東方我楽多叢誌(とうほうがらくたそうし)は、世界有数の「同人」たちがあふれる東方Projectについて発信するメディアです。原作者であるZUNさんをはじめとした、作家たち、作品たち、そしてそれらをとりまく文化の姿そのものを取り上げ、世界に向けて誇らしく発信することで、東方Projectのみならず「同人文化」そのものをさらに刺激する媒体を目指し、創刊いたします。

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音楽評
2020/05/21

募集企画より全文掲載! ゲンさんより頂いた東方アレンジ音楽レビュー「霊知の太陽信仰」/岸田教団&THE明星ロケッツ

東方アレンジレビュー「霊知の太陽信仰」/岸田教団&THE明星ロケッツ

 前回の東方ステーションで発表ました、「東方アレンジ音楽レビュー募集」企画。本当に沢山の反響を頂きました!

 編集部に届いたレビューの件数は、なんと66+3!ご投稿頂いた皆様、本当に有難うございました!

 元々、頂いたものの中から1件を選出してご掲載させて頂く予定でした。ですが、「コレほどの量、1件だけ掲載するのは申し訳ない!この熱い思いを応えたい!」と、編集部内での思いが高まり、オススメ頂いた東方アレンジの情報は全て“レビュー文で特にアツいと思った一文を添えて”掲載をさせて頂きます! 

レビューまとめはこちら
皆さんのアツい思いが集まりました!頂いた「東方アレンジ音楽レビュー」全部まとめました その①

さらに、中でもよりすぐりのレビューについては、数件、全文掲載させて頂く形に致しました! 

今回は、全文掲載!ゲンさんより頂きました「霊知の太陽信仰/岸田教団&THE明星ロケッツ」のレビューを掲載いたします!

 

「霊知の太陽信仰」(ROLLING★STAR)/岸田教団&THE明星ロケッツ

 

 ほう…東方アレンジ音楽レビューですか…大したものですね

 しかし困った。手持ちのライブラリの中だけでもかなりの量になる上に、耳に入ったこともある曲も含めてしまうと正に星の数ほどある東方アレンジ曲。
 そんな中から、レビューしたい1曲(か1枚)を選ぶことができない…書きたいことから逆算しても当てはまる曲が多すぎる。

 順番を逆に、1曲は過去の自分に選んでもらおう。
 Google Play Musicから全曲を再生数順にソートして、トップの曲を選べば最も聴いている曲だけに何か決まるだろう。『音楽ライブラリ>曲>再生回数』をクリック。

 ……選ばれたのは、岸田教団&THE明星ロケッツの『霊知の太陽信仰』でした。ライブラリをクラウド上に移してから最低でも300回ちょっと聴いたらしい。

 

「曲を聞いていて原作の風景が浮かんで」「サークルの音になっている」楽曲

 さて、何故自分はこの曲をこんなにも多く聴いているんだ?

 自分が東方アレンジCDを買う際、つまり同人イベント前の視聴のときに基準にしている点をあえて言語化すると、
「原作再現度」「サークルの音になっていること」の2つだ。

 前者は原曲成分が適度にあること、曲を聞いていて原作の風景が浮かんでくるかどうかだ。
 歌詞も原作の解釈には大きな要素だが、余り気にしていない。というのも、インストアレンジには歌詞がないし、視聴の時は歌詞カードがなくて何を言っているのかわからないことも多いので、サークルチェックには向いていない。

 サークルの音になっているというのは、原作再現度が確保されつつ、サークルのオリジナリティとミックスされているかどうかという点。
 要するにここは何のサークルなのか?ということが感じられるかどうか。

 

「聴いているだけで地霊殿6面を3分半で追体験できる」

 改めて考えてみると、この曲は確かに地霊殿6面の曲であって岸田教団&THE明星ロケッツの曲だ。地霊殿は2008年の作品だし、プレイ済みで、霊烏路空の弾幕は当然覚えているよね?
 流石に画面を埋め尽くす核マークとCAUTION!の警告、画面を埋め尽くす超大玉を忘れていないだろう?

 

 開幕のキャラインパクトを思わせる原曲リフのギターから始まり、会話パートの静けさと緩やかなテンションの上がり方の前奏。これはスピードが緩いと見せかけて加速するお空の通常弾幕ともかかっているように見える。

 ディレイのかかったギターの一音一音が、通常弾幕の中玉1つなら、ちょうど同じぐらいの数になるだろうか?このメロディの間が少し空いているのも、お空が一度画面外に出る演出と重なる。

 

 Aメロのドラムを強調したメロディーは当時お空だけが使っていた超大玉。その後の流れるようなメロディーは通常弾幕への移行か、弾の大きさに反してスピードそのものはそこまで速くないお空の弾幕の特性だろうか。

 業火マントルのフレーズを当てているBメロは6面道中の静かな緊張感と、上がり続ける温度の如き我慢のできなさを感じ、サビの前の発狂ドラムは、CAUTION!の表示を幻視する。サビのパワフルさと、合間合間にある静かな時間が超弩級核パワー!とスペカ直後の画面のスッキリ感に重なり、まるでゲームをプレイしているかのような気分に浸ることができる。

 Cメロの静けさは、耐久スペルとラストスペルの合間の時間。そこから繋がるラスサビ前の畳み掛けとブレイクは、ラストスペルの溜めと同じ緊張感を感じられ、直後に画面の弾幕密度にも似た密度を持った、音の暴力が襲ってくる。

 

 曲の終わり方も秀逸で、ラストスペルクリア後の解放感とエンディングへの移行の唐突さを思い出す。終わってみれば短い時間だが、中身の重い点も東方原作をプレイしたあとのような気分で心地いい。

 聴いているだけで地霊殿6面を3分半で追体験できるとっても疲れる曲だ。

 

 それにしてもこのCDカバーイラストとタイトル、どう見てもやっつけ仕事だ。CDに星をプリントすれば再生時に回るから「ROLLING★STAR」だ!ということになったらしい。このバンドはおかしい。

 この文章を書いている間、ずっと聴いていたら更に15回ほどリピート再生していたようだ。しばらくの間、ライブラリ内の再生回数1位は変わりそうにない。

 

【作品情報】

アルバム名:ROLLING★STAR
  https://kisidakyoudan.com/portfolio/rolling-star/

サークル名:岸田教団&THE明星ロケッツ
  https://kisidakyoudan.com/

サークルYoutubeチャンネル:
  https://www.youtube.com/kisidakyoudan

サークルtwitter:
岸田教団&THE明星ロケッツ 広報部 @kisida_info
岸田 @kisida67
hayapi @hayapi_san_V3
みっちゃん @MI_CYAN_GOGO
ichigo @ichiRingo
T-tsu @t_tsu8

委託、配信先情報

ショップ委託:
  【メロンブックス】

ダウンロード配信:
  【iTunes】
  【GooglePlayMusic】
  【Booth】

 

 

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