東方我楽多叢誌(とうほうがらくたそうし)は、世界有数の「同人」たちがあふれる東方Projectについて発信するメディアです。原作者であるZUNさんをはじめとした、作家たち、作品たち、そしてそれらをとりまく文化の姿そのものを取り上げ、世界に向けて誇らしく発信することで、東方Projectのみならず「同人文化」そのものをさらに刺激する媒体を目指し、創刊いたします。

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リポート
2024/11/30

博麗神社うた祭 in 台湾 ライブレポート【後半戦】

博麗神社うた祭 in 台湾 ライブレポート

みんなで歌える、みんなで通じ会える東方―森羅万象

 4サークル目の森羅万象がアナウンスされ、Vo.あよ、Vo.あやぽんず*、Key.kaztoraがステージに入ると会場の声は一際大きくなった。ここ台湾でも森羅万象の人気は一入だ。

「三妖精SAY YA!!!」でのっけからエンジン全開でスタート。フロアも思い思いのサイリウムを振り、「一つ!二つ!三つ!」とシンガロングで波に乗る。「無意識レクイエム」から「有頂天ドリーマーズ」へのスペシャルメドレーでさらに会場を森羅万象カラーにした

 Vo.あやぽんず*の「楽しいー?!」という呼びかけには、フロア全体が目一杯の声で「楽しいー!!」と応える。「あまりにも言葉が通じ過ぎている」と驚くVo.あやぽんず*。フロアは「通じるよー!」とさらにアピール。ほんとうにびっくりするくらい日本語が通じるのだ。

 続いての曲は、今年の春にリリースされた新曲「ハートインワンダーランド」。不思議の国のアリスがモチーフになっているさとこい曲だ。Vo.あよ、Vo.あやぽんず*のデュエットが危うい恋心を紡いでいく。

 曲が終わると、スペシャルゲストのちょこふぁん・すばるが登場。森羅万象とちょこふぁんのコラボ楽曲「東方言えるかな」が披露される。この曲は、東方Projectのキャラクターを紅魔郷から順番に歌っていくというもの。フロアのみんなも一緒になって大好きなキャラクターの名前を呼んでいく。推しキャラの名前を叫ぶときは思わず力が入ってしまうのも御愛嬌だ。「東方、東方言えるかな」とシンガロングもバッチリにこなし、フロアとステージが一つになり、出番を終えたのであった。

 

変わってしまった世界に「RAVE AGAIN」―A-One

 幕間では、アタック映像が流れライブの熱を冷まさない。1サークル目の登場の時から流れているアタック映像、神々が恋した幻想郷のノリの良いアップテンポなユーロビートアレンジが印象的だ。

次のサークルはA-One。このアタック映像曲のアレンジも勤めている。

 入場のPVに合わせて、Vo.aki、Vo.Rute、DJ.ELEMENTASがステージイン。フロアはクラップでA-Oneのメンバーを歓迎する。「Drive Your Fire」ではVo.aki、Vo.Ruteがフロアを扇動し空気を作り、サビではタオルを回し熱気を上げていく。

「Idoratrize World」では台湾のファンの力強さが印象的だった。

 前回の台湾うた祭から今日までの間で、世界は大きく変わってしまった。世界的な感染症の流行でライブイベントや即売会などは大きく制限を受けることとなったのだ。事実、前回の台湾うた祭から今日までは、5年もの年月を要している。

 5年の間、みんなは努力をやめなかった。またライブが当たり前にできる日まで、ひたむきに邁進し続けた。そして、またライブができる世界になって、今日このライブがある。

 曲中では、この日を祝福するように「RAVE AGAIN」と繰り返し謳われる。そう、また音楽は鳴り始めたのだ。

 しかし、このフロアのみんなは現状に満足しない。ここ台湾という国は様々な危機と隣り合わせだ。まだまだ、世界は変える必要があると、ここに居るみんなは信じているようだ。その想いが、信念が突き出す拳に込められている。

 MCでは台湾のファンへの感謝を伝え、次の曲では嬉しいサプライズ。スペシャルゲストVo.HIKOが呼び込まれる!Vo.HIKOは台湾を中心に活躍するコスプレイヤー。まさに台湾でのライブならではのゲストだろう。コスプレイヤーらしく、代表曲である「U.N. Owen Was Her? feat. HIKO」のMVに描かれるフランドール・スカーレットを完全再現した衣装で登場だ。そのまま同曲を披露すると、「Septette fro the Dead Princess feat. HIKO」へと姉妹の曲を途切れなく繋いでいく。

 最後の曲はVo.aki、Vo.Rute、Vo.HIKOが集合。お約束の「えーっ!いま来たばっかり!!」のコールアンドレスポンスを行い、満を持しての「Scream out!」。会場中がタオルを回し、Scream!!し、ターンを終えた。

 

きっとこれからも東方を愛し続けるみんなの想いが、うた祭を繋ぎ続けていく――Alstroemeria Records

 最後のサークルとなったのはAlstroemeria Records。ターンテーブルにはMasayoshi Minoshimaが板付きでスタンバイ。「SACRIFICE」が始まるとともにVo.ayameがステージイン。温まりきったフロアをさらにMasayoshi Minoshimaとayameが攻め立てる。ブレイクではフロア中がタオルと頭を回しハチャメチャな熱量を発散させた。

「lumiere ambree」から「Ingress」と最強クラブセットが続き、「INTERMINATE」では豪徳寺ミケのテーマらしく、「にゃん、にゃん」と可愛くシンガロング。Vo.ayame、DJ.Masayoshi Minoshimaの二人も猫のパネルを両手に掲げ、可愛く加勢するが、裏で流れるえげつないドロップとのギャップが愛らしい。

 曲が終わり、次の曲のイントロが流れ、Vo.nomicoがステージイン。続く曲はなんと「END OF DAYLIGHT」!2009年にリリースされ、実に15年以上前の曲だ。この曲と言えばサビのフレーズが印象的。「ぴーひゃらら ぴーひゃらら」と全員で大合唱し、会場を一つにした。

 そして、曲終盤付近から顔をのぞかせる、あのキック。誰もが知るあのイントロ。

 Alstroemeria Records、そして博麗神社うた祭 in 台湾のラストを飾るのは「Bad Apple!! feat. nomico」。本日はプロジェクトセカイとのコラボレーションバージョンである「Bad Apple!! feat. nomico x SEKAI」でのお届けだ。

 お待ちかねと言わんばかりにフロアは、持っている気持ちを全部を出して声を上げる。そんなフロアの様子見てMasayoshi Minoshimaはシンガロングの際に、曲のボリュームを完全に止めて挑発する。当然、フロアが声を出さなければ曲が破綻してしまうが、心配はいらないようだった。フロアは当たり前のようにぴったり息を合わせシンガロングし、完璧にMasayoshi Minoshimaの期待に応えたのだった。それは台湾でのうた祭がなかった5年間、東方アレンジを愛し続けた台湾のファンの気持ちの大きさだった。

 

 この5年間は台湾の東方ファンにとって、疫病、自然災害、社会情勢など本当に試練の連続であった。今日、うた祭が台湾で開催されているのは、そんな中でも東方を、東方アレンジを愛し続けた台湾の東方ファンによる一つの奇跡と言っていいだろう。

 最後のMCでは博麗神社例大祭社務所代表の北条氏がステージへ。「次回もぜひ!」と次なる開催の意欲を示して、本日のライブの幕を閉じたのであった。

 きっとこれからも東方を愛し続けるみんなの想いが、うた祭を繋ぎ続けていく。そう確信したライブだった。

 

今週末は、日本で「博麗神社うた祭」!

博麗神社うた祭 2024 in 東京

開催概要
日時:2024年12月1日(日) OPEN 14:30 / START 15:00 / END 19:45(予定)

会場:川崎CLUB CITTA’ 

主催:博麗神社社務所

※ 本公演は、全席指定席となりますが公演中、座席から立ってご覧になることも可能です。
※ オンラインでのライブ配信の予定はございません。

出演アーティスト:

A-One

岸田教団&THE明星ロケッツ

石鹸屋

魂音泉

まらしぃ

minimum electric design

現在発売中のチケット

・一般 ¥5,500(ドリンク代・手数料別)

・学割(高校生以下) ¥3,300(ドリンク代・手数料別)

【チケット購入ページはこちら(イープラス)】

博麗神社うた祭 in 台湾 ライブレポート【後半戦】 おわり