東方我楽多叢誌(とうほうがらくたそうし)は、世界有数の「同人」たちがあふれる東方Projectについて発信するメディアです。原作者であるZUNさんをはじめとした、作家たち、作品たち、そしてそれらをとりまく文化の姿そのものを取り上げ、世界に向けて誇らしく発信することで、東方Projectのみならず「同人文化」そのものをさらに刺激する媒体を目指し、創刊いたします。

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音楽評
2021/01/20

いざ征けBPMの闘士たちよ!『B/M GLADIATOR』 / Rolling Contact

東方アレンジCDレビュー『B/M GLADIATOR』 / Rolling Contact

 今回は”超攻撃的”東方アレンジの切り込み隊長「Rolling Contact」の秋季例大祭の新譜をご紹介します。

 Rolling Contactといえば、みんな大好きハードコアテクノやハードスタイル、ベースミュージック系のアレンジが得意なサークル。ワルいお兄ちゃんたちと一緒に車で爆音で鳴らすと気持ちがいい系サウンドを中心に届けてくれるサークルですね。そのサウンドの立体感・臨場感たるや、4DX!

 そんなロリコン(Rolling Contactの略)の91枚目はB/Mシリーズの第7弾です。

 B/M(Beats Per Minute=BPM)とはざっくり言うと曲のテンポ=速さのこと。たとえば、となりのトトロで有名な『さんぽ』はBPM120だったり、みんな知ってるアレンジ『Bad Apple!! feat.nomico』のBPMは138だったりします。

 このB/Mシリーズは、そのタイトルごとに特定のBPMを決め、その付近のあらゆる音楽ジャンルにフォーカスしたアレンジが10曲ほど入っているCDシリーズです。今までの6作のBPMは150,150,170,180,128、150と続いてきていますね。

ン~~~ヌードルさんの描いたナズーリンちゃんはかわいいでちゅね~~~;;

 そんでもって今回のタイトルはB/M GLADIATOR!「gladiator」とは古代ローマの剣闘士を指すそうです。

 いざ征けBPMの闘士たちよ! 今回のBPMは……なんと!「低め」とされる110らへんのゆっくりとしたBPMの曲にフォーカスを当てたアルバムとなっています。

 ゆったりめの曲中心だからと言ってゆっくり聴けると思ったか? この作品も、ワルいお兄ちゃんたちと一緒に車で爆音で鳴らすと最ッ高に気持ちがいいサウンドで溢れかえっています。いったいどこに連れて行かれちゃうの~~~!?

 

炸裂!Industrial Bassとは!?

 というわけで、いつものように気になった曲をピックアップしてご紹介します!

Tr.2 Brightness & Darkness
ジャンル:Industrial Bass

 

さまざまなジャンルを網羅したアルバムなので「これは!!(ティン!)」となる曲は人それぞれになるとは思うのですが、そんなことより2曲目はやべ~~~~~~~~~

東方星蓮船より『春の湊に』と『感情の摩天楼 ~ Cosmic Mind』のアレンジであるこの曲。

最初の1分ぐらいまでのイントロを聴く限りでは、おっ、いつもの天音さんのかっこいい感じだ!と安心するのですが、そのあと滝壺に蹴り落とされます。クロスフェードが、ちょうど蹴り落とされるシーンなのでご賞味ください。

 音楽ジャンルは”Industrial Bass”と呼ばれるみたいです。自分も、このあたりのクラブミュージックがかなり好きでもともと聴いていたジャンルだったのですが、まさか東方アレンジで聴けるとは思ってもみませんでした。

 走り抜けるでもなく、流されるでもないのに、周りを景色がまばゆく駆けぬけていくような音楽体験! 決してBPMの速い曲では見られないような、三密回避(今流行りの!)な隙間の広いビートとビートの間を、気持ちのいい電子音がまとっていく新感覚。

 公式ブログでのライナーノーツで、天音さんはVirtual SelfのParticle Artsという曲をおすすめしていたので、自分は別のIndustrial Bassの曲を紹介しておきます(このREZZというアーティストがおすすめ)。

 あんまりにも厨二な感じなので、中学生とかのときにこの音楽に出会ってたらちょっと危なかったかもしれねえ。

 この感じの東方アレンジを新しく聴ける喜びの覚悟を準備しておいてください。

Tr.5 Hell Jumpers
ジャンル:Big Beat

 

 5曲目も笑っちゃいますね(笑うな)。

 おてんば恋娘がBig Beatになって登場! テンポは遅くても体が黙っちゃいられない。気持よく繰り返されるブレイクビーツに、体を委ねたくなるギターサウンド、ノリノリのVoxと、DJのキュッキュッキュみたいなやつ。さいきょーにブチ上がる一曲となっています。「やったー!」ってやつ。

 ほかの曲はドンッ、ダンッ、が特徴的な音楽ジャンル「Glitch Hop」、デッッケデッケッ、デッッケデッケッが特徴の音楽ジャンル「Moombahton」など、従来のロリコン(Rolling Contactの略です)作品でもフォーカスを当てたジャンルなので、気になった曲はブックレットに書いてあるジャンル名を参考にして、ほかのCDも聴いてみてください!

 

まとめ

 このアルバムは、BPM110という比較的遅めで統一でされながらも、あらゆる「カッコイイ!」「力強い!」「きもちいい~」と感じさせてくれる音楽ジャンルを網羅したアルバムとなっています。なので手にとって聴いた人は、それぞれの「これは!!(ティン!)」となる曲が一曲はあるんじゃないかなと思っています!

 また、BPMが一定のCDというのはクラブ系DJにとっては嬉しくて、一枚あればそのBPM帯の選曲の幅が一気に広がります。何より、例えば10曲入りのCDであれば、10×10、つまり100通りの曲のつなぎ方の練習ができるわけです!!(合ってるかこれ!?……同じ曲でつないでないか!?)

 本作品はロリコン作品としては変化球かと思いますが、「天音さんこんなのも作ってるよ!」っていうのと、もうとにかく2曲目がかっこよくて、いつも聴いてる人や、こういうジャンルを聴かない人、みんなに注目して聴いてもらいたくてご紹介しました。

 早くクラブでこの曲かけてみんなで聴いてもらって阿鼻叫喚になりたいです。個人的なドハマり曲を、デカい音で流してみんなで高まることができるのはDJの特権ですね。むふふ。

 Rolling Contactは昨年秋にも一作リリースしています! こちらもチェックしてくださいね!

編集部註:
作品情報に昨年末のエアコミケで頒布された作品2点を追加しました。

 

作品情報

『B/M GLADIATOR』
https://loli0091.tumblr.com

編曲:天音
ジャケットイラスト:ヌードル

サークル:
Rolling Contact
http://youzyo.net
https://twitter.com/Amane_JP_
https://soundcloud.com/amane_jp
https://www.youtube.com/channel/UCy4OxVwkEkYISNJQY_6JldA

委託先:
BOOTH
メロンブックス
とらのあな
あきばお~こく
AKIBA-HOBBY
Grep

 

 

『Distorted Terror 2』
https://loli0090.tumblr.com

編曲:天音
ジャケットイラスト:神楽坂いろは

委託先:
BOOTH
メロンブックス
とらのあな
あきばお~こく
AKIBA-HOBBY
Grep

 

 

『Psychedelic Shrine 2』
https://loli0092.tumblr.com

編曲:天音
デザイン:こばきょん

委託先:
BOOTH
メロンブックス
とらのあな
あきばお~こく
AKIBA-HOBBY
Grep

 

 

『HARDCORE BARRAGE 9』
https://loli0093.tumblr.com

編曲:天音
ジャケットイラスト:神楽坂いろは

委託先:
BOOTH
メロンブックス
とらのあな
あきばお~こく
AKIBA-HOBBY
Grep