十年経ってまた来たよ『東方紅楼夢19.5 遠野物語/夢の世紀 魅知の旅 再訪』イベントレポート
『東方紅楼夢19.5 遠野物語/夢の世紀 魅知の旅 再訪』イベントレポート
こんにちは。ライターの紡です。この記事は、2024年6月1日に開催された『東方紅楼夢19.5 遠野物語/夢の世紀 魅知の旅 再訪』のイベントレポートです。
2024年6月1日。岩手県の内陸に位置する遠野市にて、同人誌即売会『東方紅楼夢19.5 遠野物語/夢の世紀 魅知の旅 再訪』が開催されました。
関西の東方Projectオンリー即売会『東方紅楼夢』20周年を記念して開催された『東方紅楼夢19.5 遠野物語/夢の世紀 魅知の旅 再訪』は、なんと10年ぶりにして2回目の開催となるイベントです。つまり前回は2014年、当時は紅楼夢10周年記念として開かれました。10年越しに遠野で開かれたイベントの様子をお伝えします。
文・写真/紡
遠野と東方の繋がり
東方Projectには日本の民話や伝承に基づいた設定がいくつも存在しますが、その中でも遠野には数多くの元ネタがあるとされています。いくつか並べてみましょう。
・橙が住んでいる「迷い家」は遠野地方に伝わる伝承に由来
・東方妖々夢2面道中の曲名は「遠野幻想物語」
・河城にとりの種族・河童については、カッパ淵が有名
・アルバム『蓮台野夜行』収録曲の「夜のデンデラ野を逝く」に登場するデンデラ野は遠野に存在する地名
思いついただけでも、これだけの元ネタが出てきます。民俗学者・柳田國男が記した『遠野物語』に代表されるように、遠野は民話・伝承・妖怪といった要素が豊富な土地です。
そんな遠野で東方の即売会が開催されるのは、ある意味自然なことなのかもしれませんね。
宿泊と交通事情
関東から遠野へ向かう場合、交通ルートは非常にシンプル。東北新幹線で新花巻へ向かい、釜石線に乗り換えるだけです。移動時間は東京から新花巻が約3時間、新花巻から遠野が約1時間ほどとなります。釜石線の本数は多くないので、そこだけ気をつけましょう。
宿泊については、遠野駅前を中心にホテル、旅館、民宿などがあります。
イベントに合わせるなら会場にもなっているホテル・あえりあ遠野がベストかもしれませんが、今回は民宿を選択。
民宿に泊まる機会もそんなにないですからね。折角だし、ということで。
前日入り
5月31日。イベント前日に遠野入りをするべく出発です。
出発前は余裕があれば観光でも……なんて考えていましたが、結局昼過ぎの出発に。
『東方紅楼夢19.5 遠野物語/夢の世紀 魅知の旅 再訪』は10年ぶりのイベントだとお伝えしましたが、実は私も今回の遠野行きは10年ぶりとなります。前回の開催ではスタッフ参加で車移動、かつ観光の記憶もほとんどないので、ほぼ初来訪みたいなものです。
夕方過ぎに遠野駅に到着。改札を出てみると……
まさかのイベントポスター。え?今回こんなに気合い入ってるの?
予想以上の歓迎ムードを感じつつ、本日の宿泊先である民宿「古軒」へ。
これは優勝です。民宿の空気を堪能しつつ、翌日のイベントを迎えます。
イベント当日
というわけで6月1日、イベント当日です。前日夜は大雨でしたが、当日は無事快晴となりました。
会場へ向かうその前に、まずは遠野駅前の観光案内所「旅の蔵遠野」へ。
建物内にはイベントのポスターや今回のために作成された観光冊子が置かれていました。駅前のポスターもそうですが、ここまでPRされているのは正直驚きです。
案内所を後にして会場へ。今回は知り合いのサークルに委託での参加です。
会場となる「あえりあ遠野」はホテルとなっており、ホテル内のホールを会場として使用しています。
会場がホテルだけあって内装がすごい。こんな煌びやかな空間で即売会していいんですか。
10年ぶりの開催は盛況のまま、無事に閉会を迎えました。
遠野観光
イベントから一晩明けて日曜日。翌日も遠野に滞在しているということは、そう、観光です。
昨日に続いて観光案内所「旅の蔵遠野」へ向かい、レンタサイクルを借りて出発。観光できる時間はおおよそ7時間前後なのでサクサクいきましょう。
まず向かったのは卯子酉神社。いくつもの赤い布が結ばれている境内は迫力があります。
赤い布は利き手ではない手で願い事を書き、利き手ではない片手のみで結ぶと願いが叶うそうです。まあまあ難易度高いですね。
次は遠野市立博物館へ。
遠野の歴史や伝承についての解説など、見所も多く長時間滞在できるスポットです。
遠野物語の展示など、民俗学好きにはたまらない博物館ですね。
ここから市街地を離れていきます。
釜石線沿いの道を進んだ先、田畑の中に鎮座するのが荒神神社です。
『東方紅楼夢19.5 遠野物語/夢の世紀 魅知の旅 再訪』のカタログイラストにもその姿が描かれています。
荒神神社から北上し、続いてはカッパ淵へ。隣接する伝承園も見て回りました。
さて、いよいよ最後の目的地、デンデラ野です。
この時点で正午は回っており、帰りの距離を考えると時間的にも際どいラインですが、ここまで来たからには最後までいきましょう。
やって来ましたデンデラ野。周囲に何もないとは聞いていましたが、本当に何もありません。当時の住居を再現したレプリカを除けば、後は見渡す限りの草原です。
秘封倶楽部のふたりが実際にこのデンデラ野を訪れたのかは定かではありませんが、だとしたら行動力の化身すぎます。しかも深夜て。
このままゆっくりとデンデラ野周辺を散策といきたいところですが、タイムリミットが迫ってきます。後ろ髪を引かれつつも遠野駅へ戻り、そのまま遠野を発ちました。
以上、2泊3日の遠野滞在でした。振り返ると最終日は弾丸ツアーでしたね。市街地から外へ向かうならレンタカー推奨です。これだけは間違いなく断言できます。カッパ淵までなら体力次第で有りかもしれません。
まとめ
東方紅楼夢の周年記念イベントという特殊な立ち位置で開催された『東方紅楼夢19.5 遠野物語/夢の世紀 魅知の旅 再訪』。
遠野は即売会の開催地に向いているとは言い難い地域ですが、それでも東方と縁の深い遠野で開かれたイベントに多くの参加者が訪れたことに東方の熱気が垣間見えました。
もし10年後にもう一度があるなら、また遠野に訪れたいですね。もちろん観光地としてもおすすめなので、イベントに限らず旅行先として訪れても楽しめます。
※イベントレポートは以上となりますが、東方紅楼夢実行委員会、そして遠野市観光協会へのショートインタビューを後日掲載します。
十年経ってまた来たよ『東方紅楼夢19.5 遠野物語/夢の世紀 魅知の旅 再訪』イベントレポート おわり