東方我楽多叢誌(とうほうがらくたそうし)は、世界有数の「同人」たちがあふれる東方Projectについて発信するメディアです。原作者であるZUNさんをはじめとした、作家たち、作品たち、そしてそれらをとりまく文化の姿そのものを取り上げ、世界に向けて誇らしく発信することで、東方Projectのみならず「同人文化」そのものをさらに刺激する媒体を目指し、創刊いたします。

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チルノでもワカル!おえかきのハナシ「誰も教えてくれない模写のコツ」 #チルワカおえかき

イラストレーター粗茶さんのおえかき講座

 こんにちは、粗茶です。

 前回は顔のアタリの取り方と、その利用方法のお話をしました。

 さて今回は「模写する時のコツ」についてお話をしようと思います。

「お絵かきしてみようかな」と思った人が、わりと最初の段階で手を付ける「模写」。ここを読んでる方なら、きっと一度は挑戦したことがあるのではないでしょうか? 模写を実際にやってみると「あれ? 真似して描いたはずなのに、ぜんぜん違う……」と、思ったことがあると思います。

 今回はそんな「ワカラン!」がちょっとだけ、人によっては劇的に「ワカル!」に変わるかもしれない、そんなお話です。

 

まずは挑戦してみよう

 まずは何事も挑戦。今回はサンプルとしてこの「チルワカ」のTOPにもなっている、チルノの模写をしていこうと思います。

 しかし、自分の絵を模写しても「そりゃ自分の絵だし、上手くかけるでしょ」となってしまうと思うので、私の友人Y氏に協力をお願いしました。いつもありがとう。

 ……いや、思ったより上手いな? 正直もうちょっと線が荒れると思ってました。見くびっていたスマン。このチルノなんかめっちゃ味がある。いいな……。

 とはいえ今回は「模写」改善できる部分もたくさんあるのでこれからコツを説明していきます。

 

2種類の「モノサシ」を設定する

 模写する時に「このへんから線を描くのかな……?」みたいな感じで、なんとなく線を引いている人が多いと思います。

 例えば、どこかの駅で待ち合わせする時に「〇〇駅で~」という位の約束で待ち合わせをすると「駅のどこ!? どの改札!?」となりますよね。そんな時に携帯の充電が切れたらもうお先真っ暗です。せめて、「中央改札の前のコンビニ」の様な明確な目標があればなんとかなりそうですよね。模写も「明確な目印」があれば、一気に難易度が下がります。

 難易度を下げる方法は、「モノサシ」を設定することです。

 ひとつ目の「モノサシ」は、紙(デジタルの場合は画像サイズ)自体に設定するものです。これは紙の「どこに描くか」「どのくらいの大きさで描くか」を決めるための物です。

 デジタルならレイヤーを増やして、そのレイヤーにこういう線を引きます。イメージとしてはサイコロステーキ先輩です。

 ポイントとしては描きたい部分が全て赤い線の内側にあること。

 この赤い線があれば迷いません。「右から2つ目、上から2つ目のマスに目がある」という感じです。

 これは「イラストの完成をイメージする」練習になります。この感覚をつかむと、普通のお絵描きでも起こりやすい「顔は上手くかけたけど、足が紙からはみ出しちゃった!」ということを回避できる様になります。

 あと余談ですが、模写する方の紙に描くマス目を大きくしたり小さくしたりすれば、拡大縮小まで出来てしまいます。小槌「お前が大きくなあれ」!

 ふたつ目の「モノサシ」は、「瞳」です。本当は瞳でなくても問題はないのですが、瞳はキャラクターイラストなら大体の絵にあってわかりやすいので、今回は「瞳」をモノサシとして設定します。

 この赤い部分をモノサシとして使います。ぱっと見小傘みたいになってますけどそれは無視してください。これはチルノです。

 このモノサシの使い方はこういう感じ。

「ヒジから手首まで、だいたい1タテ瞳」

「口の横幅は、だいたい2ヨコ瞳」

 こうすると「描くべき長さ」がわかります。新しいパーツを描く時は、瞳を基準に長さを計ることができます。「絶対合わせなければいけない!」というわけではなく目安になるという程度で大丈夫です。

 このモノサシで重要なのは、絶対に途中でモノサシとするパーツを変えないことです。

 この2つのモノサシを活用するだけで、今まで「なんとなく」だったものが自信をもって描ける様になります。以上の2点を踏まえてYさんに描いてもらったものがコチラ。

 めっちゃ上手くなってる~~~~!!!!

 最初のものと並べてみるとこう。


 全然違いますね!!! これが、休日に「絵を描いてくれないか」といきなり言われてから2時間程度での仕上がりです。すごいですよね。正直、ここまですぐに上手くなるとは思わなかったです。

 ちなみに、私は彼女に対して、ここに書いてる文章を口頭でしか説明していません。ほぼ画面も見せず、自力でここまで変化しました。本当にすごい。

 

更にワンランクアップするには

 もっと精度を上げたい!という人が意識すると良いこと、それは角度です。

「このパーツとこのパーツは同じ角度」みたいな感じで元の絵をとにかく観察して再現すること。これが大事なのです。

 

模写で上がる力は何か

 実はこの話は、普通のおえかきでも同じ事が言えます。

 例えばキャラクターの後ろに「花を描こう」とした時に「花の種類」や「花言葉」をそのキャラに合ったものに出来たらステキだと思いませんか?

 そういうのは観察が重要になります。「桜を描こう!」と描いても桜に見えなければ「なんか5枚花びらがある花」としか見てもらえないのです。悲しいですよね。

 そういう事故を避けるために「観察」が必要なのです。

 たくさん見て、特徴を掴む事。それがおえかき上達のカギの一つです。

まとめ

 ①模写をする時には2種類の定規をきめよう

 ②紙のどこに描くかを決めるモノサシ

 ③どのくらいのサイズで描くかを決めるモノサシ

 ④模写は「観察眼」をレベルアップする方法

 

余談ですが―10月15日に「東方紅楼夢」が開催されます

 2023年10月15日に大阪府にあるインテックス大阪にて「東方紅楼夢19」が開催されます。

 私が主宰している「幻想郷のおえかき道場」も出展しますので良かったら遊びにきてくださいね。私に会えた人には記念に名刺をお渡ししております。名刺だけでももらいに来てね!

 

次回は

 次回は、今回のお話を元に「人って首から下もあったね? 頭身のハナシ」のお話をしようと思います。「なんか体のバランスが上手く行かない」とか「描いたけど足が紙からはみ出る」みたいな方に役立つかもしれないお話です。

 今回の記事を読んで「そーなのかー」と思った方は、ぜひTwitterなどで拡散してくださいね!

チルノでもワカル!おえかきのハナシ「誰も教えてくれない模写のコツ」 #チルワカおえかき おわり

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