ゲーム評
2020/01/29
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東方二次創作ゲームレビュー#04 主人の宝塔を取り戻せ!痛快ナズーリン無双アクションシューティング「ナズーリングラード」

アンタマニドのゲームレビュー

 皆さん、こんにちは! このコーナーでは同人ゲームばっかりプレイしている筆者が、数ある「東方の二次創作ゲーム」の中から、特にオススメする選りすぐりの一作をご案内させて頂きます。

 第4回で紹介するのは、なんとあの老舗東方アレンジサークルが開発した同人ゲーム! 名義も新たに始動した「dBu music Games Act」が満を持して届ける、今年にピッタリの”チュー”目作、その名も『ナズーリングラード』です!

 

 

リアルさよりも爽快感重視、ナズーリンの魔界冒険活劇アクション!

 『ナズーリングラード』というタイトルで一目瞭然ですが、本作はナズーリンが主役のゲームです。ナズーリンと言えばネズミの妖怪、ネズミと言えば……そう、今年の干支ですね! そんなネズミ年にふさわしい本作品は、先月行われたコミックマーケット97で完成版がリリースされたばかりの最新作です!

 物語は、ナズーリンが主人である「寅丸 星」に呼び止められるところからスタートします。聞けば、大事な宝塔を”また”失くしてしまったとのこと。いつもの如くの展開で、さすがのナズーリンもウンザリ気味……ですが、なんやかんや言いつつも仕方なく宝塔探しを引き受けます。

 宝塔を気配を追って辿り着いたのは、幻想郷とは異なる世界──「魔界」。そこで待ち受けていたのは、百をゆうに超える大量の数の魔界生物たち。突然の侵入者であるナズーリンを撃退すべく、問答無用で攻撃を仕掛けてきます。

 果たしてナズーリンは、この危機を無事に切り抜け、ご主人様の宝塔を見つける事ができるのでしょうか……?

 

 本作は、後方からの三人称視点でナズーリンを操作する3Dアクションシューティングです。大きく仕切られた箱庭状のステージの中で、ナズーリンの前後左右、ありとあらゆるところから敵がどんどん湧き出てきます。この空間内を自由に動き回り、次々と現れる敵を片っぱしから倒していくのがゲームの目的となっています。

 

 敵は放っておくと本当に際限なく増えていっちゃいます。そして、そのすべてがナズーリン目がけて突進を仕掛けてきたり、弾幕を放って来ますので、一時たりとも休んでいる暇はありません。とにかく動き回って、敵の攻撃を受けないようにしましょう。

 幸い、ナズーリンは逃げ足の速さには自信があります。弾幕を撃つ敵に対して垂直の方向に動くだけでも、まず被弾することはありません。迫ってくる敵のスピードもそこまで速くはないので、自分から近づかない限りは決して追いつかれることは無いでしょう。

 それに、たとえ小さくてもナズーリンもいっぱしの妖怪、魔界生物に対抗しうる力は充分持ち合わせています。その攻撃方法は、見た目に反してとっても苛烈──!

 メインの攻撃手段となるショットは、自動照準で素早くターゲットを射抜き、さながらマシンガンのように激しい弾幕を相手に浴びせます。並の敵であれば、集中的に撃ち込むだけで見る見る体力ゲージが溶けていく! ターゲットを倒せば瞬時に次の狙いへと切り替わるので、基本的には撃ちっぱなしで動き回るだけでも、サクサク敵の数が減っていくぐらい強力です!

 また、動きが鈍くて硬そうな相手には、ショットではダメージが通りにくい場合もあります。そんなときは、近接攻撃で打撃を直接浴びせるのが効果的。素早い動きから繰り出される怒涛の連続コンボで、一気に畳み掛けましょう!

 ナンと言っても本作は、この「強力なショット」と「カッコいい近接攻撃」がとにかく気持ちいい! そう、気持ちいいんです!

 3Dゲームのアクション要素は、リアルな動きに近づけるとどうしてももっさりとしがちで、しばしば爽快感を損なうことがあります。しかしナズーリングラードは、対応するボタンを押せば出したいアクションがすぐさま発動し、殆ど隙がありません。だから、動かしていて全然ストレスを感じないんです。

 この「爽快感重視のアクション性」こそ、ナズーリングラードが魅せる面白さの秘訣と言えます。気持ちよくザコをバシバシ叩いて、最ッ高のスタイリッシュアクションを心ゆくまで堪能しちゃいましょう!

 

見上げる程の巨大なボスには、知恵と勇気で立ち向かおう!

 ザコとの戦いから一定時間が経過すると、突然画面上に危険を知らせるアラート表示が。ここから先に待ち受けるのは、本作品にとっての大きな見せ場、超巨大ボスとの真剣バトルです!

 特大サイズのボルボックスや、恐ろしい風貌のがしゃどくろ、そしてモンゴリアンデスワーム……いずれも、小さなナズーリンが立ち向かうには、あまりにも巨大すぎるモンスターばかり! 楽勝ムードだった前半戦から一転、ここからはしっかりと気を引き締めて挑まなければなりません。何せ、相手は自分よりも数倍大きい身体の持ち主。これまでのザコとは比べものにならない程の耐久力を持っていますし、その巨体から繰り出される強大な一撃は、まともに受ければ大ダメージは免れません。

 

 ここでも、持ち前のすばしっこさが非常に心強い武器となります。あらゆる行動からキャンセル可能な回避アクションは、モーション中は完全に無敵状態。また、すさまじいスピードで駆け抜けるダッシュ移動を使えば、通常移動では避け切れないボスの攻撃も余裕で振り切れちゃいます! ただし、どちらの行動も一定量のスタミナを消費しますので、肝心なときにスタミナゲージが切れていて使えない……なんて事が無いようご注意を。

 

 もちろん、逃げてばっかりでは勝利を掴むことはできません。どれほど強大な相手でも、必ずどこかに隙があります。相手の攻撃パターンをしっかりと見極めて、攻撃のチャンスを作ることが大切。時には、思い切って相手のふところに飛び込む勇気も必要です!

 ボスは与えたダメージ量に応じて、攻撃パターンが何度も変化していきます。そのつど新しいパターンを見極め、対応していくのはなかなか大変なことですが、それを模索していくのもまたボスバトルの醍醐味。一瞬でHPゲージが全快する「回復チーズ」を活用したり、何度もリトライを繰り返しながら、諦めずに打開策を探してみて下さい。その道の果てに掴んだ勝利には、きっと格別な達成感を味わえるハズですよ!

 

 大量の魔界生物を蹴散らし、数々のボスとの激闘を制してエンディングまで辿り着いた暁には、タイトルメニューに「TROPHY」の項目が追加、実績解放のチャレンジができるようになります。実績の内容は、ノーリトライや回復チーズ未使用でクリア、全てのステージで敵を全滅させる等、なかなかに歯応えのあるものばかり。腕に自信のある方はゼヒ挑戦してみて下さい!

 

“原作”との類似点から見る、ナズーリングラードのスゴさの秘密!

 ところで、本作「ナズーリングラード」には、原作である東方のシューティングゲームとよく似た点が多く見られます。2Dの原作と、3Dのナズーリングラード──平面と立体という見せ方の違いはありますが、どちらも「区切られた空間の中で弾を避けながら敵を倒す」という点では同じです。敵をどんどん蹴散らしていく道中の爽快感や、相手の激しい弾幕に対応すべく試行錯誤するボス戦も、両者に共通するシューティングゲーム由来の面白さと言えるでしょう。

 また、本作はリトライを使わずにクリアーできるようになると、だいたい3〜40分ぐらいでエンディングまで辿り着けるようになります。このプレイ時間もまた、ほぼほぼ原作と同じぐらいの感覚。慣れてくると、本当に原作シューティングをプレイするような気持ちで遊べるようになります。

 

 

 サウンドに特別力が籠っているという点もまた、原作とよく似たところです。

 もともと音楽サークルとして長く活動していた経験を活かして、ゲーム内のサウンドも全て制作者であるどぶウサギさん本人が手掛けています。各ステージの雰囲気に合わせて作曲された道中・ボスバトルBGMは、いずれも聴きごたえ抜群の激アツ東方アレンジばかり。全17曲にものぼる渾身のゲーム内サウンドの数々は、クリア後に開放されるMUSIC ROOMで好きなだけ堪能できちゃいますよ!

 しかもプログラムやサウンドのみならず、ゲームデザインからキャラクターイラスト、3Dモデルの作成、そして効果音作りに至るまで、ゲームに必要なモノはほぼ全部どぶウサギさん一人で作っていると言うのですから、本当に驚きです! 原作の東方Project自体がそういうモノなのでついつい錯覚してしまいがちですが、何から何まで一人で作っちゃうというのは、ゲーム制作という観点で見れば実は物凄いことなんです……!

 

 「オリジナル作品とその二次創作」という決定的な違いはあれど、ゲームの面白さからゲーム制作の裏側に至るまで、本当に原作とよく似た側面を持つ『ナズーリングラード』。プレイすればきっと「原作シューティングを初めてプレイした時の感動」が蘇ってくるかもしれませんね!

 

 

作品情報

「Nazringrad ナズーリングラード」

【サークル】
dBu Music Games Act
http://www.dobuusagi.com/

【ゲーム公式サイト】
http://www.dobuusagi.com/games/Nazringrad/

【作者twitter】
https://twitter.com/dobuusagi

 

【委託・頒布情報】

Disc版
  メロンブックス

  とらのあな

  あきばおーこく

ダウンロード版

  Booth