東方我楽多叢誌(とうほうがらくたそうし)は、世界有数の「同人」たちがあふれる東方Projectについて発信するメディアです。原作者であるZUNさんをはじめとした、作家たち、作品たち、そしてそれらをとりまく文化の姿そのものを取り上げ、世界に向けて誇らしく発信することで、東方Projectのみならず「同人文化」そのものをさらに刺激する媒体を目指し、創刊いたします。

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「チッタで生まれた、いかがわしいヤツら。岸田教団&THE明星ロケッツは、東方を“ずっとやり続ける”【6】」超東方LIVEステージ2022 岸田教団&THE明星ロケッツ ライブレポート

超東方LIVEステージ2022 岸田教団&THE明星ロケッツ ライブレポート

 ステージ上の機材はフルバンドとなり、増えた機材数とともに観客の盛り上がりも最高潮を迎えている。『超東方LIVEステージ2022』、一日目のラストを飾る「岸田教団&THE明星ロケッツ」の登場だ。

 

 直前の幕間でのZUNさん曰く、彼らは「東方に収まるやつらじゃない」。そうZUNさんが語っている間もまた、転換中にも関わらず常に楽器を止めず弾いているのだ。

 この強靭なメンタル、既に何かを予感させる。

 

 ……しかし、ネームバリューは充分であるはずなのに、彼らがトリを務めることには不安しかない!

 10年以上も界隈にいるにも関わらず、彼らにはトリに値するだけのエモさを出すイメージが一切無い。むしろ、破壊してきた場面ばかりが思い出されるのだ。

 いやいや、ライブが久しぶりのサークルも多い中、直前に『東方アレンジだけやるライブVol.1』を済ませた岸田教団のウォーミングアップは充分なはずだ。……まあ、そのときはライブ中に酒飲んでたメンバーがいた気もするが。

 

文:ゲン
撮影:紡

チッタで生まれた、いかがわしいヤツら。岸田教団&THE明星ロケッツは、東方を“ずっとやり続ける”

 一日目最後の幕が上がる。初手は「SuperSonicSpeedStar」。

 始まるや否や、すかさずセンターを奪うGt.はやぴー。そのまま下手から上手まで動き、配信カメラに映りつつ、一曲目から観客を煽り倒す。本日イチの爆音は、会場を、観客を、否応なしにスピードの世界へと連れていく。

 

 二曲目も定番中の定番、赤いライトで始まりを告げる「緋色のdance」。

 ここでもGt.はやぴーは、俺が主役だと言わんばかりに宇宙サウンドのギターソロを繰り出した。さらに、Vo.ichigoの前へ出て、歯ギターを披露してフリーダムさを見せつけていく。

 Vo.ichigoも、ここまで幾つものダンスナンバーで踊り狂ってきた観客たちに向かって「声を出してないんだから、体力は十分だろ!」とばかりに、間奏では容赦なく「踊れ!」と煽り散らす。

 本日もステージの治安低下は“順調”だ。

 

 アッパーな二曲を終えると、間髪入れず「Desire Drive」がスタート。

 会場ではタオルが、配信では渦巻きのemojiが吹き荒れる。配信とライブ会場がまさに一体となる姿は、“超”LIVEを体現している。

 MCでさっそくセリフを噛んでリズムを作ると、「ライブではなく、チッタが久しぶり」とのアピールをしていく岸田総帥。直前の幕間でのアゲを「居心地が悪い」と言ってはにかむ。

 照れ隠しのついでに、2日目に出演する石鹸屋までをも「いかがわしいやつ」扱いし始めるが、最後にはサラっと「ずっと東方アレンジやると思います」と宣言する。

 これが岸田教団&THE明星ロケッツというサークルだ。

 このままエモい雰囲気が続くのか……と思いきや、突然「コミケはエロくなくてもいかがわしい!」という持論を続ける総裁。はて、先ほどまでのエモさはどこへ行ってしまったのか。

 そんな怪しい市場でしか生きられない奴らに向けた、最新の(曰く「いかがわしいジャケットの」)アルバムからの楽曲「ブラック・マーケット・ストレイ・キャッツ」を演奏。

 そう、ここにいるのは正常なフリをしつつ闇市場に用があるヤツらばかりだ。そして、明日も。

 そのいかがわしい明日へと盛り上げるべく、選ばれた最後の曲は「明星ロケット」。

 明日もあると言いつつ、今日一番のジャンプとクラップで場をシメる。オリジナル音源よりハイテンポなアレンジと、終盤の宇宙光線銃ギターで先ほどのいかがわしいMCを忘れさせ、強制的に大団円を迎えさせるパワー、まさに圧巻と言えよう。

 

 ドラムセットの前に置かれたアクリルボードで緩和せざるを得ないサウンドの“圧力”は、機会さえあればぜひとも現地に足を運んで浴びてみることをオススメする。皆さまの入信を、岸田教団はいつでも歓迎しております!

 現地で、回線越しで。

 それぞれのフロアに熱い音楽を届け続けた4時間が終わり、本日のライブはすべて終了し、イベントはしばし幕を閉じた。

 残るは明日。六つのサークルが川崎に投下した膨大な熱量を解放すべく、『超東方LIVEステージ2022』は二日目へと進んでいく――。

 

セットリスト

1.SuperSonicSpeedStar

2.緋色のDance

3.Desire Drive

4.ブラック・マーケット・ストレイ・キャッツ

5.明星ロケット

「チッタで生まれた、いかがわしいヤツら。岸田教団&THE明星ロケッツは、東方を“ずっとやり続ける”【6】」超東方LIVEステージ2022 岸田教団&THE明星ロケッツ ライブレポート おわり