東方我楽多叢誌(とうほうがらくたそうし)は、世界有数の「同人」たちがあふれる東方Projectについて発信するメディアです。原作者であるZUNさんをはじめとした、作家たち、作品たち、そしてそれらをとりまく文化の姿そのものを取り上げ、世界に向けて誇らしく発信することで、東方Projectのみならず「同人文化」そのものをさらに刺激する媒体を目指し、創刊いたします。

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一撃でフェスと化したCLUB CITTA’。みんなで歌う“““ロクデナシ”””、ここにしかない『Bad Apple!! feat.うた祭』

一撃でフェスと化したCLUB CITTA'。みんなで歌う“““ロクデナシ”””、ここにしかない『Bad Apple!! feat.うた祭』

 アタック映像が流れ、次の出番が明かされる。

 トップバッターであるイノライの時から思っていたのだが、アタック映像に使われている「平安のエイリアン」アレンジがゴキゲンすぎて最高だ。正体不明の怪しいメロディラインに幻想郷一治安の悪いガバキックが重なりライブ直前の高揚感を刺激する。

 聞けばこの曲を作ったのは次の出番のサークルらしい。ああ、やっぱり。こんなにも治安が悪くて最高な曲を作れるのは、このサークルしかいない。

 世界のMasayoshi Minoshima率いる、Alstromeria Recordsの出番だ。

 

文:えふび~
撮影:るぅく

世界のMinoshimaまでも歌いだした、ここだけの『Bad Apple!! feat.うた祭』

『POP|CULTURE2』が会場に響き、ステージが始まる。ステージ中央後方のDJブースには世界のMinoshimaがスタンバイ。

 博麗霊夢(ボーカル ayame)、魂魄妖夢(ダンサー KI紗)、霧雨魔理沙(ダンサー miho**)と、幻想少女たちが続々とステージに上り、各テーマカラーの光を放つライトセーバーを使ったダンスで会場を魅了する。

 続けて「クラブではこれが当然なのよ?」とばかりに、曲のボーカルチョップに合わせて少女たちがクラップを煽ると、フロアのみんなもつられてクラップ。ある人は慣れた手付きで、ある人は戸惑いながら。音楽イベントへの参加経験も様々なフロアが、クラップで一体となっていく。

 そうしてクラップの音が揃い、クラブの妖しい雰囲気が会場中を包んだ頃、カタルシスは最高潮に。

 そのカタルシスを開放するように、ボーカルのmikiccoが登場し『RED Eyes Rabbit』が始まった。

 ステージには魔理沙と妖夢、そしてその間で歌うVo.mikicco。あまりにも幻想的な光景に自分が幻覚を見ているのかと思った。

 なんなら、mikiccoも”何か”を着ている。なんだあれ? グレーのタオル地で、所謂着ぐるみパジャマみたいな……後のMCで発覚するが、どうやら雑なナズーリン、雑ーリンの衣装らしい。雑ーリン? やっぱり幻覚を見ているに違いない。

 しかしながらパフォーマンスは確かだ。mikiccoの歌声がフロアの熱をどんどん上昇させる。その熱を見逃さないmikiccoは、フロアにハンズアップを要求。過熱されたフロアは、ホーンの音に合わせてハンズアップする。

 そして、その熱そのままに『REDDBIRTH』がスタート。この夏リリースされた Alstroemeria Recordsと魂音泉のコラボ曲だ。

 ステージにはスペシャルゲスト、魂音泉K’sがステージに上がり、Masayoshi MinoshimaとDJとして共演する。夢の共演に、フロアも応えるようにダンスが加速。爆踊りの状態になると、そこはまるでEDMのフェス会場と化した。

曲の間にはゆるいMC。キレッキレのクラブサウンドの合間にやってくるふわふわのトークも、 Alstroemeria Recordsによるライブアクトの醍醐味(?)だ

 フェス会場を統べるべく、博麗霊夢(Vo.ayame)がステージに降り立つ。

 神々しさと共に『Reassemblage』が始まると、霊夢は「脳みそ揺らせーー!!」と会場を焚きつけた。そんな挑発的な博麗の巫女に負けじと、フロア中が頭を、腕を、ちぎれるまで揺らした。

 限界まで頭を揺らすが、博麗霊夢はご不満のご様子。「踊り足りないよ! 全然、カラダ揺れて無いんじゃない!?」とお祓い棒をふりふりして、フロアに限界を突破するように要求。

 限界を突破したところで『ARROW RAIN』がブチ込まれる。妖夢、魔理沙も登場しフルメンバーとなった。

 冒頭からクラップの嵐が巻き起こり、すでにフロアの熱気は臨界を突破している。みな思い思いに踊り、声を出す。極上のクラブ・ミュージックが作り出す、どこまでも自由な幻想郷フロアがそこにあった。そして、いよいよ訪れたドロップでは、会場はもうハチャメチャに。

 そして間髪入れず『SACRIFICE』が投下。どうやら『ARROW RAIN』で燃え尽きた僕らをリザレクションさせ、永遠に踊らせ続ける気のようだ。

 霊夢は「あたま~さげて♡回せ!」と最後まで僕らを翻弄する。

感極まって(?)DJブースの上におもむろに立つMasayoshi Minoshima。その立ち姿はまるでMichael Jacksonの“伝説の二分間”のようだ。世界のMinoshimaがこんなに“エモく”なっているのを見れて、ぼくらがうれしくない訳がない。

 Alstromeria Recordsのターン最後の曲は『Bad Apple!! feat.nomico』。

 この曲のボーカルを務めているnomicoは本来うた祭りに参加する予定であった。しかしながら、咽頭炎により無念のドクターストップとなってしまった。世界のMinoshima曰く「この曲はnomico以外が歌うように作られていない。」らしく、代わりのボーカルを立てることはできない。

 では、一体どうすればいいか。アルレコ全員で辿り着いた答えが、「会場のみんなに歌ってもらう」だった。

 本当にフロアは歌ってくれるだろうか。

 Playボタンが押され、曲がスタートする。心配はなんのその、フロアはのっけから歌い、曲を支えていく。

 Masayoshi Minoshimaは、曲を時々ミュートにする。もし会場が歌わなければ、曲が崩壊してしまう。そんな状況で、フロアを試しているのかもしれない。

 もちろん、今日のフロアはその期待に完璧に応えた。そんなフロアの想いに呼応し、世界のMinoshimaまでも歌いだす。文字通り会場の全員が歌い、Bad Apple!!を形作っていく。

曲の終盤、

私のことを 言いたいならば 言葉にするのなら

 ここでMasayoshi Minoshimaは曲のボリュームをミュートする。次に来るフレーズを、みんなの声で聞くために。

“““ロクデナシ”””

 クラブチッタに響き渡るロクデナシ。

 曲の盛り上がりは最高潮となり、会場の心と声を一つにしたところで、Alstromeria Recordsのターンを終えた。

 

セットリスト

1.POP|CULTURE2
2.mikicco / RED Eyes Rabbit
3.mikicco / REDDBIRTH
4.ayame / Reassemblage
5.ayame / ARROW RAIN
6.ayame / SACRIFICE
7.Bad Apple!! feat.nomico

一撃でフェスと化したCLUB CITTA’。みんなで歌う“““ロクデナシ”””、ここにしかない『Bad Apple!! feat.うた祭』 おわり