東方我楽多叢誌(とうほうがらくたそうし)は、世界有数の「同人」たちがあふれる東方Projectについて発信するメディアです。原作者であるZUNさんをはじめとした、作家たち、作品たち、そしてそれらをとりまく文化の姿そのものを取り上げ、世界に向けて誇らしく発信することで、東方Projectのみならず「同人文化」そのものをさらに刺激する媒体を目指し、創刊いたします。

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リポート
2022/05/03

「ナイフのことが、ますます、大好きになる。」ナイフ-Knife- 4th ONEMAN 『12月30日18時台のカウントダウン年越しLIVE』ライブレポート

ナイフ-Knife- 4th ONEMAN 『12月30日18時台のカウントダウン年越しLIVE』ライブレポート

 開演前の池袋Live House monoのフロアには、整列された椅子がずらりと並んでいる。椅子の上には中身いっぱいに詰まった紙袋とペンライト、チョコレートやパンフレットが、こちらもずらりと並んでいる。改めて写真で見ても、なんとも異様な光景だ。これからライブが始まるフロアとは思えないくらい情報量が多い。

 今日のライブは「Present完成予定記念 ナイフ-Knife- Present 4th ONEMAN 2021-2022 ~12月30日18時台のカウントダウン年越しLIVE~ プレゼントも君の言葉もすごく嬉しかったのに」

 椅子の上に置かれているのは、ナイフからのプレゼントということだ。ライブタイトル通りの粋な計らいは、なんともナイフらしい。

 今日のライブは感染症対策のため、入場者数が抑えられている。ゆったりと配置された椅子はおよそ40席程度。

 チケットは発売されて一週間で完売となった。しかし、時制柄もありキャンセルもいくつか発生してしまった。そのたびに、サークル主のワニさんはTwitterでこまめにアナウンスをしていた。なるべくたくさんの人に観てもらえるように、チケットがほしい人に届くように。

 そんな優しさがあふれるサークル、「ナイフ」のワンマンライブがいよいよ始まる。会場は待ちきれないファンの思いでいっぱいになっていた。

文:えふび~
撮影:羽柴実里

 

かっこよくて可愛いのは反則でしょ。

Vo.コアラのアナウンスで開演が告げられると、フロアがクラップでナイフの二人を呼び込む。ステージ下手にBa.ワニさん、ステージ中央にVo.コアラがスタンバイ。ナイフおきまりのスタイルだ。

 『テレパシー』で、ゆっくり、優しくライブが始まると、フロアはプレゼントのペンライトの明かりを灯す。ふわっとした光が一斉に会場を満たし、優しい空間を作り上げた。

 ハードロックナンバーである『SIN』へと続くと、Ba.ワニさんのベースソロでフロアの熱を高めていく。その熱を冷まさぬべく『did』がプレイ。ダンサブルなロックにつられ、フロアも体を揺らし踊り始めたようだ。

 『BLACK HALL』でさらにアップテンポにアゲていくと、フロアはクラップでその熱に応える。ここまで演奏されてきた曲は、ナイフの曲ももちろんだが、ワニさんがこれまで姉妹サークル(monochrome-coat、サリー、AdamKadmon)でアレンジしてきた曲たちも含まれている。まさに、ワニさんの歴史を辿るようなセットリストと言えるだろう。

 MCを挟むと、ここからはスペシャルなコーナーが続く。まずは、Vo.コアラも好きだというアニメ、呪術廻戦のOPとしておなじみの『廻廻奇譚』のカバー。こういった普段は聴けないカバー曲もワンマンライブの醍醐味だ。

 スペシャルな時間はまだまだ終わらない。Vo.コアラがステージからアウトし、Ba.ワニさんのソロステージが始まった。魔術師メリーのアレンジに、グルーヴィーなベースサウンドが強く主張する。ラブリーでキュートなMCと、クールでヘヴィな演奏のギャップに、私を始めとした会場のみんながメロメロになっていた。かっこよくて可愛いのは反則でしょ。

 

素敵なライブは時空を超えることができるのだ

 ワニさんのソロの次はVo.コアラのソロパートがスタートする。『Teleparty orchestra mix』はしっとりとしたバラード調の曲。Vo.コアラのノビのある優しい歌声がライブでヒートアップしたフロアを癒やしていく。

 フロアも和やかになったところでライブはまだまだ続く。Vo.コアラ「もう少しでお正月になるので、お正月っぽい曲をカバーしてきました」と語って始まった曲はそのものズバリ『お正月』。瀧 廉太郎作曲の唱歌がフロアの手拍子にノッて歌われる。めちゃくちゃシュールな光景だが、フロアもナイフも最高に楽しんでいた。これがライブ感ってやつだ。

 ライブ感そのまま『Line』がプレイ。前回のワンマンライブ以来の演奏となる。

 このままライブは加速していくかと思いきや、Ba.ワニさんVo.コアラは突然「あれ?!今何時ですか?!もうこんな時間ですよ!」と叫ぶ。ワニさんがステージ上で時計を掲げると、時計は23時59分を指していた!!JST(日本標準時)では18時くらいなはずだが、素敵なライブは時空を超えることができるのだ。

 Vo.コアラ「みなさん一緒に心の中でカウントダウンしましょう!5.4.3.2.1 あけましておめでとうございます!」とカウントダウンすると、会場である池袋Live House monoは無事新年を迎えることができた。

 ステージは凧揚げやしめ縄が飾られ、正月が整っていく。

 

 これを読んでいる人はついて来れてますか?まだまだ衝撃は止まらないですよ。

 

 ナイフからのプレゼントである紙袋にはこれまた、たくさんのプレゼントが入っていた。

 まずは、コアラとネズミの合いの子のぬいぐるみ。この日のために50個購入したらしい。もはや問屋である。続いて、お年玉であるイオンギフト券!?10年ライブに通って、金券をプレゼントしたサークルは初めてである。なんと今日の物販でも使えるらしい。ナイフはイオンであった。

 プレゼントはまだまだある。呪術廻戦のタブレット菓子にはシールが入っており、コアラさん曰く「もし要らないって人は私にください!」とのこと。一気にコンプリートできそうだ。なかなかの策士である。とらコアラがパッケージに書かれた丸餅で正月要素もバッチリ。音楽サークルらしく、CDも入っている。コミックマーケット99で無料頒布される予定の『Present』だ。

 以上がプレゼントの内容だ。あまりにもたくさんのプレゼントはナイフのファンに対する愛の大きさを語っていた。

ナイフからの愛

 愛の大きさ、重さに狼狽する僕であったが、ライブは進んでいく。ナイフの新年一発目の曲は『媚薬』だ。両手を掲げ交互にフリフリするいつもの振り付けをVoコアラがレクチャーする。その手には先程のコアラのぬいぐるみが握られている。つられてフロアのみんなもぬいぐるみを装備。一見シュールな景色だが、Vo.コアラ「(フロアのみんな)かわいい~~!」とご満悦のご様子。

 「次の曲は、明日のc99で発表する新曲『Present』です。2000枚作ったので、無料でいろいろなところで配り続けたいと思います。この大変な情勢下で、CDを出せていない期間も皆さんがBOOTH等を利用してくださっていて、少しでもお礼をしたくて作りました。自分達は、他のサークルさんのように配信等が苦手なので、その代わりに、自分たちにできる何かを考えて、CDをプレゼントすることにしました。」ワニさんがそう語り、『Present』がプレイ。明るい曲調の中と少し悲しい歌詞。まさにナイフらしい曲だ。

 ライブも終盤となり『錠剤』『ナイフ』とナイフの人気曲を続けてプレイ。クライマックスへ加速していく。

 最後の曲は『未来予報』Ba.ワニさんVo.コアラが精一杯の想いを込めて演奏する。途中Vo.コアラは感極まり、涙のあまり声が出なくなってしまっていた。頑張れと声をかけたいが、あいにくフロアのの声出しは禁止されている。この時ばかりは声出し禁止のライブであることを恨めしく思う。

 最後の曲まで終わったが、まだまだライブを終わらせたくないフロアは精一杯の拍手でアンコールを行う。

 アンコールに応えたナイフの二人がステージに再度登場すると、フロアはさらに大きな拍手で二人を迎える。

 アンコールではVo.コアラが魅せた。『I’m proud/華原朋美』では澄んだ声を綺麗に会場に響かせ、前回のワンマンライブ以来の演奏となる『紅/X JAPAN』では、さらにパワーアップした力強さを示した。

 名残惜しくも時間は経ち、ライブも終わりが近づいてきた。『願いごとライナー』では、会場は全部の気持ちを乗せて心の中でラ・ラ・ラとシンガロングする。フロアとステージが一体となり、最後の曲『Story』でナイフの出番を終えたのであった。

ナイフへの愛

 ナイフの出番が終わると、お次はゲスト:はにぽけ(正式名称:はにーぽけっと)のターン。白い衣装で統一されたメンバーがステージインすると、会場が一気に明るくなる。

 まずは『ユメクイ未来』で、幸せな音を会場に溢れさせた。はにーぽけっとは、心が温かくなるような音楽を奏でるサークル。楽しそうに演奏するはにぽけの笑顔がフロアに伝わっていく。

 『Pokerface』のロックサウンドで会場の熱を高め、『感覚的オカルティズム』で更に加速させる。

新曲の『Yum!Yum!Ice cream』では、みんなで振り付けの練習。振り付けはナイフの『媚薬』の振り付けを取り入れていて、ナイフへの愛を感じさせる。

 さらに、MCでは、Key.やしーが、3月に行われたナイフワンマンライブでのワニさんのMCを完コピ。あふれるナイフ愛を魅せつけたところで、情勢下で制限がある中でライブを主催、開催することへの感謝を言葉にする。

 そしてはにぽけ最後の曲は『深愛』。フロアのみんなへ、そしてナイフへ、はにぽけの深愛の気持ちを届け、ステージを後にしたのであった。

 

ますます、ナイフのことが大好きになる

 はにぽけの思いを受けた会場はアンコールのクラップが鳴り止まない。

 再びの登場となったはにぽけが「ほかの人のワンマンでアンコールいただいたのは初めてです。ありがとうございます!」と感謝を表すと、ナイフのVo.コアラをステージに呼び込む。

 

 今日のライブ、最後の曲は『Ready go round』Vo.コアラを迎えて演奏されるスペシャルバージョンだ。

 この曲の原曲は「他愛も無い二人の博物誌」。それは、今回のライブタイトルにもなっているナイフの新曲『Present』と同じ原曲。意図してか、偶然かはわからない。だけど、はにぽけが贈るみんなへの、そしてナイフへのプレゼントとなったことは確かだ。

 ナイフの出番最後のMCでは、特別にVo.コアラのアカペラで『星を廻せ月よりも速く/TUMENECO』が1フレーズだけ歌われた。Vo.コアラが落ち込んでいたとき、優しく励ましたのがTUMENECOのボーカル、yukinaであった。その時の感謝の気持ちと、そして尊敬の意味を込めた一曲だった。その様子を会場に来ていたTUMENECOのリーダーtomoyaとボーカルyukinaが見守る。

 

 ナイフがステージを後にすると、スクリーンが降り、突然映像が流れ始める。そこに映るのは、森羅万象のkaztoraさんあやぽんず*さんあよさんだ。森羅万象とは秘封限定ライブ「あの日見た幻想」等で共演しており親交が深い。

 応援のビデオメッセージは、どうやらナイフ自身にも伝えられておらず、盟友からの嬉しいサプライズとなったようだ。

 ナイフはたくさんの人との繋がりを大切にするサークルだ。

 そんな、人との繋がりを大切にするナイフだからこそ、周りのみんなもナイフのことを大切に思い、ナイフのピンチに駆けつけるのだと思う。そんな暖かい人の繋がりは、ナイフが贈る何よりのプレゼントなんだ、とこのライブを通じて感じた。ますます、ナイフのことが大好きになる。そんなライブであった。

ナイフ-Knife- 4th ONEMAN 『12月30日18時台のカウントダウン年越しLIVE』SET LIST

 

OP SE -DRAMA-

テレパシー

SIN (monochrome-coat cover)

did (サリーcover)

code

BLACK HALL (AdamKadmon cover)

廻廻奇譚 ( Eve様/呪術廻戦 cover)

Bass solo ~魔術師メリー~

Teleparty orchestra mix (コアラソロ)

お正月~もういくつねるとお正月~ Knifeアレンジver.

Line

12月30日18時台の年越しカウントダウン ~プレゼント付き~ 

媚薬

Present

錠剤

ナイフ (サリーcover)

未来予報 (サリーcover)

SE -encore アナウンス-

 

encore

I’m Proud (華原朋美様 cover)

願いごとライナー

星を廻せ月よりも速く/TUMENECO

紅 ( X JAPAN cover)

Story

END SE Teleparty orgel~森羅万象様からお祝いメッセージ動画

「ナイフ-Knife- 5th Anniversary ぼろぼろのワンマン追加公演」のお知らせ

本編完売につき「ナイフ-Knife-ぼろぼろのワンマン追加公演」を開催します。

ナイフはお昼のワンマン本編で全力で歌唱・演奏します。その為、夜の部のワンマンでは 歌や演奏がぼろぼろになる可能性があります。声が枯れて出ない場合は口パク、セットリストの変更や演奏時間を短く又はMCやBassソロばかりをさせていただくこともございます。ご了承の上ご来場ください。

特別企画 シグマ(コアラのお兄ちゃん)が「ナイフ feat.シグマ」として出演!!ナイフの楽曲での初ステージになり謎に包まれた存在や歌声に注目です!!

あの日視た幻想での共演、はにーぽけっと様からのご紹介をきっかけにナイフとは長時間のランチをする間柄の TUMENECO様 によるGuest LIVEです!!

はにーぽけっと様同様に、仲が良いだけでなくナイフにとって恩人でもあるTUMENECO様のご出演が叶いとても嬉しいです。
※2022年1月9日の「あの幻」のステージで使用された yukinaさんのペンライトにはコアラのイラストが書かれており仲良しの証拠になっています。

ナイフぼろぼろのワンマン、ナイフ feat.シグマ(コアラのお兄ちゃん)、Guest: TUMENECO様 の3ステージで合計2時間~2時間半を予定しています。ぼろぼろなのはナイフの夜のライブだけです。シグマ様、TUMENECO様は、ナイフとは別のステージのゲストライブになりますので、ぼろぼろではありません。

皆様やゲスト様と記念になる時間にできたらと思いますので宜しくお願いいたします。

 

ナイフ-Knife-・コアラ活動5周年記念

2022年5月7日(土) 池袋LiveHouse mono

昼の部(本編)
タイトル:「ナイフ-Knife- 5th Anniversary ONEMAN」
開場: 12:20
開演: 13:00
出演: ナイフ-Knife-
SOLD OUT!

夜の部 (追加公演)
タイトル: 「ナイフ-Knife- 5th Anniversary ぼろぼろのワンマン追加公演」
開場: 18:00
開演: 18:30
終演予定時刻: 20:30頃
Ticket https://knife.booth.pm/items/3780599

出演:
ナイフ-Knife-
ナイフ feat.シグマ(コアラのお兄ちゃん)
Guest LIVE: TUMENECO様 http://shoyu-sound.jp/tumeneco

5周年ライブ特設ページ (昼の部・夜の部 共通)
http://knife.dojin.com/20220507.html

ナイフ-Knife- http://knife.dojin.com
https://twitter.com/Knife_official_
Vocal: Koala https://twitter.com/koala_vocal
Bass: WANI https://twitter.com/Sally_WANI

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「ナイフのことが、ますます、大好きになる。」ナイフ-Knife- 4th ONEMAN 『12月30日18時台のカウントダウン年越しLIVE』ライブレポート おわり