東方我楽多叢誌(とうほうがらくたそうし)は、世界有数の「同人」たちがあふれる東方Projectについて発信するメディアです。原作者であるZUNさんをはじめとした、作家たち、作品たち、そしてそれらをとりまく文化の姿そのものを取り上げ、世界に向けて誇らしく発信することで、東方Projectのみならず「同人文化」そのものをさらに刺激する媒体を目指し、創刊いたします。

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リポート
2024/11/29

博麗神社うた祭 in 台湾 ライブレポート【前半戦】

博麗神社うた祭 in 台湾 ライブレポート

9月13日、台北市内にあるライブハウス「角落文創展演中心CORNER HOUSE には長蛇の列ができていた。その列を捌くのはスタッフTシャツを着た社務所スタッフや現地スタッフたち。

今日は「博麗神社うた祭 in 台湾」。事前の情報でチケットはソールドアウト。会場はファンで埋め尽くされていた。

それにしても、ものすごい活気だ。それもそのはず、元々は「博麗神社例大祭 in 台湾」などに合わせる形で定期的に開催されていた「うた祭 in 台湾」だが、2019年の開催を最後に、COVID-19の影響もあり開催が途絶えていた。今回の開催は実に5年ぶり。まさに台湾の東方アレンジファンがずっと待ち望んでいた。

開演直前のタイミングで司会のjayが登場。博麗神社社務所のYoutubeチャンネルを見ている人にはおなじみだろう。ライブに向けての簡単な諸注意がアナウンスされる。日本語が通じているようで、フロアからしっかりした反応がある。

そしてサプライズゲストが紹介される。上海アリス幻樂団の神主ZUNさんだ!! スペシャルすぎるゲストの登場に会場は一気にヒートアップ。ZUNさんの挨拶も日本語だが、ほとんど通じている様子。

さあ、ライブの準備は万端。うた祭おなじみの合言葉「繋ぐ、繋がる、東方」をみんなで叫び、特別な一夜が幕を開けた。

メタルの魂は全世界共通―IRON ATTACK!

トップバッターはIRON ATTACK!だ。活動範囲がグローバルなIRON ATTACK!だが、ここ台湾にも大勢のファンがいる。フロアにもメロイックサインを掲げるファンの姿が。メタルの魂は全世界共通なのだ。

『Fortuna Edge』からライブはスタート。2024年の春にリリースされた同名のアルバムからの1曲で、Vo.SohとVo.まいなすいょんのデュエットが魅力だ。男女ツインボーカルのパワーでフロアの熱気を作った二人。曲間のMCでは流暢な中国語でフロアを扇動する。さすがIRON ATTACK!、海外でのライブはお手の物ということだろう。

『THUNDER CRACK』から『STAR DUST』と男性ボーカルの定番の2曲を続けて放ち、Vo.まいなすいょん に交代すると続く曲は『~AETERNITAS LUDOLOGY~』!! 濃厚なけねもこ曲、あふれる感情を乗せ謳うVo.まいなすいょん。ここまで全く容赦のないセットリストで、フロアを責め立てる。

そして最後の曲『BURN IN HELL』ではGt.Master-Dragonがシンガロングを要求。フロアはその要求に応え、サビで「BURN IN HELL!!」と声を沸騰させた。

 

5年ぶりの台湾ライブ、言葉の壁を越えたシンガロング―豚乙女

そのままの熱量で、2サークル目、豚乙女の出番へ。

Vo.ランコはチャイナ服をモチーフにした衣装にお団子ツインのヘアスタイル、タッセルと台湾仕様で登場しさっそくフロアを沸かせた。

『幻想のサテライト』、『ソリッド』『響縁』など人気曲をふんだんに盛り込んだ今回のセットリスト。フロアもペンライトの色を自由に変化させ一体感を作っていった。MCでは日本語、中国語を交えてフロアとコミュニケーションをとり、会場を一つにする。

『儚きもの人間』ではVo.ランコの魂がこもる。声が少し掠れるほど、めいっぱいの力を込めて言葉を吐き出す。豚乙女にとっても台湾でのライブは実に5年ぶりとなり、思いが溢れる。そんなVo.ランコの気持ちを受けてフロアからも自然と声があがる。

『待チ人ハ来ズ。』ではおなじみのシンガロングが満載だ。ここまでのライブで台湾のファンが日本語のコール&レスポンスを返していた場面はあった。しかし、しっかりと日本語詞の歌を歌うことを要求するシンガロングはさらに難易度が高くなる。本当にできるか?筆者は少し不安に思っていたが、そんな気持ちは初っ端のAメロからぶち抜かれることになった。「歌ってください」というVo.ランコの言葉を受け、当然のように初めから完璧なシンガロングで合わせるフロア。みんなこの異国の歌を、異国の言葉で歌えるのだ。間奏ではBa.コンプのスラップ奏法に歓声が上がり、落ちサビでは最大級のシンガロングで豚乙女に想いを送るのであった

そんな最大級の想いを受け『囲い無き世は一期の月影』では「台湾の夜には唄謡い~~」と想いに応え、出番を終えた。

”ALL BRILLIANT”を叩き出す、幻想郷最強のピアニスト――まらしぃ

3サークル目はまらしぃ。幕が上がるやいなやフロアから「まらしぃー!!」と大きな声援が聞こえる。

はじまりは「幻想遊戯演奏会2024」から。いつものメロディから演奏はスタートした。

「少女綺想曲 ~ Dream Battle(アレンジ)」で博麗霊夢の雰囲気を会場に作るが、演奏は急に「恋色マスタースパーク(アレンジ)」へと変化した。きっと魔理沙が演奏を横取りして盗んでしまったのだろう。

「うれしいです。超ハッピー!」とうた祭 in 台湾への再びの出演の喜びを語ったまらしぃ。

「亡き王女の為のセプテット(アレンジ)」から「偶像に世界を委ねて(marasy piano ver.)」と演奏は続く。「偶像に世界を委ねて(marasy piano ver.)」は東方ダンマクカグラにも収録されている、氏の演奏曲の中でも一際人気の高い楽曲だ。創造の神たる埴安神袿姫のテーマとして知られるこの曲、どのサークルもアレンジする際には一層の気合が入る。このアレンジも例外ではなく、偉大な一柱の力を示すような演奏にフロアは圧倒されるばかりだ。

そしてまらしぃの代名詞とも言える”ネイティブフェイス”が始まる。まらしぃにとって大切な曲である、ネイティブフェイス。もちろんフロアのファンもそのことをよく知っており、クラップで感情を共にする。そうしてネイティブフェイスの旋律が奏でられていくが、途中、龍王殺しのプリンセスのメロディが飛び出した。そう、これは「ネイティブフェイス(ダンカグ special ver.)」だ!

EXボスラッシュメドレーで会場のボルテージは最高潮に。虹→輝→永→妖→鬼→紺→星→天→神→地→紅と巡り、最後に風神録へと帰り曲を終えるやいなや、会場中から大きな喝采の声が上がった。

そして最後の曲は「Re:Unknown X」。東方ダンマクカグラのラスボスとして創られたこの曲。運営からのクリア不能な挑戦状として叩きつけられたこの曲。ゲーム上での難易度は極上、最高難度LUNATICでの無強化ALL BRILLIANT達成者はたったの2名と突出した難しさを誇る。

当然、そんな曲なのだから、実際に演奏するのも困難なはずである。事実、目まぐるしい連弾に変化するテンポ、とてもヒトが弾けるとは思えない難易度だ。しかしながら、幻想郷最強のピアニストまらしぃは難なくこの曲を弾きこなす。最後の1音を奏で、”ALL BRILLIANT”を獲得すると会場は「bravo!!」の声で声援を送るのだった。

 

今週末は、日本で「博麗神社うた祭」!

博麗神社うた祭 2024 in 東京

開催概要
日時:2024年12月1日(日) OPEN 14:30 / START 15:00 / END 19:45(予定)

会場:川崎CLUB CITTA’ 

主催:博麗神社社務所

※ 本公演は、全席指定席となりますが公演中、座席から立ってご覧になることも可能です。
※ オンラインでのライブ配信の予定はございません。

出演アーティスト:

A-One

岸田教団&THE明星ロケッツ

石鹸屋

魂音泉

まらしぃ

minimum electric design

現在発売中のチケット

・一般 ¥5,500(ドリンク代・手数料別)

・学割(高校生以下) ¥3,300(ドリンク代・手数料別)

【チケット購入ページはこちら(イープラス)】

博麗神社うた祭 in 台湾 ライブレポート【前半戦】 おわり