知らない人にはイマイチ分かりにくい「フリル」と「レース」の違い。たまにレースを指して「フリルがきれい！」とコメントしているものを見かけます。その違いをお教えしましょう。

　レースとは「1本または何本かの糸を用いて、すかし模様の布状にした物の総称」。つまり布です。

　フリルは「布の縁を絞ってギャザー（しわ）を寄せたもの」なので、そもそもまったく違う物ということです。料理で例えるなら、

たまご……布

殻が赤い卵……レース

目玉焼き……フリル

って感じでしょうか。殻が赤い卵で目玉焼き、できますね。ちなみに私は、目玉焼きには塩コショウ派です。

　フリルとレースはぜんぜん違う物ということ、おわかり頂けましたでしょうか。

 

　違いがわかったところで「じゃあどう描けばいいの？」というハナシ。レースと言えど、おえかきです。おえかきは「らしく」「それっぽく」見えることが最優先です。「レースとは糸で編んであって～」とか、先程の知識は一旦忘れましょう。

　……忘れましたね？　それではGO。

　まずデザインを考えます。何かを参考にしてもいいですよ。例えばこんな感じ。

　デザインは行き当たりばったりでもいいですが、どのようにに描いていくか、先に形を決めておくほうが良いです。慣れるまでは、書き始める前に上のような画像を確認用として用意しておくと良いかもしれません。

　この時のコツは、全体のどこに何があるかを理解することです。例えばこんな感じ。

　これをつなげていくと、

こうなります。雑だけど、設計図なのでまあOK。あとはこのルールを忘れないように描いていくだけです。大事なのは「この時決めたルールを守ること」です。

　ちなみに、フリルじゃないところにレースを入れるのもオススメです。というか、レースをフリルにするのはけっこう難しいです。フリルが苦手な人は、フリルの代わりにレースを使うのもありですよ！

 

　フリルやレースは描くのがめんどくさいけれど、絵が格段にかっこよく、そしてかわいくなります。慣れてくると、コツコツ描いているだけでなんだかドーパミン？脳内麻薬？が出て、気持ちよくなります（個人の感想です）。

　実際にフリルやレースの効果を、絵で見て体感してみましょう。まずはこちらをご覧ください。

　シンプルなパチュリーです。まずは、衣装の襟やリボンなどにフリルを追加してみます。

　次に、ZUN帽をレースにしてみましょう。

　そして、模様も追加。

　いかがでしょう、模様やフリルがあると、イラストの見栄えがくっきりと変わりますよね。

　横に並べてみるとこうです。

前回お話した、「絵の情報量を格段に上げる効果」を大きく感じられるのではないでしょうか。

　ここまでは実際に絵に起こる変化のおハナシでした。……でもね？　正直に言うと、フリルやレースを描くことで得られる一番のご褒美は「描ききった時の達成感」ではないかと思います。

　ああ～！！こんなにめんどくさいのにがんばって描いた～～～～！！！　偉くね～～～～～～！？

　これです。これが案外、自己肯定感につながるんですよね、本当に。私もそのクチです。お絵かきで自己肯定感、上げていこう～～～～～！

 

　①フリルとレースはまったく別物

　②ルールを守ればレースはきれいになる

　③フリルやレースは確実に達成感をくれる

 

　次回は、どんなお絵かきツールにも必ずあると言って過言ではない「ブラシツール」のおハナシをします。一部では評価があまり高くないペン設定ですね。

　デジタルのお絵描きが慣れてきた方の中には「ブラシツールなんて使わない！」なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか？　いやーもったいない。もったいない話です。

　というわけで次回は「ブラシツールの使い方」について解説出来ればと思っています。

 

　3月23日、ツインメッセ静岡で開催される「第二回博麗神社例大祭 in 静岡」に、幻想郷のおえかき道場として参加いたします。いつも通りのぬりえや原画展示を行いますのでぜひ遊びに来てくださいね！

　詳しい情報は幻想郷のおえかき道場のXをご覧ください。

Tweets by oekakidojo

それではまた次回お会いしましょう～。