感想は気軽に書いて良い!東方アレンジの感想の書き方・伝え方
東方アレンジの感想の書き方・伝え方【前編】
2022年は、一月の京都秘封からはじまり、三月の新潟例大祭、五月の春季例大祭、六月の名華祭……と、大型の東方イベントがしっかりと開催されています。みなさん、お目当ての作品やグッズは手に入れられましたか?
イベントが終わると、毎回ある現象が起きます。それは、「サークルの人の魂が抜けること」です。
Twitterで元気なあの作家さんも魂が抜けています。
かわいいイラストを投稿しているあの人も魂が抜けています。
素敵な歌を歌っているあのボーカルさんも魂が抜けています。
イベントの時期にしか浮上してこないあの人も魂が抜けています。
いつもTwitterで面白いネタツイをしているあの人も魂が抜けています。
あなたが直接訪問しに行って元気に応対してくれたあのサークルさんも魂が抜けています。
みんな、魂が抜けています。
なぜかって? それはもう……みんな、疲れているから……。長きにわたる作業、イベント当日の疲れが、ドッと身体に重くのしかかってきます。そしてサークルさんは、次のことを考えたり考えなかったりするのでしょう。
「今回も締切がギリギリだった……。もうあんな死にそうな思いをして作業に臨みたくない……もう次のネタ思いつかない……。どうしよっかな……そろそろ次のイベント向け作品を作り出さないと何だけど、あんまり考えてる時間がない……。うーん……その次のイベント、出るか迷うなあ……」
こんなことを(多分)みんな考えています。考えたことがあります。今年の春の例大祭はサークル参加数が1300~1400程度だそうなので、おそらく1000~2000人程度の「魂が抜けている人」が発生していた、ということになりますね。イベント当日の楽しみや喜びと引き換えにしてはつらすぎる現実です。
でも、そんな魂が抜けてる人の魂を復活させる方法があります。
そう――、「感想」です。
音楽の感想は、気軽に送って良い!
音楽の感想って、書くのが難しそうです。たとえば絵に対して、東方のファンアートへの感想なら、
「かわいい」
「きれい」
「カッコいい」
「背景がすごい」
「◯◯さんの絵好き!」
このような感想を持ったり、実際に送ったことのある人、いっぱいいると思います。でも音楽のことになると、途端に分からなくなる……。何を言って良いか分からない……そう思う方も多くいるのではないでしょうか?
しかし、絵の感想も音楽の感想も、違いはないんです。
「かわいい」
「きれい」
「カッコいい」
「背景がすごい(音楽的な意味で)」
「◯◯さんの曲(アレンジ)好き!」
これらはほとんどすべて、音楽の感想としてもそのまま使えます。「音楽って難しそうだから専門的なことは分からない」「間違ったことを言ってないか不安になるので言えない!」そんな思いがよぎるかもしれません、でも。
実は! 音楽の感想は、気軽に送って良いんです!
音楽の感想を言うのは、難しい?
感想は、サークルにとってはイベントとイベントの間の空白期間をつなぐ元気の源です。「本当に読んでくれた人がいるんだ!」「読んでて面白いのかどうか不安になりながら作った本、面白いと言ってもらえた!!」こうして感想をもらうことで、魂の抜けた作家は次のイベントに向けて魂を取り戻していきます。
ここでひとつ、気になることがあります。それは――あらゆる感想の中でも、音楽の感想は少ないということ……! イベント後の戦利品報告では同人誌もCDもいずれもたくさん見ますが、その後のTwitterのタイムラインでCDの感想はなかなか見られません。新譜告知に反応をしてくれる人は多いけれど、いざ頒布したあとは、意外と静かだったりとか。
なぜ、音楽の感想・東方アレンジCDへの感想は少ないのでしょうか? この理由はズバリ、「音楽の感想を書くのは難しい」という先入観です。音楽の授業で、「作品鑑賞の感想文を書け」と課題を出されて困った人、多くありませんか? 身に覚えある人、いますよね。
ですが、音楽の感想を書くことはけっして難しいものではありません。
もしかしたら、あなたが音楽の「感想」を送ったり書き残したりすることで、推しのサークルさんがもっと良い曲を作ってくれるかもしれない! もっと言うと、あなたの好きなタイプの音楽をもっと積極的に作ってくれるかもしれない! あなたの感想が気になって、ほかの人もそのサークルの音楽を聴いてくれるかもしれない! どうでしょう。魅力的に見えてきませんか。
「自分なんかが感想を送って失礼じゃないだろうか……」「自分の感想なんて別にろくなもんでもない……」と思っている方、それは違います。
前置きが少し長くなりましたが、このコラムは「イベントが終わって魂が抜けてしまった音楽サークルの中の人の魂を復活させる方法」、すなわち「音楽の感想の書き方のアドバイス」をしていく内容となっています!
「音楽サークルはなぜ感想に飢えているのか?」その理由についても踏まえながら、「どのように作家とコミュニケーションを取ると“ヘン”にならないのか」、そして「どうすれば周りの人やほかのリスナーにも影響を与えられるのか」。そういったこともお伝えします。
最もかんたんな感想「聴きました!」
イベントが終わって魂が抜けてしまった音楽サークルの中の人の魂を復活させる、最も簡単な方法があります。
それは、
「聴きました!」と伝えること
です! とってもシンプル。
そもそもこれって感想なのでしょうか。内容に言及してないですよ? それでも作家さんはうれしいはずです。――では、なぜ「聴きました!」がうれしいのか? その理由はとても簡単。「曲を聴いた人が本当にいるんだ!」と、実感できるからです。本を出して、その本の感想が貰えたなら「本当に読んでくれた人がいるんだ!」と作家さんは思います。それと同じことですね。
先述の通り、音楽の感想は比較的表に出にくいです。よって「イベントの後みんな聴いてくれたかどうか、分からない……」と、多くの音楽作家・アレンジャー・パフォーマーが、このような不安に駆られています。そう思っているところに「聴きました!」という一言をもらえると、すごく安心するのです。「ああ、本当に聴いてくれた人がいるんだ!」と。
そして、可能であれば「聴きました!」のあとに続けて、
「良かった!」
「良いアルバムだった!」
なんて一言が添えられると、それだけで既にじゅうぶんな感想になっています。「ああ、本当に聴いてくれたんだ! しかも、気に入ってくれたんだ!」サークルの人は安心し、めちゃくちゃ喜びます。
直接作家さんに伝えるのが難しい場合は、
「◯◯(サークル名)の新譜『△△△△(アルバム名)』聴いた! 良かった!」
とTwitterにツイートするのも良い手です(鍵垢のツイートはサークルさんへ届かないので、そこはご注意を)。
最近なら、そのサークルが自分でYouTubeなどに投稿している動画のコメント欄へ、
「新譜聴きました! 良かったです!」
といったコメントを載せる、などの手段も良いと思います。告知動画にポジティブなコメントがたくさんあると、あとからその動画を見に来た人も興味を持ちやすくなる、といううれしい効果もあります(その動画が無断転載動画じゃないかは、気をつけたほうが良いですね)。
ほかにも、
「◯◯(サークル名)の新譜『△△△△(アルバム名)』が良くて無限に聴いてる」
のようなオタク・ツイートも、大変うれしいですね。シンプルですけれど、「そんなに聴いてくれてるのか!」って素直に喜べます。
イベントの閉会後は、多くのサークルが「エゴサーチ(ネット上での自分自身の評判などをチェックすること)」をしていることでしょう。そのとき、具体的なサークル名やアルバム名がツイートに入っていたら、サークル主に見つけてもらえて喜んでもらえるかもしれません。もしかしたら、そこからさらに何か反応をいただける、ことがあるかもしれません。
逆に「例大祭で買ったCD聴いてるけど、良い!」といったツイートや、文字の代わりに写真でCDを紹介しているようなツイートは、サークル名やタイトルが文字として記載されていないために、残念ながらエゴサーチで見つけることが難しくなります。
(サークルさんに届けたい場合、もしサークル名やタイトルに入力ミスがある場合も検索が難しくなってしまいます。ここも作品告知ツイートや公式サイトからコピペするなどして、正確にしておきたいですね)
今回のコラムでは、いちばん簡単な「サークルさんへの感想」の伝え方を書きました。
「新譜を手に取ってくれた人はいるけれども、本当に聴いてくれたかどうか分からない……」と思っているサークルさんは多くいます。ぶっちゃけると私もそのひとりです。ですから、とにかくまずは「聴きましたよ!」と教えてもらえると、ちゃんと聴いてくれたリスナーがいる実感を感じられます。イベント疲れのサークルの魂が少しずつ復活します。
春季例大祭から既に数ヶ月か経ち、いくつかのCDを楽しんだリスナーの皆さんも多いでしょう。「聴きました!」「○○の新譜を聴いた!」は簡単に書き残せる感想なので、ぜひTwitterに(エゴサーチしやすい文章で)書いてみたり、直接リプライを送ってみたり、告知動画のコメント欄などに書いてみたりしてみてください。喜ばれるはずです。気に入った曲を何度もループ再生しているなら、そのことも一緒に伝えてみてください。もっと喜んでくれますよ。
次回以降ではより詳細に、「もう少し掘り下げて伝えたいけど、どう表現して良いかわからない!」という悩みについてアドバイスしていきます。
感想は気軽に書いて良い!東方アレンジの感想の書き方・伝え方 おわり