そして始まる、「リスペク風神」。

　まりおさんのスピーディーなラップに会場もノリノリです。矢継ぎ早に刺さっていくまりおさんのワードと音に圧倒されるかと思いきや、フロアの反応も素早いものでした。

　「歌詞を丸覚えしてるのか？」と思える程に精密な動きで追随してきます。ペンライトの動きが、まるで喋っているかのような動きに見えるレベルです。

　そして速度を維持したまま、次手の「マツヨイナイトバグ」へ。

　東方オトハナビや東方ダンマクカグラで知られるこのアレンジも、高速でガンガン攻める曲ですが、なんとここでも観客側も一音目から手を振り上げ合わせてきます。頒布から一年も経っていないのに流石の場馴れ感です。

　凄い、これがCOOL&CREATEか。圧倒的な存在感とフロアを支配する統率力に脱帽です。

　間奏に鳴り響くテラさんのギターパートもギラついていて格好良い。CD音源では決して聴けない、ここだけの音です。彼らは一瞬にして私達の心を鷲掴みにしてきました。

　乗せられるがまま、あっという間にMCタイムへ。

　「Youtubeとニコニコに届くくらいの思いっきりの拍手を」！

　まりおさんの一言で、会場は割れんばかりの拍手に包まれました。来れなかった人もしっかり意識してるのが優しさに溢れたまりおさんの人柄を表しています。……かと思えば、まりおさんの悪戯心の矛先がZUNさんへ。

「ZUNさん新作つくれー（パチパチ）」

　観客の拍手を操り、エールを送る拍手や、称賛の拍手、そして新作を催促する迫真の拍手を作り出してしまうとは……声が出せない状況下でも観客と心をひとつにしているからこそできる芸当なんだと思います。

　そしてMC後の「天弓天華オトハナビ」。

　初の有観客ライブで披露されたこの一曲。観客のクラップと煌びやかなステージを眺めることで、この曲のさらなる魅力に気付かされます。

 

　嗚呼　祭り囃子が　鳴り響く幻想郷

 

　ここで、これは市場でお祭り騒ぎする様子を描写した曲なんだと確信しました。何度もヘッドフォンで聴いた曲ですが、このステージを見て、やっとこの曲が“完成した”と感じたのです。

　ステージ（売る側）、フロア（買う側）、控える神主。この三者が揃ってこそ、その真価を発揮する曲なのだと……

 

　全て無に 全て無に返そう

　全て無に 全て無に返そう

 

　そしてリフレインするいつものメロディー。

　これぞ、東方の同人音楽ユニット、COOL&CREATEの今のスタンスを全力で表現する曲なんじゃないでしょうか。このお祭り騒ぎを見て、そして参加して、そう感じて仕方がありませんでした。

　続けて、「Thank you 感謝！」

　“全て無に返そう”とメッセージを送った上に、重ねてこれです。

　東方への感謝を！このライブができるのも、この仲間と集まれたのも全て東方があったから！

　グッときました。しっとりとした大人しめのメロディーも心に染み入ります。観客側もワイワイ騒いでいた前曲から一転、ゆったりと音に身を任せています。

　そしてラストは「Help me, ERINNNNNN!! -Cranky remix-」

　通常版じゃなかった！　リミックス版だ！

　でも、やることはかわりません。クークリについていって、みんなと一緒に「えーりん！えーりん！」と叫ぶ。ただそれだけでいいんです！　リミックス版でいつも以上に激しい音の濁流ですが、そんなもの、今の私たちにはなんの障害にもなり得ません。チッタのすべての人間が、まりおさんの音頭とともに「えーりん！えーりん！」誰も彼もが腕を振り上げます。

「まりお！まりお！」

　まりおさんが自分を叫べば観客はこぞって彼に指を指し、果てはZUNさんも巻き込みお祭り騒ぎ！

　最後まで、私たちと心を一つにして騒ぎきってしまいました。

 

セットリスト

1.リスペク風神

2.マツヨイナイトバグ

3.天弓天華オトハナビ

4.Thank you 感謝！

5.Help me, ERINNNNNN!! -Cranky remix-