかご紹介します。

・関東地方

 クラブの聖地ともいわれる渋谷など、都内を中心に各地で毎月イベントが多数開催されています。筆者も「nagomix渋谷」というクラブで2か月に1回「CODE-G」という東方メインクラブイベントを主催しています。

「幻想楽宴祭」

「東方幻騒祭」

「魔法の夜の混沌祭」

「東方ふろあろっく」

「ツダヌマファンタジア」

「RAVER’S NEST Next」

「TOHO DANCE NATION」

「CODE-G」
※Tracy主催イベント

など

・東北・北陸地方

 主に新潟、山形、福島、仙台などで、複数のイベントが定期的に開催されています。筆者は別の趣味の兼ね合いもあり、夏場は東北地方のイベントによく出没しています。


「東方柳都麦酒(新潟)」

「東方福酔宴(福島)」

「幻想ハイウェイスター(仙台)」

「東方音振箱(山形)」

など


・北海道

 札幌を中心に、複数の会場で東方クラブイベントが開催されています。人気サークル「IOSYS」のメンバーが中心となったオールジャンルクラブイベントI/O/P(通称イオパ)」も札幌で定期的に開催されています。

「I/O/P」

「東方TOHO Яebirth Night」

「東方鋼鉄狂」

など

・東海、関西地方

 東京と並んでクラブミュージックが熱い街、名古屋や大阪などを中心に多くの東方クラブイベントが開催されています。

 紅楼夢(大阪)や名華祭(名古屋)などのオンリー即売会の前日には、即売会に参加するサークルをゲストに呼んだDJイベントが開催されている事が多いです。

「東方Practice(名古屋)」

「T.M.R(名古屋)」

「東方ロックオン!!(名古屋)」

「東方RAVE MONSTER(名古屋)」

「東方ロックメイツ(大阪)」

「東方彩華宴(大阪)」

「Izanagi Distribution(大阪)」

「BREAK EMOTION(大阪)」

「東方ロックビーチ(静岡)」

など

・四国、九州、沖縄地方

 こちらも不定期ではありますが、東方クラブイベントが複数開催されています。

「東方萃楽宴(福岡)」

「東方根っこ音楽祭(愛媛)」

・その他

 コンセプトに基づいて全国を巡回する形で開催されているイベントもあります。

「PARTY FROM TOHO」

「湯巡り幻想郷」

 身近な場所で開催されているイベントに行くのはもちろん、遠方のイベントに足を運んで、イベントとその土地の名物などを楽しむ遠征なんかもとても楽しいですよ。

 東方クラブイベントの文化がもっと全国に広がっていったら嬉しいですね!

 

 

実際に遊びに行ってみよう ~持ち物編~

 まずは持っていくものを簡単に説明します。決して難しくはありません。

1.運転免許証など顔写真付きの身分証明書(クラブではIDとも呼びます)
 特に深夜イベントなどでは、年齢確認があるので必須です!

2.入場料・ドリンク代
 ほとんどのイベントはライブと異なりチケット制ではなく、当日入場料を支払って入場する形になっています。ドリンクはお酒でもソフトドリンクでも大丈夫です。

3.タオルなど
 フロアで踊ったりしていると汗をかくこともしばしば。ライブイベントと同様に、タオルなどがあると便利です。

 出来るだけ軽装を心がけるのがポイントです!

▲クラブって意外とこんな感じで結構わちゃわちゃします。なので軽装は大事!

 遠征でキャリーなどの荷物がある場合は、事前に駅前のコインロッカー等に預けるのが安全です。会場によってはコインロッカーや、クローク(荷物の預かりサービス)が用意されている場合もあるので、心配な時は主催者に問い合わせてみましょう。

 コスプレ参加が可能なイベントでは、翼や大きめの得物などの周りにぶつかりやすいアイテム・衣装などは避けましょう。

 

実際に遊びに行ってみよう ~入場編~

 前項でも書きましたが、入場の際にチケット制になっているイベントはごく少数で、大半は入口(エントランス)で入場料を支払って入場する場合がほとんどです。

▲nagomix渋谷のフロアマップ。ENTRANCEで入場料を払って、LOUNGEでドリンクを購入しましょう。引用:nagomix渋谷Webサイト

 一般的なライブイベントに比べて、クラブイベントは開催時間が長いです(昼間開催のイベントなら、14-19時など)。

 全力で楽しみたい人は開演時間から入場して楽しむのが一番です。が、必ずしも、最初からいないといけない訳ではありません。例えば深夜開催のイベントであれば、入場前に仲間同士で居酒屋などで軽く前飲みをしてから入場……なんて人も多いですね。長丁場のイベントが多いので、無理のないように楽しみましょう。
 各会場では、エントランスからフロアまでの間にバーカウンターがあります。まずは、各々好きなドリンク(お酒・ソフトドリンク)を購入して、ドリンクを片手に音楽を楽しんでみましょう。

 

実際に遊びに行ってみよう ~フロア編~

 フロアに入れば、あとの楽しみ方は自由です!

 せっかくだったら、DJがプレイする音楽に身を委ねて、踊ってみましょう。両足でステップを踏みながら両手を上げたり、体を揺らしてみたり、オタ芸を打ってみたり、振り付けがある楽曲でパラパラなどの踊りを楽しんでみたり、楽しみ方は人それぞれ。

 自分に合った楽しみ方を見つけてみましょう! もちろん、DJのパフォーマンスに見惚れるもよし。

 会場やイベントによっては、一部オタ芸などを禁止している場合もあります。 周りの人にぶつかったりしないよう注意を心がけましょう。万が一、人にぶつかってしまった場合などは、すぐに謝りましょう。 

 踊ることをメインに書きましたが、音楽が流れる場所ですので、ドリンクを片手に音を楽しむのもクラブの醍醐味のひとつです。「この曲知らないけど、なんの原曲だろ?」なんて脳内クイズも楽しめたりするのも、東方クラブならではですね。

 DJさんが独自に作ったマッシュアップ(2つ以上の曲を混ぜ合わせて1つの曲になった、CDでは聞けない音源)などが流れたり、複数のDJ機材を用いてその場でしか表現できない音を聴けるのがクラブのすごいところ! 筆者もDJとして立つときは、そんな遊び心を仕込んでいます。

 サークルのアレンジャーさんが出演している場合、まだ発表されていない新曲がオンエアされたり、クラブでしか聞けない未発表バージョンが聴けることもあります!

 DJの後ろには、流れている楽曲に合わせた映像が流れていることもあります。その場の雰囲気に合わせて映像を出す人はVJといい、彼らは視覚的にイベントを盛り上げます。音以外にも、クラブにはさまざまな楽しみ方があります。こういう点にもぜひ注目してみましょう。

 イベントではX(Twitter)のハッシュタグ(#イベント名 etc)を設定しているイベントもあります。ハッシュタグを付けて、

「今流れたオーエンのアレンジかっこいい!」とか、
「○○さん(DJ)の選曲めちゃくちゃいい!繋ぎがうまい!」とか、
「○○(会場)のお酒がおいしい! 珍しいお酒がある!」とか、
「前の方で踊ってる魔理沙コスの人の衣装すごくかわいい!」とか。

とにかくなんでも、フロアで感じたこと、イベントのあらゆる感想をリアルタイムでみんなと共有してみてください。SNS上でもイベントの盛り上がりを伝えられたり、ハッシュタグ経由で同じイベントに参加している仲間と新たに繋がったりもできますね。

「聞いたことないけど、この曲気になる!」なんて曲があったら、流していたDJさんに会場やSNS等で話しかけて、曲名を教えてもらったりしてもいいかもしれません。DJさんによっては、イベント後にSNSで流した曲の一覧(セットリスト)を公開していたりします。

 クラブイベントは、ライブと比べて開催時間が長いことが多いので、体力のペース配分には気をつけましょう。イベントのハッシュタグで、屍のようになっている人の写真を見た事がある人もいるかと思います。序盤から飛ばして踊り過ぎたり、お酒を飲み過ぎたりすると後半で疲れてしまうのでこの点は注意が必要です。(でも楽しいから仕方ない)

 ざっくり書いてみましたが、

・音を楽しむ、踊る
・お酒やドリンクをのみながら眺めてみる
・同じ趣向を持った人や演者との交流を楽しむ

こんな感じで、自由に楽しんでみましょう。

 音とお酒を楽しみながら椅子に座ってタブレットでお絵描きをしてる人や、フロアで四股を踏む人(これは踊るに含まれるのかな……?)など、あなた流の楽しみ方を見つけてみるのも良いと思います。

 自分なりの楽しみ方を見つけたら、ぜひ教えてくださいね。

▲どうしても勇気が出ない……!という人は、いったん配信を破っているイベントの雰囲気を眺めているのもいいかもしれません。

実際に遊びに行ってみよう ~継続的に楽しむために~

 色んなイベントに遊びに行ってみるのは勿論ですが、クラブイベントに遊びに行っていると「自分もDJをしてみたい!」「VJってどんな事をしているの?」と思う人が出てくるかも知れません。

 現場に設置されているDJ機材はそれなりのお値段がしますが、最近では初心者向けの安価な機材も増えてきています。実際に筆者のイベントに遊びに来ていたお客さんで、後にDJとしてデビューした人もいらっしゃいます。

 オーディエンスとして楽しむのも勿論ですが、DJとしてもっとドップリ東方アレンジの世界に浸かってみるのも楽しいかもしれません。まだ時期は決まっていませんが、個人的にもそうした初心者の方の為の講習会的なイベントも開催できたらいいな、とも考えています。

▲東方DJからスタートして、いつかはこんな海外のビッグイベントに立つ日が来る……かも?

 いかがだったでしょうか?

 クラブイベントの良さは、自分なりの楽しみ方がしやすいこと。そして、新しい音楽や仲間との出会いがたくさんあることです。

 ぜひ、東方クラブイベントにひとりでも多くの人に遊びに来てもらい、楽しんでもらう事が出来たら嬉しいです!

 もちろん、我々サークル・アレンジャーも、引き続き東方アレンジをたくさん制作して、たくさんクラブに流したいと思っています。ぜひ、楽しみにしててくださいね!

 

西日本最大級の東方音楽フェス「BREAK EMOTION -Touhou Music Fes.-」10月14日14:00から大阪で開催!

西日本最大級の東方音楽フェス:BREAK EMOTION -Touhou Music Fes.- 開催!

メインフロアでは総勢14サークルによる渾身のDJ/ライブセットを披露!
ラウンジフロアは全国の東方クラブイベントを代表する10名のDJが集結!

西日本最大級の東方Projectオンリー即売会の前夜祭が今、ここに―。

◆公式サイト

http://amateras-records.net/breakemotion/

◆開催情報

開催日時 :2023年10月14日(土) 14:00 OPEN/START (21:00 CLOSE予定)

会場 : TRIANGLE OSAKA

入場料 : 3,000円(1ドリンク別:入場時1ドリンクが別途必要です)

イラスト : 京田スズカ(京田モータース)

共催 :CODE-G / IzanagiDistribution

◆LINEUP

MAIN FLOOR

・A-One
・Alstroemeria Records
・Amateras Records
・Dドライブ
・Dimension’s Gate
・EastNewSound
・IOSYS
・JealouSPECT
・ROLLING CONTACT
・ZYTOKINE
・ちょこふぁん
・給食頭蛮
・荒御霊
・森羅万象

VJ:出前/Saina

LOUNGE FLOOR

・estha(XL Project)
・HIRO(東方萃楽宴)
・NiesoX(遊音BEAT!!/東方わぁい!)
・REEYA(Groovy Trancer)
・Rëgret
Richiter(SoundTeam,LORB/DDB)→Rin(クロネコラウンジ)
・YaG(東方わぁい!)
・からすまん(Tengu Corp)
・ノースカロライナ鹿島
・餅屋 (dat file records/IzanagiDistribution)

PHOTOGRAPH:すみじゅん(Halozy)

◆タイムテーブル

東方クラブイベントのあそびかた ~新しい音、仲間との出会いの場所~ おわり