「オタク、ライブの一体感を初めて知るの巻〜Alstroemeria Recordsで妖夢に「メイクサムノイズ!」された件【3】」超東方LIVEステージ2022 Alstroemeria Records ライブレポート
超東方LIVEステージ2022 Alstroemeria Records ライブレポート
ライブの三番手を担ったのは、Alstromeria Records。
我々が目撃したのは、微かな照明から次第に明るみになる魂魄妖夢と、世界のMasayoshi Minoshima(とDJブースの上のコーラ)。
幕開けに流れるローテンポでダークなインストは「Pop | Culture 3」のイントロ曲だ。
切ないメロディと激しいシンセの音で軽やかに舞う魂魄妖夢――に扮したayameさんの姿(と、純白ハイソックス)に息を呑む。
文:さいこ
撮影:紡
オタク、ライブの一体感を初めて知るの巻〜Alstroemeria Recordsで妖夢に「メイクサムノイズ!」された件
見惚れていたのもつかの間、一曲目に始まったボーカル曲は「Reassemblage」。
野太いキックが会場に響き渡る。耳から入る音だけでなく、会場いっぱいに轟いた低音が反響し、身体を貫かれる感覚がたまらない。
そして二曲目は、ayameさんのライブ定番曲「ARROW RAIN」。
皆が腕を上げて踊り、一気に熱が最高潮となったところで、ステージ上のボーカルがnomicoさんと入れ替わる。
三曲目「Lost Emotion」は、アルレコのサウンドを代表するような暗くて激しい曲。
そのクールで胸を刺すような歌唱と、最新クラブサウンドの熱で全身を攻撃されるような曲だ。そんな曲だがライブで体感すると、さらに大迫力音楽だけでなくてパッション溢れるダンス(オタク側も踊る)と会場の照明とともに、アツくなる仲間たちによって、より巨大な体験として演出されていた。
ところで――私はクラブイベントに比べてあまりライブに足を運ぶほうではないのだが、ライブはクラブとはまた違う楽しみ方ができるのだとここで気がついた。ライブは、ステージ上に崇め奉る対象がいるからいいんだよね。偶像の一挙手一投足に合わせて、オタクなりにこちらも手を振る、こちらから近づいていく感覚とでも言おうか。
今まで「ライブの一体感」というものに、どうも今ひとつピンと来たことはなかった。
でも、今日この場ではほんの少しだけ、感じ取れたのかもしれない。
このステージ上で演者が「たのしい〜!」って叫んでると、ちょっとうれしくなっちゃうこの感じ。たのしいよねー!って対話が勝手に進み、ひとつの空間がひとつの意識になっていくということ。
ステージ上で行われるnomicoさんのかわいい声によるMC、とびきりな笑顔、ふわふわのスカートでぴょんぴょんと跳ね回る魂魄妖夢。世界のみのしま先生によって、ここクラブチッタにアルレコ空間が形作られていき、我々もその一部になっていくのだ。
また、四曲目「SACRIFICE」では、一見クラブ向けと思われるドロップ(「あ、そこは盛り上がってるのに歌詞は無いんだ」となる部分)は、こういったライブではタオルを振るのにメチャクチャちょうど良いんだ、という気づきもあった。
「みんな一緒に〜!」というMCを受けて、曲の最も盛り上がる部分で力いっぱいタオルを振る。これはかなり気持ちよく、そのために用意されたパートとも思えるほどだった。
DJ機材の扱いに慣れたみのしま先生の焦らすような再生ボタン連打は、我々を「くるぞ……くるぞ……」という気持ちにさせ、まさにフロアは垂涎の池となった。
来世はDJ機材に転生するぞ。
焦らされに焦らされて投下された最後の曲は、おなじみ「Bad Apple!! feat.nomico」。
人生で何度も何度も聴いた曲だが、やはり大きい音で聴けば聴くほど良い。nomicoさんの歌唱だけでなく、ayameさんのダンスも楽しむことができたのは、ライブならではの体験と言えるだろう。
爆発オチならぬ抜刀オチで、あっという間の25分間が終わる。
妖夢に「メイクサムノイズ!」って言われたことないからわかんなかったけど、腕を振ったり手を叩くと楽しかったですよ。ということで、皆さんも妖夢に「メイクサムノイズ!」って言われたときは一緒に踊りましょうね。
セットリスト
1.POP CULTURE3
2.Reassemblage
3.ARROW RAIN
4.Lost Emotion
5.SACRIFICE
6.Bad Apple!! feat.nomico
「オタク、ライブの一体感を初めて知るの巻〜Alstroemeria Recordsで妖夢に「メイクサムノイズ!」された件【3】」超東方LIVEステージ2022 Alstroemeria Records ライブレポート おわり